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龍と謎と前世  作者: 夏蜜柑/甘楽
第1章。黒夜は前世の記憶を思い出す。
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第1章、第一話。プロローグ。

初めての投稿のため、文章力もないのでとても読みづらいと思いますが、どうぞ最後まで読んでみてください。

黄金帝国時代 1035年


王宮に特別な王女が生まれた。

その王女はフィアーネと言う名前でとても愛らしく、頭が良かったのです。

しかも、王女はとても大きな魔力を持っていて、魔法適正も高かった。

いわゆる “天才”というやつだ。

そしてそれを見た人達はフィアーネを自然と嫉妬した。

しかしそれは無駄に終わった。

フィアーネは、バルレスタン王国と言う国の第三王女だった。



幼い頃フィアーネはお転婆で、周りに迷惑ばかりかけていた。

よく王宮から抜け出し街の方に行ったり、よくわからない物を拾ったり…と。

そしてフィアーネはそのまま成長してしまったのです。


国王はそんなフィアーネが可愛く、厳しく当たることができなかったのです。

上にいた2人の兄達もそうやって自由に成長して、美しさを増すフィアーネが可愛かったのだ。

その結果、誰とも結婚せず。自由気ままな性格になってしまったのです。

決して王様や兄達が許さなかったわけではない。きっと………


しかし、フィアーネにも人生の転機座訪れます。

それはある日、街に行った時に起こった。

フィアーネはつい裏道に通ってしまい、金を積めばなんでもするような奴らに捕まってしまいます。

そんな時に1人の青年がフィアーネを助けたのが出会いだった。

フィアーネは18歳の時、運命の人と出会ったのです。



黄金帝国時代 1035年



その運命の人もまだ18歳で少年だった。

少年の名前はバリダ。

バリダは冒険者で、とても正義感の強い人で、愛する者のためなら命すら顧みないような性格の人だった。


それはある日、父親に頼まれて魔物を狩りに行った帰りだった。

近道だったため裏道を通ったら、男達に囲まれた、とても美しい女の子を見つけたのだ。


その少女は、金髪で目は王妃と同じ翠の目、そして何よりすれ違ったら必ず振り向かせてしまうほどの美貌。

その時バリダはフィアーネに一目惚れしてしまう。


下種共を紙屑にした後、バリダはもう一度フィアーネに会えるように約束をした。

バリダはどうにかしてフィアーネと仲良くなりたかったのだ。

その約束を元に会いに行き、会うたびに仲良くなっていった。

そして2人が19歳になった頃、お互いに気持ちを確かめ合い、結婚しようと決めたのでした。



しかし国王はその結婚を認めなかった。

別に国王が平民を差別するからではない。

逆に国王はそう言うような偏見をする人では無かったのだ。


しかし国王はそれを許可しなかった。

ある意味それは当たり前なのかもしれない、なぜならバリダは平民である以前に、科学者言う魔法とは全く違うものの探求者…つまり本物の異端者だったのだ。


それでも、フィアーネは諦めずどうにか道を探した。しかし国王はどうしても認めなかった。

国王は、それほどフィアーネの事が大切だったのだ。

ただの平民ならまだ良かったが、異端者として扱われてるバリダはどうしても許容できなかったのだ。


フィアーネは何度も、彼は危険じゃないと説明しても国王は首を振るだけだった。

そんな国王と喧嘩別れのようにフィアーネは王宮から出て行き、王族である事を止めた。



バリダは、王族すら止めて一緒に来てくれたフィアーネと安全に暮らせる場所を確保するため、実家のあるライアレンと言う街に来ていた。

そこで、自前の研究室を家に改造して、地下を作り、そこに研究材料を詰め込む。

こうして2人は幸せに暮らせる家を手に入れたのだ。

幸いバリダは冒険者として優秀でほとんどの依頼を受けれたため、資金的ないと問題はなかった。


そのあと、バリダの親に結婚したと報告した。

その時の両親の驚き方は些か大袈裟だったが、ある意味女性に無頓着なバリダを知っている両親は当然の反応かもしれない。

こうして2人は平和な生活を送っていた。


