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5歳

とうとう5歳になってしまった。先日俺は誕生日を迎え、盛大に祝ってもらったが憂鬱だった。

「今日からジンも稽古ね。一緒に頑張るの楽しみだわ。」               

「初めはしんどいと思うけどなれたら意外と大丈夫だよ。」                

慣れたら意外と大丈夫だとざけんな、慣れたら負けだ。こちとらまだ5歳児だぞ。


「よーし、集合。今日はジンもいるから説明からしていくぞ。まず、それぞれランニングをやめと言うまでやるんだ。よし、はじめ」    

おい、ゴールが見えないのって心が折れるんだぞ。                   

「ふっ、ふっ、ふっ、」

「はっ、はっ、はっ」

二人とも毎日しているだけあってベテランだな。まあ、俺もやるか…            

「ふっ、ふっ、ふっ」             

やべえ、俺の身体5歳児だった。すっかり忘れてた。貧弱すぎて辛い。前世の身体ならここまでじゃなかったのに。                    

「ひぃ、ひぃ、ひぃ、ひぃ」

もうやばい、まだ走るのか。               

「よし、そこまで集合。次はやめと言うまで素振りを行うんだ」

集合だと?、てめぇがこいや。

「ひぃ、ひぃ、ひぃ」                

「よし、でははじめ」            

「「ぶん、ぶん、ぶん、」」

おお、さすがに二人はベテランなだけあってきれいな素振りである。よし、俺もやるか。         

「筋はなかなかいいぞジン。だが脇を締めて振るんだ。そう、それでいい。さあ、そのまま続けて」               

腕が、ひぃひぃ、死ぬ。まだ終わらないのか。                      

「そこまで、では最後に模擬戦を行う。僕とジンで、サラとマルスで戦う。まず僕達から「父上、先にサラ姉さんとマルス兄さんの模擬戦が見たいです。」」          

「そうか、分かった。ではまず、サラとマルスの試合から始める。両者構えて、始め」  

危ない、危ない俺達からだったら俺は即死だったぜ。                  

「カン、カン、カン」

軽やかな剣戟の音がする。サラは圧倒的スピードでマルスを追い立てるがマルスは全部いなすか、かわしている。                     

「すごいね。マルス兄さん全部さばいているよ。」                    

「いや、サラは本気を出してないし、マルスはなんとかさばいているだけだよ。」      

それを聞いた俺は愕然とする。マジですか。あの上が更にあると戦いたくねえな。      

「ほらもう決着だ。」

父のその言葉通り、サラがマルスの木剣をギリギリでかわし、首元に木剣を当てていた。                 

「そこまで。勝者サラ」            

「いやった。マルス、あんただいぶ強くなったわね。まあ、私より弱いけど。」        

「いや、姉さんが強すぎるんだよ。全然攻めることができなかったし。」         

そうだ、マルスお前が正しい。俺は鷹揚と頷く。                   

「二人ともいい勝負だった。だが、模擬戦の強さが実戦の強さとは限らないからさらに基礎を鍛えるように。さあ、ジンそろそろ戦おうか。いつでも打ち込んでいいよ。」     

俺はその言葉を聞いた瞬間、即座に打ち込むがすぐに弾かれてしまった。          

「躊躇いなくいくとか、すごいわね。」    

「確かに、僕は初めての時、全然動けなかったよ。」                  

外野がとやかく言っているが、俺は連続して打ち込む。俺がここまで頑張るのは、父であるアレクはこちらが打ち込まないと打ち込んできて、軽く当ててくるのをマルスで確認済みだからだ。少しでも痛いのはゴメンだ。 

「はは、なかなかいいぞ。今度はこっちから行くぞ。」

アレクがそういうのを聞いて思わず、顔が引きつってしまった。             


「ブン」


顔の近くを通り過ぎる木剣の音を聞いて、俺はただ早く終わることを望んだ。


つーか、これどうなったら終わりなんだ。終着の形がわかんねえ。そんなことを考えていたら、急に剣筋が変わり、目と鼻の先に木剣があった。                

はっ?俺はその瞬間とっさにかがみ、なんとかかわすことに成功した。           


「いや、今のは危なすぎるでしょ。」


俺の抗議をあっさり父は受け流す。          

「当たる前に止めようと思っていたんだ。まさかかわすとは思わなかった。そろそろ終わろうか。」

そうアレクが言うと俺の背筋がゾクリとし、思わず後退ってしまった。次の瞬間、俺の持っていた木剣が弾かれ、俺の首には木剣がそえられているのを目で確認した。                    

「よし、今日はここまで。また、明後日に備えるように。さあ、解散。」         

「はい、タオル。ジン、あんた、すごいわね。あんなに動けるなら、普段からキビキビしたらどう。」

「余計なお世話だよ。おれはのんびりしたいんだ。」                  

「はあ〜」

「ジンに負けないように僕も頑張らないとな。一緒に頑張ろうな」         

「まぁ、ぼちぼち」

なんて言いながら心の中では、熱いな、合わないタイプだわと思っていた。

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