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ぶっちゃけ

ミリアと二人で並んで帰る。

…聞くべきか、聞かざるべきか。

(パール、聞くべきだと思うか?)

(好きなようにしたらいいと思います。聞かない方がいいと思いますが。)

「ジン様、魔力を放出されてどうされたんです?、時々されてますよね?」

バ、バレてるゥー----。

思わず顔が引き攣りそうになったが、気力でねじ伏せる。

ここは話を逸らす。

「…ミリアって元近衛騎士団長だったんだよな。」

「そうですね。懐かしい過去です。」

もう中年だもんな。

「ジン様?」

なんて鋭い勘なんだ。

「ええっと、どうしてうちでメイドなんかしているんだ?」

「私は近衛騎士団長を辞めたかったんです。」

「なんで?」

「休みが全くなく、仕事もしんどいからです。なにかあれば物理的に首が飛びますから。」

なんて職場だ。絶対にそんなとこに就職したくない。

人生を棒に振りすぎだろ。

「それは嫌だな。もっと割のいい仕事もあるだろ。」

「はい、それがエルバドス家のメイドです。」

…想像してなかったなぁ、その返しは。

「…そうなんだ。」

「はい。旦那様は夜伽を命じられることはないと分かってましたし、ジン様たちの成長を見守るのも楽しいですから。」

ああ、アレクは完全にアレナの尻に敷かれてるからな。

「へ~。」

「それで質問に答えてもらってませんね、どうして魔力を放出されるんですか?。そこにいる何かと交流しているのですか?」

そこまで見破られてるのか、降参だな。

「…姿を見せていいよ。」

白い球体が姿を現す。

「それはなんです?」

「魔物かな、中庭で見つけて以降、懐かれてるんだ。それで魔力のやり取りで意思疎通を図ってるんだ。」

「そうなのですか。このことは旦那様たちに報告されてませんよね。」

「そうだな。ミリアはどうして黙ってたんだ?、違和感は覚えていたんだろ?」

「そうですね。害を与えるような感じではなかったのと、ジン様がいつかは話してくれるだろうと思っていたからです。結局は私から聞く形になりましたが。」

ちょっと、信頼されているのも重いな。そこそこでいいのに。

(パール、姿を消していいぞ。)

白い球体が消える。

「バレたら面倒くさい事になると思ったんだ。」

「それはそうでしょうね。」

「お願い、父上たちには黙ってて。」

特にアレナにバレたらねちねち責められるのは分かってるからな。そんな未来はなんとしてでも回避しなければ。

「……分かりました。ですが一つお伺いしたいことがあります。あの武器屋で金属を斬った時に、初め超集中状態に自力で入っておられましたよね。ということは、稽古で手を抜いていたということですか?」

「そうだな。」

明らかなところは積極的に認めて傷を浅くする。

これが前世で学んだことだ。

「どうしてです。」

「ミリアと同じさ、下手に力を示したら騎士団にぶち込まれるだろ。そんなのはごめんだから怒られない程度でやってるんだ。」

まぁ、ジェドとの戦いで剣術をさぼってたことが仇になったから、誰もいない山奥とかで練習をし始めたが。

「フフッ、賢いですね、ジン様は。私は幼いころ、そんなこと思ってもいませんでした。」

「結構やるでしょ。これも秘密で頼むよ。」

「隠し事が多いですね。まぁ、いいでしょう。それよりあれには驚かされました。まさか本当にできるとは思ってませんでしたから。」

「あんな世界があったなんて驚いたよ。ミリアも入れるの?」

「入れますよ。もっともできるようになったのは最盛期を過ぎてからでしたけどね。」

「仕事にうんざりし始めたとき?」

「よくわかりましたね、その通りです。どうしてわかったんですか?」

「だってあれは何かに熱中している状態じゃ無理だから。どちらかというと達観した状態じゃないと駄目だろ。」

「確かにその通りですが、その年でそこまで至れるのはすごいですね。」

「ミリアは初めて到達したとき、気分がハイになった?」

「そうですね、周りには同僚がいたので抑えるので大変でした。ですからジン様が笑ってたのはすごく理解できます。」

あれは黒歴史確定だな。

まじで最悪だ、しかも知ってるのがマリー。

ろくなことにならなさそうだ。

「それはすぐ忘れてくれ。あんなのは俺じゃない。」

「嫌です、何回も脳内再生をしていますよ。」

このクソババア。

「ジン様?」

低い声で語りかけてくる。

「な、何でもない。でもさ、すんなり近衛騎士団長なんてやめれないだろ。どんな手を使ったんだ?」

「私が狡い手を使ったみたいな言い方はやめてください。普通に辞表を提出してたんですよ。ちゃんと次代を育ててから。そして再就職先にマキシマム家のメイドになったんです。マキシマム家の当主は愛妻家で知られていましたから。」

「元近衛騎士団長って肩書があったら、だいだいのところは再就職できるよなぁ。」

「確かにそうですね。各方面から誘いがありましたから。」

「なるほどねぇ。」

「ジン様は将来なりたい職業とかあるんですか?」

「無職で、北の島で遊び暮らすことかなぁ。」

「はぁ~、ちゃんと働かないと駄目ですよ。真面目に将来設計をしましょう。」

「うーん、帝立学園の図書室の司書とか?」

「…それは素晴らしい職業ですね。その手がありましたか。」

「ミリアだったら余裕で就けただろうにね。」

「そうですね。」

とても残念そうな顔をしている。

そんな会話をしていると、宿に着いた。

「くれぐれも内緒で頼む。」

「わかってますよ。」

約束をして宿に入っていく。

それにしてもミリアとは気が合いそうだ。

もっと若い時に会ってたらなぁ。

そんなことを考えながら、今日を終わらすのだった。





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