そうして2年後。2人の子供が生まれた。



子供の名前は黒夜。元々別の名前にしていたのだが、彼は自己紹介の時必ずその名を名乗るのだ。

2人は困惑した、だって普通そうだろう。

自分達の子供が自分達のつけた名前を呼ばずに、しかも見たこと無い文字で名前を書くのだ。


その行動を不思議に思いフィアーネとバリダは、同じく不思議な名を持つバリダの父、哲郎に話を聞いた。


その話はとても信じられるようなものでは無かったが、哲郎がバリダに教えた科学と言うのがその証拠らしい。

その話とは、こういう特殊な名前を持つものの事を転生者と言うことだった。


バリダの父である哲郎も完全では無いが、前世でどんな事をやっていたのかとか、どんな経験をしたとかなら覚えていると言っていた。



バリダの提案により、黒夜に科学を教えることになった。

黒夜も哲郎と同じく科学に対し、すぐに浸透した。


しかしその速度は親であるバリダだけではなく、哲郎ですら目を見張る程だった。

その凄まじさは、天才の一言でまとめられるものでは無かった。


そして何よりも目を見張ったのが、黒夜の知識に対する貪欲さだ。

その二つにより、黒夜が4歳の時にはもうその才を存分に発揮していた。

けれどもら残念ながらその才能は開花する前に散りかけてしまう。



黄金帝国時代 1030年



黒夜が才能を発揮させてから1年後に事件は起きた。

その年はバルレスタン王国に取って大事な年で、建国からちょうど700年と言う節目の年で大きなお祭りを行っていたのだ。

だが、この大きな行事に乗って手薄になった王宮に反乱を仕掛けたのだ。


その結果、王都が落ちすぐに反乱軍と王国騎士団との戦争になった。

バルレスタン王国の騎士団は、とても実戦向きな組織で、この時は冒険者達も一緒に反乱軍と戦っていた。

それにもかかわらず、反乱軍は思った以上に粘り、そして強さを見せつけた。


王都から離れた国にいた黒夜達はどうにか隣国に逃げることができた。

バリダの家族は先に遠くの街に逃げており、その街はバルレスタン王国の一番最南だったため、襲われることが無かったのだ。


しかし逃げる途中、反乱軍に襲われ、絶体絶 命であった黒夜達を、命を捨てて護ってくれる。しかし、そのせいでフィアーネは体調を崩してしまう。



そんな中、命からがらたどり着いた黒夜達は、隣国であるネバーレフィス王国に一息つこうとしていたところに、悪い知らせはやってくる。


それは、バルレスタン王国が滅びネバーレフィス王国に取り込まれたと言う話だ。


これは極めて異例なことだ。

普通にこんな事をしたら、亡命者や難民から批判を受けそうだが、今回は無かった。

つまり、みんな納得するほどの理由があったのだ。


その理由は2つあり。

1つは元々バルレスタン王国とネバーレフィス王国は仲が良く、隙を見て領土を奪おうなんて仲ではなかったからだ。まして、それは国民全員がわかっていたことだった。


2つ目は第一王女であった真白・バルレスタン以外の王族が皆例外なく、反乱軍によって亡くなってしまったのだ。

つまり第一王女とその娘以外はバルレスタンの王族がみんな亡くなったということだ。


そしてこの話はフィアーネに取ってバリダの死と同じぐらい心に刺さったのだ。


フィアーネは、確かに国王と喧嘩別れみたいになってしまったが、別に国王が嫌いなわけでは無いのだ。

むしろ子供の頃から愛情をたっぷり懸けて育て貰ったため、王族の仲では1番頼れて、家族だったのだ。

兄達もフィアーネの事を自分達よりも優先してくれたため、好きだったのだ。



その二つの事件によりフィアーネの精神は弱っていた。

そして、まだ体調が治っていない内に舞い込んだせいで、フィアーネも病気にかかってしまった。


少しずつ、自分が何もできなくなっていく……食べれる量が減り、動いていられる時間が減り、立っているだけでも疲れてしまう

自分を無力に感じ、嫌気がさしていた。

それでも、フィアーネはそんな状態で、自分ができる仕事を探し、始めた。


それは黒夜に不自由させないためだ。確かにバリダが預けたお金がまだまだ沢山あるが、育ち盛りの子供を育てるには少し少なかったのだ。それでも過信していればお金はすぐに無くなるだろう。


