ヤンデレな理解者とゲーム脳
今回は少し短くなっています。
「あははははは!」
そう、俺は嗤う。俺の隣にせーながいないから。
「ひっ…あんた異常よ…誰か!誰か助けて!」
馬鹿女。助けなんか来るわけない。俺が手を回してないとでも、思ったか?
「そんなお馬鹿なお前に教えてやるよ。俺が指示しない限り、ここには来ない。俺が満足するまで、ここからは絶対に出さないよ。俺の愛しいせーなを傷つけようとしたんだから。」
本当は、自分がおかしいって分かっている。星南を傷つけているってわかっている。でも、星南が傷つくのは、俺のせいだ。星南が今俺の事を好きにならないのも俺のせい。全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部、俺のせい。分かっているからこそ、もどかしい。他のやつのせいにしたくなる。アイツが近づくから、とか。他のやつと仲良くするから、とか。この女もある意味、俺の被害者だ。だから。
「なあお前、俺がこれからお前をどうすると思う?あてたらご褒美をやるよ。」
俺は、お前に賭ける。これで、すぐに答えてくれたら、俺はこいつを見逃す。
「ご、ご褒美って、何?」
っち。あーあ。俺も好きで悪役になってるわけじゃねえんだけどな。あきらめて、無情な、人間の俺になろう。いつもの無慈悲な俺に。
「はーやーく。早くしないとお仕置きしちゃうよ。」
「ひっ。わ、分かった。な、殴るとか?」
ふふっ。答えるなんて、やっぱりこいつ、せーなと違って馬鹿だなぁ。
「半分せいかーい。じゃあご褒美として~、一発。お仕置きとして、一発。行くよ?」
「えっ、ちょっ、待っ!」
てめーなんかのために待つわけないじゃん。本当は今すぐにでもせーなのところに行きたいの、必死に我慢してるんだから。これ以上お前のために割く時間なんて、これっぽっちも必要がない。早いとこ終わらせて、せーなのとこいこーっと。
ドスッ、ドカッ、ドスッ。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「死ねよ!死ねよ!死ねよ!死ねよ!死ねよ!死ねよ!死ねよ!死ねよ!死ねよ!…ごめん。でも、俺を理解してくれるのはせーなだけ。せーなだけなんだ。
「あーあ。こんな汚い血つけてたらせーなに触ってもらえなーい。早く消毒しなきゃ。」
笑顔でそうつぶやきながら、出て行った男。
その男の顔には、狂気をはらんだ笑みが浮かんでいた。
トイレに残された女は、放課後まで救出されることはなかった。