傍観少女とお昼ご飯(1)
投稿遅れてすみません!
私は朝早くから起きて、二人分のお弁当を作っていた。中身はごく普通のものだけれど、デザートだけは凝ってみたの。手作りのコーヒーゼリーで、シロップも手作りだから甘さも調節できるってわけ。先生はコーヒーが好きなようだったから気に入ってくれるはず。
あっ、もうこんな時間。急がなくちゃ、遅刻してしまうわ!
ギリギリセーフで席に着くと、前の席の六華さんに話しかけられた。
「ねえ、昨日とーじのとこ行ってたよねぇ?なんでぇ?」
「六華さんは関係ない事だから気にしないでいいわ。」
「えぇー、ほんとぉ?六華嘘つかれたら泣いちゃ~う」
ぶりっ子ってこんなに苛立たしいものだったかしら。
「とにかく、もう授業が始まるわ。前を向いた方がいいと思う。」
「うん、分かったけどぉ~…とーじたちに手、出さないでねぇ?…せっかく逆ハールートに入れそうなんだから、邪魔しないでよね。」
最後に言った言葉の意味が、よく分からないのだけれど。ともかく、そんな調子で私は昼まで乗り切ることが出来た。職員室ではなく、個人の社会準備室に行く。ここでは許可された生徒しか入れないことになっているから、何も問題はないというわけ。
「すいません、海瀬です。入ってもよろしいですか?」
「お、おう…いいぞ。」
「きちんと作ってきましたよ。はい。」
「おお、きれいだな。」
そりゃあそうですとも。努力の結晶ですから。でもここで自慢したら六華さんと同じ。
「ゆっくり食べてくださいね。」
楚々とした態度でいないと。
「海瀬は気が利くんだな。ありがとう。どれも美味しいよ。」
私も食べてみなくちゃ。んっ。美味しい。上出来ね。
「ぜひ、デザートも食べてみてください。」
「ああ、頂くよ。…!これ、コーヒーゼリー?」
「はい。先生はコーヒーが好きと伺ったので。お嫌いでしたか?」
「いや、すごく好きだ。しかもこれ、手作りじゃないか。海瀬が作ったのか?」
「ええ、まあ。それより先生、星南でいいですよ。」
呼び捨てにして親密感を持たせよう作戦よ!(大真面目)
「ああ、じゃあ…星南。これすごく美味しいよ。シロップも甘さが調節できるからちょうどいい。」
「よかったです。冬二先生♪」
冬二先生と名前呼びをすると、顔を赤らめ
「いきなり名前で呼ぶな!」
といった。気分を害したかしら。と思ったら、
「まあ、お前に呼ばれたくないわけじゃ…ない。」
ツンデレというやつかしら。初めて生で見たわ。以外過ぎてクスッと笑ってしまった。すると
「わ、笑うな!どうせリアルツンデレとでも思ったんだろ。六華にもそういわれた。」
やっぱり、何かおかしい。ツンデレ、逆ハールート…そのことから考えると、「…ぃ。」もしかして、乙女ゲー気分の人なのかしら。「ぉぃ。」つまり、ゲーム脳?
「おい!星南!」
「はっ、はい!なんでしょう!」
「大丈夫か?悩み事があるなら俺に言えよ。」
なんか、結構簡単に懐柔できた気が。でも、六華さんへの思いを完全に無くすまでは気を抜けない。気を付けないと。
「明日からも宜しくお願いします。」
そういって、私はにこりと微笑んだ。
一週間に一回は投稿したいです!(切実に)