第4話 絶望からの脱却。
結構な速度でかけているぜ。
次も今年中に出せるかもしれません。ここのお話が終わったら、少し確信に触れます。
今回は新キャラが出てきます。今日は彼らだけでも覚えて行ってください。
それでは本編どうぞ!!
広い廊下がある。その廊下には特に何もない殺風景なものだった。
広い廊下を抜けると、大きな扉についた。
「ここは公務室、今はまだお父様のものだけど...今お父様はいないからここがいいわ」
そう言って大きな扉を開く、そこには豪華なソファーに机があり、とても綺麗な部屋だった。手で案内されて対面する形でソファーにすわる。目の前で申し訳なさそうな顔をしたリノが事情を説明する。
「先ほどは申し訳ありません、私の伝達ミスのせいでご迷惑をおかけしました。今回の状況と相待って皆混乱しているのです。命の恩人にこんなことをして許されると思っていませんが今だけは貴方様のお力をお貸しくださいませんか?」
「それは.....状況にもよります。私はまだまだ子供です、そんな私ができる事は限られていると思うのですが?」
「そんなことはありません、貴方様の力に命を助けられた、そして年齢にそぐわない雰囲気は何かあるんだと私でもわかります」
喋り方を気にせず喋っていた私は、今になって気がついた。が今更変えるのも違和感あるのでそのままで行くようにする。
(それに、突然変えても変だろう....てのも後の祭りか)
「別に年齢を詐称していた訳ではございません。ただ貴族様への敬意はしっかり取らなくてはと思いこんな話し方になってしまいました。年相応ではなく不気味に思われるかもしれませんが、ご了承くださいませ」
「別に君がってはいませんよ、貴方の目はとても真っ直ぐで見ていると気持ちがいいくらいです。貴族というのはもっと暗い目をしておりますから」
くそ、失敗だ。できればそのまま気味悪がられていた方が楽にできるものを...この姿だと便利に使われるかもしれないし、子供とだけでさらってく人攫いもいる、てかいた。
さらに、これから起こる話し合い。内容はなんとなく察した。地下牢からこの屋敷に入ってくる間に外の景色を見たが皆が慌てて動いていた中に、けが人が何人か見られた。人との争いかと思ったがそんな話は聞いていないし、精精小競り合いが席のやまだ、こんな大事にはならない。
つまりは....
「そんな貴方なら信頼できます。私の命も救ってくれました、図々しいのは承知ですがお願いです、もう一度私を救ってくれませんか」
「魔物の手から?ですか?」
「!?なぜそのことを...」
ビンゴ、やはりそうだったか。どうにも嫌な予感はしていた。人の怪我が、皆血が出る怪我だった。人と戦えば矢の怪我や、火傷、そしてほとんどが強烈な衝撃による圧死や内臓損傷などが死因だ。日本人だと刀=押し切るだったが、現代の機械技術に追いついていないこの世界では、中世よりは少し上ぐらいの剣しかない。切ることはできるがほとんどは叩き殴るといった武器だ。
多少血は出るが、あんな血塗れな人はまず少ない。馬にでも轢き殺されたかと思ったがそれならもっと原型がとどめていないはずだ。綺麗すぎるといってはなんだが、人の死に方だ。
しかし腕がないものや腹の肉がぽっかりと“なくなっている”遺体が多かった。いや“なくなってる”ではなく'食べられた’のか。
「少し見ればわかりますよ、見ればわかります.....」
「酷い有様ですよね、私たちも急なことで慌てていまして、本当に前触れなく突然現れて私たちの街を荒らして行きました。慌てて対処してもこの有様です。私たち無力だとはっきりわかりました。実は馬車であそこにいたのも、腕の立つ冒険者に会いに行ったからです。断られてしまいましたけど」
儚げに笑う彼女は、とても自然体だった、しかしそれは巧妙に隠された強がりだと、貴族としての意地でこんなに強気でいられるのだと気がついた私は、どうもやるせない気持ちになってしまった。
同情してしまったのだ。
だが、それは俺の弱みだ。こんなところに長居していたら、きっと迷惑をかけてしまう。私は隠しているけど貴族の養子、つまりは貴族だ。恩を売るのは悪くは無いが、この女にどんな価値がある?もしこのことが無駄になったら、
(私が、この領地を救えずに負けて逃げたら、俺に矛先が向くんじゃ無いか?)
でも...俺は.....
