〈天秤座〜正義の女神〜〉
歩いているとサソリも気を使って話しかけてくれるようになった。
「このハサミはなァ、誰が正しくて誰が間違っているか、誰がいい奴で誰が悪い奴か、それを見定るんだぜ。
毒針で刺した後に、こっちのハサミでトドメを刺す。そうするとコイツァ天国に行くんだ。」
神々の無法な働きを裁く天秤の様なサソリは寧ろ良識がある方なのかも知れない。
「どうやっていい奴か悪い奴か判断するメァ゛?」
「そいつは企業秘密さ、俺がもしこのハサミを奪われた時に、使い方がわからなければ使えねえだろう?使い方さえ知っていたら俺は用無しさ。このハサミを使って法を名乗る奴が現れちまう。まぁ、使い方を見たところでそいつは死んじまうから、誰も使い方は知らねぇ筈だ。」
「メァ゛ァ゛!じゃあ僕がいい奴か悪い奴かわかるメァ゛?」
「それはわからねぇな。俺は感情で判断してねぇんだ。知りてえなら今ここで試してやっても良いんだぜ?」
そう言ってサソリは両手の挟みを大きく広げ、美しいその刃を星の光で輝かせている。
「や、やめとくメァ゛ァ゛。羊の毛は硬いから刃が傷ついちゃうメァ゛。」
※曲の長さに合わせてストーリーを短くしています。
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〈天秤座〜正義の女神〜〉