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スノーボード

「さすがにこの辺は人がいないな。」

「それはそうでしょう。遊ぶためだけにわざわざこんなところまで来ませんよ。下手したら遭難して死にますし。」

「そうだな。魔法が使えるからちょっと感覚がマヒしてたわ。」

「それでこんなところまで来て何をするつもりなんです?」

「そうだな、単純に言えば板に乗って雪の上を滑走する遊びだな。」

「面白いんですか?、それは。」

「当たり前だろ。そうじゃなきゃこんな辺鄙なとこまで来ねぇよ。」

「確かにそうですね。あの面倒くさがりののマスターがここまで来たんですからね。楽しくないと来ないですよね。」

「…いろいろ言いたいことはあるがとりあえず準備をするか。」

山の山頂付近まで行き、銀の氷魔法で板を作り、足を固定する。

溶けたら冷たいから足の甲には氷がかからないようにしてと。

「よしっ、完成だ。さっそく滑るぞ。」

「それで完成なんですね。」

身体強化をかけず、滑る。

「おお、速い速い。なかなかスピード出てるんじゃないか?」

一気に高度9000メートルぐらいから、下りていく。やばい、ブレーキが効かない。スピードを出しすぎたか?


すると目の前に大きな岩が現れた。

「転移」

咄嗟に上空へ転移してしまった。

「マスター、転移はないですよ。」

「そうだな。やっぱりこういうのはちゃんと整備されたところじゃないと危ないな。これをするリゾート地とかないよな?」

「ありませんね。そもそもそういう遊びがありませんから。」

「はぁ~、いい考えだと思ったんだけどなぁ。もうするのはやめよっかなぁ。風魔法とかのスピードよりは遅かったし。」

リュウとの争いに比べてらくだらないにも程がある。

「それではもう帰りますか?」

「さすがにそれはな、ここまで来てすぐ帰るってのは嫌だな。」

よくよく考えれば、風魔法で同じようなことはできる。やってみるか。

氷魔法を解除し、もう一度山頂付近に戻る。

「今度は何をするつもりですか?」

「まぁ、黙って見てなって。」

風魔法を纏い、地面から5センチメートルほど浮かぶ。

そして麓に向かってぎりぎり浮いたまま向かう。


「ゴウゴウゴウゴウ」


まさに肩で風を切って進む。

うーん、まあ面白いけど、これなら大空を飛んだ方が面白い。

麓まで下り、感想を述べる。

「どうでしたか、マスター。」

「微妙だな。なんか違うんだよなぁ。やっぱり完全にコントロールをしているのは面白くないよな。かといって、身体強化なしのスノーボードは危ないし。目以外を強化できたらいいんだが、そういう練習はしてなかったからな。」

「ではどうします。帰って練習しますか?」

「そうだな、それが最善か。出直そう。」

俺は悔しさを胸に抱いて帰宅する。


その日の夜ご飯の時、父から話を振られる。

「ジン、来週はついに帝都でパーティがあるからね。明後日には出発するよ。」

「そうなんですか、楽しみですね。」

全く楽しみじゃねぇよ。知らない奴と交流とかほんとに嫌だ。

「ジン、ちゃんと皆とお話しするのよ。」

もうわかったから、そんなに言わないでくれ。マルスの気持ちが少しわかった気がする。そりゃ、仏頂面にもなるわ。

「わかってますよ。母上。それでサラ姉さんやマルス兄さんと合流するんですか?」

「そうだね、一回ぐらいは会おうと思ってるよ。手紙は来ても会えてはいなかったからね。マルスの時はサラと会うタイミングはなかったから。」

「なるほど、帝都を散策する時間はありますか?」

「前と同じでパーティの前日に散策できるし、パーティの次の日もできるよ。」

「そうですか、楽しみです。」

「そうね、サラたちに会うのも久しぶりだしね。あと、セラ様にも会えるわよ、ジン。アタックしたらどう? いつかは誰かと結婚しないといけないんだし。」

いや、俺、今のところ結婚する気はないんだが。それに貴族の女は絶対に嫌だ、面倒くさいのは確定じゃないか。

「ははは、身分が違いますからね、俺には高嶺の花ですよ。」

笑って誤魔化す。

「あら、そんなことないわよ。私のせいか、無理やり結婚させるのは良くないという風潮ができてね、身分差のある結婚もされるようになってきてるのよ。さすがに平民との結婚は厭われているけど。」

何てことしてくれてるんだ、アレナ。俺は結婚なんてせんぞ。

「まぁ、今はそういうのは考えられないです。」

適当に受け流す。

その後もパーティについての話をし、部屋に戻る。

(そろそろ学園も近づいてきましたね。カウントダウンでもしましょうか。)

(せんでいい!!、クソ無機物。性格悪すぎんだろ。)

(マスターに似たのかもしれないですね、ずっとそばにいますから。)

(人のせいにすんなよ。それにしてもパーティ、憂鬱だな。)

(適当に話を合わせて愛想笑いしていれば、気づいたら終わってますよ。)

(それはそうだけどさ、それがしんどいんじゃないか。)

(それが仕事ですからね。頑張ってください。)

(まあ、いざとなれば、うまい料理をずっと食ってるのもありかもな。)

(アレナにぐちぐち言われますよ。)

それを聞いてげんなりする。

あれ以上に言われたら発作的に家出してしまいそうだ。

(…仕方ない。善処してみるよ。)

(ちゃんと録画しておきますから安心してください。)

(まじでやめてくれ、俺の黒歴史になりそうだ。)

(なら、頑張ってください。)

一瞬、頭の中に逃亡という文字が見えたが、さすがに今の生活を捨てる覚悟はないので大人しくあきらめる。

まぁ、下級貴族の子と絡めばいいだろ。上とは絡みたくねぇな。

そんなことを思いながら、服を着替えて眠るのだった。

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