「わかりました、できる限りのことはしましょう」
(手伝ってくれレダイアー)
『ああいいぜ。存分に俺を使え!お前に命を救われている身だ。文句は言わねえよ。ただ危険になったら..』
(わかってるすぐ逃げるよ)
「ありがとうございます!!ただ本日は押し返せました。明日からぜひお力沿いを。本日はゆっくりしてくださいませ、部屋は後でメイドに案内させますのでこちらでお待ちください」
「はい、それともう一つだけ、私が何をするのか、そして私のことも必ず言わないでください。あまり目立ちたく無いのです」
それは俺が貴族だからというのもあるが、未だ信用できる人が少なく落ち着いた暮らしを手放したく無い。だからこそ、俺の正体や力を知られたく無いのだ。しかし彼女らを助けないのは目覚めが悪い。
だからこそ、俺はやる。
「何か理由があるのだと思います。それに対する詮索もダメですか?」
ダメ元で頼む彼女は幼いながらも色気があり、可愛いと不覚にも思ってしまった。
「ええ、ダメです。申し訳ありません」
「残念です、素直に案内するとしましょう」
こちらですと誘導しながら外に進む。屋敷の中にも負傷者がいて、病院がパンクしていることがひと目でわかる。
これはまずい状態だ。兵士の限界を超えて戦わせているのがわかる、そんなことをしていたらいつしか味方に裏切られてしまう。まずは...
「今前線で戦っている方は何名ほどでしょう?」
「初戦の時に全軍で対抗しました、その時が1万兵ほどでしょうか。その後半分以上落ち、今では3000人いるかいないかでございます。ですが、かなり魔物を下がらせました、大型の魔物も大半は倒しました。今いる大型個体は、魔物を操っている総大将的な立ち位置なので、今はその道を開けるため突撃しています」
これは素直にすごいことだ。初戦で全軍使い切っても、いまだに前線を維持できるのは奇跡に近いだろう。最初がどうだったかは知らないがかなり良い判断だったようだ。しかし、もう限界に近いだろう、それは兵では無くこの砦を稼働させるのに限界ということだ。向こうも減っているがこちらもかなり減っているはずだ。そして向こうは傷ついた奴を直すという考えはないがこちらはある。病院が動かなくなった時点で一度撤退するのが良かったと思うが、ここまで足を共図に戦果を上げてしまった場合確かに判断が鈍るかもしれない。だが、部外者だからこそ見えるものがある。これ以上負傷者が出れば砦の人員もそちらにさかないといけなくなる。そうすれば前線は途切れ、戦っていたものたちは戻る道を魔物に塞がれ皆死亡だ。
そして、私が本気を出してしまえば最前世にいるものまでまとめて吹き飛ばしてしまうでしょう。
「.....いい方法があります」
「はい?」
「皆を救い前線を維持したまま、私の力を隠すことのできるいい方法が」
「それは一体?!」
「一部の人には気付かれてしまいますが、情報規制を行なっておいてくださいますか?」
「それはもちろんです」
「でしたらこういうことが...」
悪い顔をした黒夜が地震に満ちた顔で言い放った。
(相棒、力を貸してくれるか?)
(お前の頼みを聞かないわけがないだろう。相棒)
その言い方は少しずるかった。
ー最前線ー
冒険者パーティー「龍狩り」
彼らはこれまで順調とは言え長く戦い続けたためかなり疲労困憊していた。
剣士の武器でもある剣は刃こぼれが激しくボロボロだ。それでも魔物を葬る彼は確かな実力があった。
ライドは自分の武器をさするとボロボロの金属片がポロポロとこぼれ落ちるのに気がついた。
(もう限界か)
仲間には言わないが一度これは撤退して体制を整える必要がある。けれどそれでもしリノお嬢様に何かあったらと思うとなかなか後ろに下がれなかった。
この領地はもともとかなり治安が悪かった。冒険者ギルドも腐敗していた。俺はそのやり方に批判しながらも何も変える努力はしてこなかった。言い訳を続けて、仲間にも辛い思いを強要させたまま何年も放置していた。
しかしあのお嬢様は怖い大人も、恐ろしい考えも跳ね除けて自分の信じるものを突き通し、実際にこの街を変えしまって、すごいお方だと思った。頭が悪く、頭がいい人たちを怖いと思っていた。しかしお嬢様を見て太陽のようなあの方を見て俺はあの方について行こうと思ったんだ。だから、あの方は命に変えても守る、だが仲間をそれに巻き込ませる訳にはいかない。
「皆、撤退だ。魔力も心許なくなってたし、装備も限界が近い」
「ですが、この中をどう突っ切るというのですか?」
「そうよ、あんたが馬鹿みたいに姫様〜ってつ込んだせいで退路を経たれてるのよ?!」
「まあまあ、皆さんそんな強く当たらなくてもリーダーはそれぐらいわかってますよ。ばがですけど」
「何?!いい案浮かんだの!その馬鹿な頭に?!」
