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『等価交換の創造無双 〜ジャージ姿の俺、悪意を燃料に最強兵器を創り出す〜』  作者: beck2026
第2章:管理者の実地研修(フィールドワーク)

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第101話:新装開店と効率的な情報収集

翌朝、リスタの街の住人たちは、ギルドへと向かう奇妙な一団に目をいていた。

 先頭を歩くのは、相変わらず無表情で覇気はきのない青年、カイト。

 その後ろを、精緻せいちな美貌を持つリアと、夜の闇を溶かしたような退廃的な美しさを持つエリザが従っている。

 三人の共通点は、その奇妙な服装だった。

 この世界の誰も見たことがない、漆黒の、それでいて動きやすそうな『ジャージ』という名の装束。

 昨日までボロ布をまとっていたエリザが、その身体のラインを強調するようなジャージに身を包み、堂々と街を歩く姿は、道ゆく冒険者たちの視線を釘付けにしていた。

「……カイトさん。周囲の視線から得られる情報密度が上昇しています。……困惑、驚愕、そして一部の者からは隠しきれない『欲望』のログを検知。……この装備は、隠密性とは別の意味で目立ちすぎているようです」

「……それでいい。俺たちが『得体の知れない存在』であると街に認識させる。……それは、舐められて無駄な絡みを受けるコストを削減するための、効率的な防御策だ」

 カイトは周囲の喧騒けんそうを無視し、ギルドの掲示板の前に立った。

 彼が狙うのは、昨日のワイルド・ベア討伐で底上げされた装備の『試運転』に最適な、中密度のリソースポイントだ。

「……あったな。リスタ北西、沈黙の廃坑。……標的は『コッパー・ゴレム』。……攻撃力は低いが、外皮が硬く、普通の剣士なら武器の耐久値を削り取られるだけの不評な依頼だ」

「……ゴレム? あの、泥と石をこねくり回したような、不細工な動く塊のことかしら?」

 エリザがジャージの袖をまくりながら、退屈そうに首を傾げた。

「……ああ。だが、あれの核には、お前の杖のエネルギー効率をさらに高める『蓄魔石ちくませき』が使われている。……肉体的な負荷を最小限に抑えつつ、お前の魔法の『燃費』を改善するには、これ以上ない素材だ」

 カイトは迷わず依頼書を引き剥がし、カウンターへと向かった。

 受付嬢は、お揃いのジャージ姿の三人を前に、言葉を失って固まっている。

「……あの、カイトさん。その格好……。……昨日までとは、随分と雰囲気が変わりましたね。……まるで、別の組織の制服のような……」

「……ただの作業着だ。……『ブルームーン』。このパーティーの正式な装備として、昨日ハック……いや、錬金して作った。……手続きを頼む」

 受付嬢は震える手で依頼を受理した。

 彼女の目には、この三人がもはや「運良く狼を倒しただけの新人」には見えていなかった。

 どこか冷徹で、世界のルールを自分たちの都合で書き換えていく、異質な集団。

 ギルドを後にする三人の背中に、昨日までの嘲笑は一切なかった。

 ただ、不気味なものを見るような、静かな畏怖いふだけがそこには漂っていた。

「……さて。エリザ、今日のミッションは『省エネ』だ。……一撃の威力をさらに絞り、ゴレムの核だけを正確に撃ち抜く練習をしてもらう。……無駄な魔力の放出は、お前の身体を内側から焼くだけだからな」

「……分かっているわよ。……この服、なんだかあなたの理屈が肌に直接染み込んでくるみたいで、逆らうのが難しいわ」

 エリザはジャージのえりを正し、不敵に笑った。

 リスタの街の北西に広がる、打ち捨てられた坑道。

 そこは、カイトたち『ブルームーン』にとって、次なる最適化のための実験場となるはずだった。

 管理者の実地研修、第百一話。

 派手な装備も、仰々(ぎょうぎょう)しい二つ名もいらない。

 漆黒のジャージに身を包んだ三人の足音だけが、静かに、だが確実に世界のことわりを刻み込んでいく。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

もしこの「ジャージ管理者の等価交換ファンタジー」を面白いと思ってくださったら、ぜひ評価の「星」やブックマークで応援していただけると、カイトの魔力と作者のモチベーションがリペアされます!

よろしくお願いいたします。

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