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ロイヤルロード(上)  作者: Koko
3rd Stage
18/40

追及

翌日



学校に到着し、いつもの4人で話をしていた。



その時!



ガラガラ



教室のドアが開く。



そこには、思いがけない人物が立っていた。



「か…川越君」



あたしより先に、唯香が反応する。



久々に教室で見る川越君に、驚いているようだ。



「友菜~川越君が、教室に来たよ!」



「うん。珍しいね」



あたしが授業出ろってしつこく言ったから、出る気になってくれたのかな?



たぶん、ただの気まぐれだと思うけど…



唯香はずっと川越君を見つめているが、川越君は机に突っ伏したまま、微動だにしない。



キーンコーンカーンコーン



「あ~あ、鳴っちゃった…」



唯香はすごく残念そうな顔をしながら、自分の席に戻って行った。



ガラガラ



渡辺先生が、教室に入ってくる。



渡辺先生も入って来た時に驚きの表情で、川越君の方を見ていた。



その後も渡辺先生は、川越君のことが気になるようで、ちらちら川越君の方を見ながらHRを進めた。



HRが終わって、休み時間になる。



「おはよう、川越君、昨日はありがとね。教室にいるってことは、授業出る気になってくれたの?」



そう言った瞬間、川越君は体を起こし、こっちを見て来た。



その表情には、どこか憐みの色が感じられる。



あたし、何かしたかな?



その後、川越君はカバンから何かを取り出して、あたしに向かって投げて来た。



「うわぁ」



何とかキャッチした。



「おまえ、バカだろ?」



「今日初めて喋ったと思ったら、一言目がバカってひどくない?」



「薬局で商品買って、手ぶらで帰るとか、バカ以外の何物でもねえだろ」



袋の中身を見てみると、昨日あたしが買ったシャンプーだった。



「忘れ物なんて、誰でもするじゃんか!」



「そうだな。でもいい女になって俺を見返すとか言っておきながら、いきなりこのざまだな」



「し…仕方ないでしょ。ちび太と遊ぶのに夢中になってたから、シャンプーの存在なんて忘れてたんだもん」



「あっそ」



「不服だけど、とりあえず礼は言っておくね。ありがとう」



「じゃあ、目的は果たしたし、俺は行くから」



「どこに?」



「いつもの場所にだよ」



「授業は?」



「知るか」



「あっ!待ってよ~」



川越君は、あっという間に去っていった。



初めから、授業に出る気なんかなかったんだ。



きっとあたしにシャンプーを渡すためだけに、教室に来たんだと思う。



でも、川越君のあたしに対する言動や態度がひどくなってる気がするな…



あたしに対して、歯に衣着せぬ物言いになったということは、心を開いてくれたということで、とりあえずプラスに考えることにしよう。



「ちょっと、友菜~」



唯香がすごい勢いで、あたしに向かって来た。



「ど…どうしたの?」



「どうしたのじゃないよ~いったい何から突っ込んでいいのか、良く分からないんだけど…」



「突っ込む?」



「昨日はありがとうってどういうこと?シャンプーをどこに忘れたの?それを何で川越君が持ってるの?ちび太って誰?神崎君の弟?」



陽菜は興奮した様子で、一気にまくしたてた。



「ちょっと、落ち着いて…」



「落ち着いてらんないよ~友菜と川越君が学校外で会うような、深い関係だったなんて…」



「唯香は、たぶん勘違いしてるよ…要約すると、昨日薬局で川越君に会って、飼い猫のちび太を見せてもらえることになって、川越君の家にお邪魔したんだけど、帰りにシャンプーを忘れて来たんだよ」



「それは、想像以上だわ。おまえ、川越とそんなに仲良かったっけ?」



光ちゃんも、会話に加わって来た。



心なしか、不機嫌そうな顔をしている。



「どんな形であれ、家に上がらせてくれるってことは、きっと川越君は友菜に心を許しているんだね」



「確かに最初の頃よりかは喋ってくれるようになったけど…そうなのかな?」



「さっきの川越と友菜ちゃんの会話聞いてたけど、川越が友菜ちゃんに気を許してる様に見えたし、お互いのやりとりが何か自然だったよね」



「智紀君から見ても、そう見えるんだ…」



「まあね。言い変えると、仲良くじゃれあっているようにしか見えなかったね。まあ俺には関係の無いことだけど…さあどうするの、お2人さん?」



光ちゃんと唯香を見ながら、智紀君は言った。



じゃれあうって…



そんなに他人から見たら、仲良さそうに見えたのかな?



「光太君、作戦会議しよ」



「そうだな」



そう言うと、2人とも、唯香の席へと行ってしまった。



「智紀君、光ちゃんと唯香は、何の会議をしてるのかな?」



「う~ん…よりよい未来を掴むために、2人で作戦を練っているんだよ」



「へぇ~2人は、すごくスケールの大きい話をしているんだね」



「まあね。2人の将来に関わって来る話だからね」



「えっ…光ちゃんと唯香が、将来結婚するの?」



「何でそうなるの…俺1人じゃ友菜ちゃんのボケに対応できない…2人とも早く帰って来てくれ~」



「??」



光ちゃんと唯香はずっと会議をしていて、1日中相手をしてもらえなかった。



……




~光太Side~



「友菜、いつの間に川越と仲良くなったんだろうな…」



「まったく気付かなかったよね。川越君が転校して来てすぐの頃なんて、喧嘩したとか言ってたし」



「まず友菜が、川越に対してどう思ってるかってのが、問題だよな…」



「そうよね…タイミングを見計らって、聞き出して見るわ」



「頼むわ。俺も機会があったら、それとなく聞いてみるし」



「うん。女の勘だけど、このまま行ったら、2人はもっと仲良くなって行きそうな気がするよ。そもそも女嫌いのはずの川越君が、友菜と普通に会話してる時点で凄いことだし」



「そうだな」



「友菜のこと保留にして、野球に集中するって言ってたけどどうする?」



「俺の誕生日が近いから、そこで何とかしたいけど…もし振られたら、俺夏の大会に平常心でいられる自信ねえわ…」



「そっか…光太君、友菜と同じぐらい野球のことも好きだもんね」



「もどかしいな…甲子園出場を決めて、告白するってのが、理想なんだがな」



「そうなるといいね。光太君の一生懸命に野球をする勇姿を見てたら、友菜の気持ちも揺れ動くかもしれないからね」



「そうだといいんだけど…」



難しい問題だよな…



そんなことを考えながら、1日を終えた。



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