「珍しいこともある、馬鹿にもひらめきは起こるのね。もしくはただの奇跡」
馬鹿だのと馬鹿にされワナワナと怒りを募らせるが気は抜かない、言い合いを好きだと思ったのか、一匹のネズミ型の魔物が襲いかかってくるが、ボロボロの件で一線。魔物は絶命していた。
その力を見てまだ余裕があると他の人が見たら思うかもしれないが、仲間は気がついていた。ずっと一番先頭で仲間を守り続けていた彼はもう剣に冴えがない。限界が近いのだと。
「でぇ?どうするの、その案とやらを言って見なさいよ」
「その案は、俺が退路を全力の技で開くから、そしたら一直線に逃げろ、その技にこの剣が耐えられるとは思えない。つまりその技を打ったら俺は無力だ」
「なので、全速力で撤退ってことですか?それって本当に可能ですか?」
「そうよ、私走りながら魔法打てないから、あんたが守ってくれないとあっさりお陀仏よ!」
「私もこの装備で全力疾走はかなりきついのですが」
「防具だけでいい、気はある程度引きつけるからそっちに魔物がいっても少数だ。それぐらいなら防具なしでも対応できるだろう」
「そうは言うけどどうやって気を惹きつけるのよ」
「そ....それは、まあとにかく任せてくれ!」
(誤魔化せたかな?せめて仲間は生きて帰す!」)
手に血がにじむほど強く手を握る。最後の気合を振り絞るように頬を叩いた。
「みんな死ぬなよ」
覚悟が決まった目で、拠点をつくる仲間を見る。
気が付かないように食糧や、ポーションなどを分けておく。
それを仲間たちは見ていたがリーダーである彼だけが気づいていなかった。
その日、リーダーことライドが火の番をしていた。
拠点であるテントの中にはその他の仲間。魔法使いのローリエ、僧侶のティーン、重戦士のガリオはライドの話で花を咲かせていた。
「リーダーは出会った時から変わらないはよね」
みんな確かに一番子供だと笑い合う。それは確かだった、彼はもともと浮浪者だ、両親が流行病で死に、親戚などいるのかどうかすら知らないため、子供だけで生きるしかなかった。頼れる大人がいなくても働ける、生きるか死ぬかの明日の身すらわからない世界に飛び出したのだ。彼は腐った世界でも負けずに実力をつけて行った。最初の仲間は魔法使いのローリエだった。彼はかなり実力をつけて個人依頼を受けるぐらい有名になっていた。当時はまだ竜を倒していなかったので紅の魔剣から、[血濡れの吸血鬼]なんて呼ばれていた。
その話をすると彼は恥ずかしさのあまり怒ってくるので、あんまし仲間でもいじらない。ましてやその当時の彼は本当に酷かった。成人したばっかで礼儀も余裕も明日も希望もなかった彼は、本当に生きているのがやっとなぐらい危なっかしい状態だった。彼らもあの頃の彼をよく思っていないため、あまり話題に出したがらないが、今日はその話も上がった。
「私も今すっかり冒険者ね!」
「いやいや、まだ野宿とか苦手でしょう。育った環境は抜けないものですから。それでも、今では立派な冒険者ですね」
「トップ冒険者になるまで本当に長い道のりだったな」
「まだまだ私たちは成長できますよ」
「そうよ!私たちはまだ成長できます!」
そんな話で花を咲かせ、夜は明けて行った。
夜が明け、獣たちの声がまた響き渡る。前線で戦ってきた者たちには慣れた者だが街にいる人達はその声に怯えて1日が始まる。まだ、人が少ない内に城壁に上がりその日の出を見る。人々がゆっくり活動し始めると同時に魔物たちもちらほら動き始めるのを地平線に見かける。
「もう行くのですか?」
「ええ、なるべき人に見られたくありませんので」
「......助けてくださるあなたに図々しいのはわかっていますが、もし冒険者パーティを見つけたら助けてくだ覚ませんか?」
「生きてると思ってるのか?」
すでに一週間は立ってるだろう。そんな長い間戦闘に耐えられると思わない。
普通は死んでると思うだろう。魔物との戦いとは人との戦闘とは違い、容赦はない。夜に活動する魔物もいる中で一週間は限界だろう。それでも未だ生きてるという根拠はなんだ。
「一昨日帰ってきた冒険者のパーティが未だに戦ってると言ってたそうです。食糧や必要なものは渡したとは言ってましたが、そろそろ限界だと思います。なのでもし、もし生きてたら助けて欲しいのです!」
なんか接点があったパーティなのかもしれない。仲が良い人達なのかもしれない。彼女は、リノは生きておいて欲しいと思っているのか。答える義理はないし、ただでさせきつい戦闘に巻き込まれているというのにこれ以上何を言ってるんだと思うが。
「そんな目を向けられたら、断れないっての」
ぼそっとつぶやき
「まかせろ」
ただ一言強く言う。
「ありがとうございます」
莉乃も静かに感謝して一歩下がった。
(いくぞ!!)
