〜黄金の羊の通り道〜
※こちらはコンサートの為の序章で本編とは関係ないので、2話目からが本編です。お楽しみくださいませ。
空は不思議だ。
全ての自然は季節によって姿を変えるのに、空だけは昼と夜という短い感覚でその姿を大きく変えるのである。
他の自然と違い我々が認識するどの自然よりも大きい筈なのに。
太陽の恵みによって生きることの出来る我々は、星空を前に壮大さを感じざるを得ない。
なんて自分はちっぽけなんだと畏怖してしまう時もある。
太陽の恵みとは光の事ではなく、その広大な宇宙を隠してくれるという恵みなのかも知れない。そう、本来の空は青くは無いのだ。
1日の働きを終えた後、月と共にやがて現れる星々は様々な物語を持つ。
今の世に残されている多くの神話は真実か空想か。星という永久的に不滅のものに人々は物語を見出しているのである。
一度語り継がれた話は星の様に変わる事なく今の世まで続くが、それでは星が無くなってしまった時にはその神話はどうなってしまうのだろう。
星と共に神話がなくなってしまうのであれば、遠い人類の祖先と親しんできた繋がりも一つ消えてしまうのではないか。
音楽が人と共に在る様に、星も人と共に在るのではないか。
きっと人類が誕生してから今でも、そして未来でも、星が在る限り同じ星空を人々は眺め続けることとなるだろう。
ある人は星に問うだろう、ある人は星に願いを込めるだろう、照らすも輝くも、見る人によってこれ程までに違う星空は全ての人間が平等に見ることのできる美しい景色である。
ところで、音楽と宇宙は様々な研究によって、多くの関連が発見されている。星が音を発しているのはもう多くの人が知っているし、全ての宇宙の理である黄金比も音楽では既に至上のハーモニーとして愛されている。
星からインスピレーションを得て作曲された名曲は数知れずである。星から音楽へ、多くの贈り物を頂いている。
多くの文学作品から音楽が生まれ続けている。それらは情景を音で表現しており、このルーティンは聖書が聖歌になるような時代からの文化であった。
しかし、この物語は少し変わっており音楽から生まれた物語である。既にある抽象的な音楽からインスピレーションを経て物語が想像されており、音楽の進行に合わせて物語が進んでゆく。
小倉大志作曲「ティアクライス組曲」より、音楽から星へギフトを渡すことは出来ないか。音楽を聴く人の、その後に見る星空の景色が変わったのであれば、また一つ素敵な物語が星との間に生まれるのではないか。
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付随音楽「星を掴みに出掛けた音楽家達」よりプレリュード