表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『等価交換の創造無双 〜ジャージ姿の俺、悪意を燃料に最強兵器を創り出す〜』  作者: beck2026
砂漠の国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

153/189

第153話:感謝ポイントと、理詰めのスキル構築

崖の上から戻ってきたカイトたちを、衛兵たちは信じられないといった面持ちで出迎えた。

 詰所の前には、もう上から降ってくる砂の姿はない。扉の周りに残った砂を退ければ、二度と入り口が埋まることはないのだ。

「本当に……本当に砂が止まった。魔法の残光もないっていうのに、一体何をしたんだ……?」

 先ほどスコップを握っていた衛兵が、唖然とした様子でカイトの漆黒のジャージを見つめる。

「……判定。ただの風向きの調整だ。約束のものを貰おうか」

 カイトが冷淡に右手を差し出すと、衛兵の隊長がハッと我に返り、慌てて懐から一枚の金属製のプレートと、古びた羊皮紙の巻物を取り出した。

「あ、ああ! 約束通り、これがこの関所の通行許可証パスだ。それと、これがこの先の大砂海の地図だ。……本当に助かった、ありがとな!」

 衛兵が心からの感謝を口にした瞬間。

 カイトの脳内に、無機質なシステム音声が響き渡った。

『――住民からの真摯な感謝を検知。「感謝ポイント」が一定値に達しました。これより、ポイントを消費して新規魔法の獲得、または既存能力の拡張が可能です』

 カイトは視界の端に表示された取得可能リストを、淡々と精査する。

 派手な攻撃魔法や、莫大な魔力を消費する大魔法も並んでいたが、カイトが目を留めたのは、リストの隅にある極めて地味な初級魔法だった。

「……判定。これより突入する砂漠地帯において、最も懸念される不備は車両の足回りのスタック、および砂塵による視界不良、そして排気系の閉塞だ。……ポイントを消費。初級生活魔法『局所集塵(クリーン・微風)』を獲得」

 カイトは新しい無駄な大魔法を覚えるような真似はしない。

 手に入れたのは、指先からごく微弱な風を発生させ、周囲の塵や砂を文字通りパッパと弾き飛ばすだけの、職人の掃除用のようなミニマムな魔法だった。消費魔力も極小で、常にカツカツの彼の魔力リソースを圧迫しない。

「カイト、あんた今、何か妙な魔法を構築しなかった? 回路が一瞬、変な動きをしたわよ」

 エルザが鋭い目でカイトの調律杖――ではなく、彼の漆黒のジャージの袖を見つめる。

「……砂漠用のメンテナンス機能を拡張しただけだ。リア、エルザ、車に戻るぞ」

「はい、カイト様! 衛兵の皆さんがすごく笑顔で見送ってくれてますよ!」

 リアが嬉しそうに耳を揺らしながら、カイトの隣を並んで歩く。

「……感謝という感情そのものは非論理的だが、それがポイントとして能力に変換されるのであれば、立派なリソースだ。今後も有効に活用する」

 カイトは四輪駆動車の運転席へと乗り込み、魔石エンジンを始動させた。

 ズゴォォォン、と心地よいV8エンジンの爆音に関所の衛兵たちが再びビクリと肩を揺らす。

 カイトは新しく獲得した『局所集塵』の魔法を指先で軽く発動し、フロントガラスに薄く積もっていた砂をサラリと一瞬で弾き飛ばした。ワイパーを動かす駆動エネルギーすら削減する、徹底した理詰めの管理だ。

 開かれた関所の門を見据え、カイトはアクセルを静かに踏み込んだ。

 車は関所を通り抜け、遮るもののない本物の大砂海へと躍り出た。等価交換の能力と、手元に残されたわずかな資金、そして新たに組み込まれた実用的な魔法を手に、カイトたちの旅はさらにその確実性を増していく。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

もしこの「ジャージ管理者の等価交換ファンタジー」を面白いと思ってくださったら、ぜひ評価の「星」やブックマークで応援していただけると、カイトの魔力と作者のモチベーションがリペアされます!

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