『オウ!』
瞬間、地平線までに赤くただ赤い魔力が響き渡った。
リノはその目に止めることはできなかった。
美しい光が響き渡ったと思ったら、背の高い青年が黒夜がいた位置に立っており、その城壁から飛んで羽ばたいて行った。
「ここからは、全力で行くぞ!!!!」
少し肌寒い空を、とてつもない速度で羽ばたく。その頭には立派なツノが生えており、その姿はとても引き締まった肉体と、高身長になっていた。黒夜の目を引く美しい黒髪が伸び後ろで結ばれていた。その髪が彼を彼だと教えていた。
戦場まではもうあと少しで着く。
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戦場ではゆっくり拠点に戻りながら魔物と戦っていた。
しかし、後ろに下がっているはずなのに少しずつ魔物の数は増え行く。その数は少しずつ対処できる限界を迎えて、気がつけば冒険者パーティ「龍狩り」は足を止めてしまった。
「リーダー!これでは戻るどころか逃げることもできません!」
足を止めながら陣形を組み、仲間を守り続ける重戦士のガリオは限界を感じずにはいられなかった。休んではいたが完全に休めたわけではない。せいぜい体をごまかす程度だ。しかし、それの限界が来たため撤退したのだが、そんな状態ではこんな連戦耐えらるわけなく膝をついてしまった。
そんな彼を見たレイドは覚悟を決めた。
「ちょっと待ちなさい!レイド、前に出過ぎよ!あなたに敵が向かいすぎてカバーが出来ない」
魔法使いのローリエが魔力を込めながら叫ぶ。
僧侶のティーンが魔力を周囲に広め見方に回復を付与する。しかしレイドが敵を仲間から離れさせるため回復範囲から離れてしまった。
「レイドさん!戻ってきてください!体力も限界です。早く回復しないと.....陣地を組みなおします!」
「ですが、お二人とも魔力は足りてますか?ティーンは範囲に魔力を広げたため貴方はもう魔力が空なはずでは?魔力ポーションも使いすぎてあまり回復しないはず。ローリエも逃げるために少しは魔力を温存しないといけません!」
回復してもらい立ち上がれるようになったとはいえ、ガリオも限界だ。しかしそれはレイドも同じはずなのにそれでも彼が頑張るのは。
「お前ら!今なら逃げるから早くいけ!!!」
ギリギリなのか、喋れないような状態でも死ぬ気で仲間に伝える。レイドは死ぬ覚悟を決めて囮をしたのだ。しかしそれも長くは持たない。
「早く行け!ばか!」
必死に叫ぶ、魔物が邪魔で仲間は見えないし、断末魔で見方が何かを言っているのかわからない。それでも俺を心配して逃げれないのは知っている。だが、ここで冷静を描くのはローリエぐらいだろう。だが、2人で引っ張れば戻せるだろう。
こんなところで仲間を残して死ぬのは悔しいし嫌だが、それでもみんな生きているならいい。生きてるだけで俺は嬉しい。
そんなことを思いながら剣を振るが、その手から力は少しずつ抜けていく。足もフラフラで今のも倒れてしまいそうだ。
「回復したら!必ず助けに戻るからそれまで死ぬんじゃないわよ!!!」
ローリエがお嬢様とは思えないほど大声で叫ぶ。魂からの叫びはレイドに届いた。見えはしないがなんとなく離れていくのがわかる。それに加えて魔物がさらに押し寄せる。森のおくにまだまだ魔物がたくさん見える。だが絶望はない。仲間が帰ってくるのを待つことはできないだろうが、どうか生き残れ。
そう願い、彼は地に倒れる。
「よく頑張った。あとは俺にまかせろ」
暖かい光がレイドを包み、彼を安らぎの眠りへと誘う。彼は一週間ぶりに深い眠りについた。
配信を生贄に!小説の次の話を召喚!
てな感じで、これは配信をお休みして作った時間で書いています。
なかなか専門も忙しく、課題と自主制作に追われる毎日です。最近の癒しはバイトにお店に来る仲の良いお客さんと話すことです。
そんな感じで、忙しさに身を包んでいる私ですが、小説を書くのは楽しいですね。絵も練習しているのですが一行に上手くなる気がしません。
ちなみに小説を書くときはYouTubeを見てます(YouTubeの動画はなるべく月一で動画出す)
それでは裏話をどうぞ!
ー裏話ー
「リーダー、今日のご飯は....」
「リーダー、服は洗いましょう。私たちはこれでも名前が広いのですから、その自覚を持って恥を.....」
「リーダー、お金を使いすぎです。これからはお小遣い制にしますからね......」
「お前は俺のママか!!」
「え?レイドって母のことをママって呼んでるの?」
「ふっ......誰しも母のことをママと呼ぶことはある.....ぷっw」
「お前ら笑うなぁ!!」
今日も彼らは仲がいいのだった。




