表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ティアクライス物語  作者: (p‘・ω・〝q)
6/13

〈ふたご座〜カストルとポルックスの犯した罪〜〉

そこへ目の前に現れたのは、王の子カストルと神の子ポルックスという、勇敢な戦士の双子だ。


彼らは大きな争いにおいて無敗の伝説を持つ英雄の兄弟である。血は繋がっていないが兄弟、天界では当たり前の事であるし、血の繋がりよりも大切なことだってある。


「サソリさんよ、助けておくれ。カストルが戦いで傷をおってしまい、もうダメかも知れねぇんだ。俺はコイツといつも一緒だった、どんな争いだってコイツと乗り越えてきたんだ。」


「争いにいってりゃ、いつかはそうなるのはわかってたんだろう?散々人を殺しておいて、助けてくれとは、なんとも情けねぇ事を言いやがって。」


「俺達は争いが好きな訳じゃねぇんだよ、ただ、戦場ではお互いに頼らなきゃならねぇ、そうでもしないと、俺達は何のために生きてるのか分からないから、折角の兄弟だからいつだって信頼し合っていたかっただけなんだよ。俺達は死んでも一緒に居たいんだ、、。」


サソリは依頼書を無言でめくる。そこに書かれていたのはゼウスからの依頼でカストルを、と書かれていた。


「丁度そこのカストルさんを殺せと依頼が来てるぜ、まぁ俺が手を下すまでもなさそうだがな、、」


「何だって?!誰がそんな依頼を、、、!」


「ゼウスに決まってんだろうが。」


「あんまりだ、争いが上手く行かなかったから俺達をバラバラにしようとしてるんだな。一緒に居られる事が幸せというのをわかってて引き裂くんだ、なんて酷い事を。そうだ、サソリさんよ、俺も殺しておくれ。どのみちもうカストルは助からねぇ。俺が依頼する。俺を殺しておくれ。」


「しょうがねぇ、依頼を断る訳にはいかねぇからな。まぁ、同時に手を取り合って死ねばいい。いくぞ。」


サソリはエイッと毒針で2人を順番に刺した。カストルを抱えるポルックスは懸命に手を握っていた。


もがき苦しむ顔はやがて安堵の表情に代わり2人は星座となった。もし別々に死んでいたら、離れ離れの星座になってしまっていただろう。そうすると、2人は悲しみのまま星になってしまうが、サソリは殺しのプロ、同じ星座になるように殺めたのだった。

2人は無事、天界でも永遠に一緒に暮らせる事になった。


殺し屋には変わりないが、サソリの心遣いは慈愛に満ちていた。

「おい羊、てめぇゼ◯スにチクんじゃねぇぞ、気分が良くてつい2人も殺っちまったんだぜ。」


「それ以上いい気分になって僕が3人目にならなくて良かったメァ〝よ」


サソリは毒針を手入れしながら言った。


「ずっと一緒に暮らせない苦しさより、一瞬の苦しさの方がマシさ。だからお前も牧場からココへきたんだろう?」


https://www.dropbox.com/s/eh608a32kag42k4/11%2C%20%E5%8F%8C%E5%AD%90%E5%BA%A7%20%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%AE%E7%8A%AF%E3%81%97%E3%81%9F%E7%BD%AA.wav?dl=0


付随音楽〈ふたご座〜カストルとポルックスの犯した罪〜〉

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