だから、どんなに辛くても必ず辛い思いはさせないと決めていた。

それは、バリダが残した最後の宝物だ。どんな宝石よりも美しく、大事なものなのだから。



黒夜は幼かったがそんな母を見て、何か助けになれないかと考えた。

そして考えついた。それは自分が1人で生きれるようになることだ。


自分は母の枷になっていると思ったのだ。

なぜなら、今のフィアーネを見ていれば、誰のために必死になっているのかは、幼い黒夜が見ても一目瞭然だった。


黒夜はフィアーネが元気でいられる内に生きる術を教わろうと思った。

それは、フィアーネが早く帰ってきた日や、暇そうにしている時間を見つけて教えを請うと言う日々だった。


文字を読めるようにしたし、貴族の振る舞い方も学んだ、夜会のダンスの仕方すらも教えてもらった。

どれも大事なことだと教わったが、何より大切なのは人を見分ける目…観察眼だと言われたため、自発的に街に出ていろんな人を見た。

誰が何をしようとしているのか、次はどこに行くのか、あの人はどういう人なのかといろんな事を見る観察眼を鍛えた。


フィアーネが休んでるのか、暇を持て余しているのかを見極めるのにも使えたため一番力を入れていた。

それはもう感覚レベルまで。


母が大変そうにしている時、つい教えて貰うのを躊躇ってしまうが、今はそんなこと気にしていられない。一刻も早く独り立ちしなきゃと、張り詰めていた。



そうして、気がつけば1ヶ月経っており、フィアーネはすでに立てないでいた。


フィアーネはもう自分が長くないことがわかっていた。だからこそ黒夜が生きる術を教えてくれと言われても、驚きもせず頷いたのだ。

黒夜から見ても、もう長くないように見えると思ったのだ。


酷い思い込みだがそれぐらい焦っていた。

想像以上に病気の進行が早く、こんな早くに倒れるとは思っていなかったのだ。

せめてもう少し黒夜に残せるものはなかったのかと自分を責めてしまう。


そんな日々が続き少しずつ精神をすり減らしていった。

さらに、自分の事を一生懸命に世話をしてくれる息子に罪悪感をおぼえてしまう。



黒夜はフィアーネに毎日生き方を教えてもらい、練習し続けてどんどん上手くなっていた。

それは、黒夜が見せた才能の一つだ。


黒夜が大切だと思ったことや、面白い事にはひたすら一直線で、どこまでも真剣に続けられる集中力だろう。

しかし、そんな日々は長くもなく………


どんどんフィアーネの体調は悪くなり、黒夜が看病しなければ生活できないほどだった。

それでも母としての矜持なのか、どうにか教えられる範囲で教えていた。




さらにもう1ヶ月経ったある日、フィアーネの体調が一変した、何も食べれなくなってしまったのだ。


急に悪くなったのもあるが、病気に関しての知識が浅い黒夜は、どうやって対処すればいいかわからず、ただの慌てることしかできなかった。


そして何もできない黒夜は、責めて母を1人にしないためにずっと手を握り続けていた。



フィアーネは黒夜が必死に自分を看病してくれるのを見て、自分が束縛してどうすると、自分を責める。


きっと自分は黒夜に嫌われているだろうなと思っていたが、黒夜が必死に「元気になって」とか、「すぐに良くなる」と聞いてやっと自分が勘違いしていた事に気がつく。

黒夜は自分が嫌いなんじゃない、辛い思いをさせているわけではないと。


そしてフィアーネはとても大切な事を口にしてその日は眠った。


フィアーネは次の日起きることはなかった。



フィアーネは一つの言葉を残して息を引き取った。


黒夜はその言葉に鍵が外れる感覚を感じた。

気がつけば自分では無い自分が色々なことをダイジェストで行っているシーンを見た。


そしてその時思い出した、それは祖父であった哲郎が黒夜に言ったセリフ………


