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パーティの準備

ふぁーあ、朝か…。ストレスのたまる日々の始まりだ。

「…おはよう、兄さん。気分はどう?」

「少し疲れてるけど問題ないよ。それよりパーティが楽しみだよ。」

「俺はちょっと嫌かな。挨拶とか気を使うじゃん。」

本当になぁ、最下級だから気を付けないといけないのがだるいんだよな。

「大丈夫だよ。いつも習ってるでしょ。それをすればいいだけだよ。」

おおー、肝が座ってんな。意外と将来は大物か?

「まあ、ぼちぼち頑張るよ。まだ子供だから大丈夫でしょ。あと初めてだし。」

「それを言ったら僕も初めてだよ。でもいつかは経験しないといけないからね。早いほうがいいよ。」

たしかに、年を取れば取るほど間違いも笑って誤魔化せなくなるからな。難儀なもんだ。

そう思って服を着替えているとパールが帰ってきた気配がした。

(おい、遅かったな。何かあったのか?)

(マスターのせいですよ。一年分がどのくらいか分からなかったから多めに盗ってきたんです。貴族だけじゃ、全然足りなくて店の仕入先を特定して盗ってきたので大変でしたよ。しかも、仕入先のところからは全部盗るわけにはいかないし。)

(そうか、ご苦労。)

(軽いですね。もうちょっと褒めてもバチは当たらないと思いますよ。)

(はぁ、強欲だな。…お前がいてくれて助かってるよ。これからもよろしく頼むな。)

(…いい風に聞こえますが、やらせてることは犯罪ですからね。)

(そうだな、そしてお前は共犯者だ。)

(…そうですね。)

特大ブーメランが刺さったのだった。

(まあ気にすんな、バレなきゃセーフだ。バレてないんだろ。)

(はい。)

(なら、それでいいじゃないか。)

(マスターは道徳を学ぶべきです。)

(そんなのゴメンだ。)

せめて貴族制から民主制になってから言ってほしい。貴族制の時点で人に道徳を期待するのは間違ってる。

まあ、貴族は魔法と剣の扱いが平民より優れてるから地球の歴史よりも民主制に移行するのは遅そうだ。

それに移行するかもわからない。規格外の人間がいるからな。SS級の冒険者がまさにそれだ。奴らのうち一人でも国に牙を向いたらこのギラニア帝国でもどうなるかわからない。

SS級というのは奴らを縛る鎖でもある。

改めてこの世界の規格外を認識しながらご飯を食べに行く。


「おはよう、よく眠れたかい?」

「はい、よく眠れました。」

「俺も同じです。ところで父上、パーティはいつ頃なんですか?」

「昼ごはんの少し前だよ。パーティはお昼ごはんもかねているからね。」

なるほどな、なら他の地球の料理も見つかるかもな。忙しくなりそうだ。

あぁ、急に楽しみになってきたな。

早く行きてえ。

(パール、お前の活躍に期待してるぞ。)

(はあ、おまかせ下さい。)


そして、朝ごはんを食べ終わるとそれぞれ時間を潰す。

「コンコン」

「はい」

マルスに返事を押し付ける。

「そろそろ、パーティ用の服に着替える時間です。」

げぇー、俺、制服とか堅い服は嫌いなんだよな。

「もう、そんな嫌な顔をしないでください、ジン様。」

「あれっ、顔に出てた?」

「思いっきり出てたよ。」

マルス兄さんが苦笑している。

不味いな、パーティでやったら一発アウトだ。気を引き締めないとな。

慣れないながらも使用人たちに着せてもらう。

「おお、ジン、とてもかっこいいよ。」

「そう? マルス兄さんも似合ってるよ。」

「ありがとう。」

ふふ、かっこいいとは言わねぇよ。俺の最大限の抵抗だ。イケメンめ。

「お二人ともお似合いですよ。」

俺たちはミリアに感謝を告げ、父母の待つ馬車へと向かっていく。

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