傍観少女とヤンデレな理解者
今回は話がなり脱線しております。
三日目。二日目は特に進展がなかったのが残念だわ。
デザートはマンゴープリンにしてみた。林宮先生直々にリクエストしてくれたから、美味しく作らないと!と私は燃えていた。そんなことを考えていたら、十分程たってしまっていた。私も学習しなさいよ!
「おはようございます。」
「おー、海瀬、もうぎりぎりだぞ、席につけ―。」
あら、さすが林宮先生。TPOをわきまえているわ。他の生徒会の人みたいに皆の前で名前呼びしたりしないのね。…いえ、それは失言だったわ。正堂さんは名字で呼んでいたもの。まあ、僕の物になってとか言っている時点で惚れているのはまるわかりだけど。
「ねぇ、星南ちゃーん、座んないのぉ~?」
六華さんに注意されるとは思わなかったわ。
「あ、ありがとう。今座るわ。」
「うん。六華も星南ちゃんに話したいコトあったからぁ。」
なにかしら。いやな予感しかしないんだけど。
「トイレ、ついてきてくれるよね?」
…拒否権がないわ。
「ええ。HRの後に行きましょう。」
一応、念のためにあの子を呼んでおきましょう。
「ごめんなさい、電話していいかしら?
「うん~、待つよぉ。」
その喋り方、やっぱり気になる。
そんなことは気にせず、電話帳からソウを選び、電話をかける。
rr『もしもし。…俺の…せーな?』
毎回ワンコールで出るわね、ソウは。
「その呼び方はやめて。」
あなたの物じゃないなんだから。と注意すると、
『いいじゃん。…意識しちゃう?…ふふっ…それだったら良いんだよ?』
こいつ…じゃない、この人はいわゆる、やんでれ?というものに限りなく近い人らしい。一回真顔で閉じ込めていい?と聞かれたときは思わず三日間引きこもった。(その間ピッキングされそうになったりドアを破られそうになる事数百回)
「そんなことはどうでもいいのよ。この後、六華さんと一緒にトイレに行って"お話"するから、私の身に危険が起きそうだったら出てきて。ソウにもらったアレで証拠はばっちりとっておくから。」
そういうと、携帯の向こうでクスッと笑ったような気配がして、
『俺があげたものをせーなが使う…それだけでゾクゾクするよ。アハハハハ!』
はい、聞きませんでした。
「ほ、ほら、助けたら私の好感度あがるよ?だから、お願いします!」
『うん、俺は星南の幼馴染だから。やるときはやるよ。あの人にも頼まれてるし。』
あの人とは、私の父親。ソウ…宗二朗は忌み嫌っているけど。まあ、宗二朗も本当は私の事を心配してくれている優しい人なんだ。
「ねぇ~、星南ちゃーん、まだぁ?」
「あ、ごめんなさい、今行くわ。それじゃ、よろしく。」
『うん、もうついてるし。せーなの事だからね。愛してるよ。』
早いわ…
とりあえず今は、目の前のことに集中しないと。
「行きましょう。」
さあ、戦いましょう。