『黒夜よ、君は自由に生きなさい』


と言うセリフを。黒夜はそれに従い、意地汚くても、かっこ悪くても、ダサくても生きようと思った。

自分で自分の事を決めるのだ。それが出来なければこれから生きていけないと思ったから。



黒夜がどうにかして、暮らせるようしないとと思っていたら、この前の言葉を思い出した。


『幸せになりなさい。私はあなたをずっと愛し、見ているからね』


という言葉を。

きっとこの言葉が黒夜の心を解放させ、記憶を思い出させたんだろう。

そしてこの言葉は今でも黒夜の中にある。

確かに感じているのだ。



最後に黒夜は母親に恩返しできないかと考えたところ、記憶の一つにあった、“おそうしき” というものを思いだした。


黒夜はフィアーネが貯めていたお金で葬儀を行った。それは自分1人だけのものだったがフィアーネが大事にしていたものや、灰になってしまった体を持って埋めに行った。


そこは母が仕事に行っている間を狙って近所の子供達と遊んだ時に聞いた場所だ。


話によれば、少し離れた山の丘にに綺麗なお花畑があり、とても綺麗な場所だと言っていた。


その周りには魔物が出るため危険と言われていたが、自分じゃない頃の経験で上手く切り抜け、辿り着く。

出てきた魔物もそこまで強いものじゃない。

最高でもフォレストウルフと呼ばれる魔物だ。


ついに着いたお花畑の近くは神聖な魔力が漂っていたため、魔物は近寄らず安全地帯になっていた。


お花畑の中心にはとても大きな一本の樹があり、とても立派だったためその麓に埋めることした。


どうにか前世の記憶を使い1人で穴を掘り、埋める。

最後に立派で綺麗な石を大、中、小と探して持ってくる。


大中小な石を段々と三段に積み、最後に拝んで帰り道に進んだ。

もちろん帰り道も気を抜かずに帰る。

その後もどうにか貯金をやりくりをしてどうにかしていた。



しかし黒夜はこの状況は良くないと、これでは独り立ちしていないと……どうにかしようと必死にあがき、仕事は無いかと必死に探した。それこそ汚い仕事でも、怪しい仕事でも、生きていくためならなんでもやった。

それは哲郎に言われた自由を掴むために。


そして母であるフィアーネに言われた言葉の幸せを手に入れるためだった。


でも、こんな2桁も行ってもない子供がそう大きな仕事ができるわけでもなく、なけなしのお金で払える家賃でもなかったため、あっさりと家を追い出された。


黒夜には身内がいない。

バリダの祖父達は、未だに元バルレスタン王国の最南部である街にいた。


そして、元々フィアーネは王国のお姫様だったが、それは以外は助かった一人娘の真白だけだ。

そのため助けも求められない。


一様、その名前を聞くたびにら少し懐かしさは感じるが、何度聞いても思い出せない。


そしてバリダの親戚達はみんなバラバラになってしまい。今では自分達のところでいっぱいいっぱいなのだ。


結果、黒夜はスラム街に行くことが決定した。


スラムはあんまり良い場所では無いが、この際つべこべ言っていられない。

生きていくためには、必要やことだ。と自分に言い聞かせ、行くことを決めた。


そうして黒夜は第二の人生を歩み始めた。

こんなズタズタな文章ながらも、最後まで読んでくださりありがとつございます。


実はこのお話、もとは全然違う物語にしようとしていたんです。

そのため設定やキャラはそのままでストーリーだけを変えたためタイトルにIFが付いてます。


今度、機会と時間があれば元のお話も書きたいと思います。


最後にもう一度言わせていただきます。

最後まで読んでくださり有難うございます。

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