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約定

ちっ、前の時より威力が上がっている。だいぶ仕上げてんな。

「ゴゴゴゴゴゴゴー」

地面が揺れている。


なんて威力だ、まさに天災だな。

俺はシールドが削られていくたびに補強する。

(大丈夫ですか、マスター。)

(ああ、問題ない。しかし長いな。一気にこのブレスで決めるつもりか?)

(それはわかりませんが、おそらく前回の傷は治ってると考えた方がいいでしょうね。)

(はぁ、どうするかな。転移で逃げるってのもありだな。)

(逃げるんですか。)

(魅力的な選択肢ではある。あのブレスでおそらく俺以外の冒険者は死んだはずだ。それに、かろうじて助かった風を装えば大丈夫だろ。)

(それもそうですけどね。忘れてませんか、ここはマスターの住んでいる所の隣の領地です。このままいけば、おそらくあの古竜はやってきますよ。)

(…ちくしょう、なんでこんな厄介ごとが舞い込んでくるんだ。)

(日頃の行いのせいじゃないですか?)

(んなわけないだろ。ちょっとお痛してるだけだろ。)

(普通の感性だったら、ちょっとではないですよ。)

(そうかい、見解の相違というやつだな。)

(はあ〜)

(知ってるか、ため息をつくと幸せが逃げていくんだ。)

(非科学的ですね。)

そんな会話をしていると、ブレスが止んだ。


あたりを見渡すと、周りのモンスターや冒険者の姿が消え、土が溶けていた。

「ひゅう〜、きれいになったな。まあ、やれるだけやってみるか。」

「武運を祈ってますよ。」

「なんだ、お前も戦わないのか? 主人が戦うんだぞ。」

「マスターなら大丈夫ですよ。だって勝てないなら今頃全力で逃げだしてるでしょ。」

いや、そうなんだけどさ。そうじゃないんだよな。

主人と戦うことに意味があるっていうか。やっぱり、ぽんこつだな。


俺は宙に浮きあがり、予備動作なしで古竜の背後に転移する。

まずは小手調べだ。

「氷矢」

俺は一発一発にかなりの魔力を込め、10本の氷矢を展開して風魔法で打ち出す。

「おいおい、まじかよ、少し傷がついただけだと。ふざけた体してんな。」

援軍が来る前に片づける必要があるが、こいつは結構手ごわいかもしれない。

[主は不思議な魔法を使うな。]

「ッッッ、お前言葉がわかるのか。」

[然り]

「どうしてこんなことをしたんだ。前に人間に傷つけられたのが許せなかったのか?」

[それもある。卑小な人間程度に傷をつけられるとはあってはならんことだ。だが一番気に入らんのは、弱い人間が世界の覇権を握っていることだ。約定を破りおって忌々しい。]

「約定とはなんだ?」

[クッ、ハハハハハ、もはや約定すら伝わっていないか。やはり人間を信じるべきではなかった。]

古竜は突然笑い出したかと思ったら、急に低い声で反省し始めた。

おいおい、昔の人、後世に火種残したらダメだろ。

おかげで俺がこんな目にあっている。

「何のことを言っているがわからないが、人間の代表として竜の復権を許すわけにはいかないな。俺のために死ね。」

そういって俺は再び攻撃を仕掛けるのだった。


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