お土産話
次の日、帝都の話を聞かせてもらう。
「おはようございます。」
「あぁ、おはよう」
「父上、帝都はどうでした?」
「大変だったよ、途中で古竜がでて、予定が狂ったからね。何とかS級冒険者達が束になって退けたらしいけど。冒険者ギルドはSS級冒険者を派遣して倒し切るようだ。」
あれは、やっぱり古竜だったのか。弱いと思ってた人間にやられてブチギレたんだろうな。
「はぁ、本当に疲れたわ。本当に貴族って嫌ね。」
「何があったの、サラ姉さん?」
「婚約を結ぼうとか、たくさん言われたのよ。」
「サラはモテモテだったわねぇ。でも新しく友達ができてたじゃない。」
「まあね。」
ああ、性格はともかく、容姿はいいからな。それはマルスもだけど。
あと友達ができたのか。…そういや俺いないわ。ま、まあ、精神年齢違うし、価値観も違うからセーフだよな。
「それで言い寄られてどうしたんですか?」
「私より強くないと嫌と言って戦ったのよ。そしたら、誰も勝てなくて笑いそうになっちゃった。女だからといって甘く見過ぎたのよ。」
それは無理だろ。この脳筋には勝てるわけねぇ。
「流石、サラ姉さんだよね。」
マルス、呑気だなぁ。そんなんで貴族社会生き抜けるのか。あっ、うちは元からハブられてたんだった。
「はい、これは二人にお土産よ。」
「ありがとうございます、母上、これずっと読みたかった英雄譚なんです。」
「マルスは英雄譚が好きだものね。」
「はい。」
「これはお菓子ですか。」
「ええ、あなたは甘いものが好きでしょ。」
「はい」
ちぇっ、できれば形の残るものが良かったんだが。
「でも、本当、帝都はでかかったわ。びっくりしちゃった。」
「そうね、人も多かったし、少し疲れたわね。」
帝都の話を聞きつつ、俺はこれからのことを考える。
そろそろ、依頼も受けに行くか。あとは、隠された古代文明の遺跡を探るのもいいかもな。
そして、その日の夜ベッドでパールと話す。
「なあ、最近、触手をだして何してんだ?」
「触手とは失礼ですね。ふつうに手でいいじゃないですか。」
「いやー、白い球体から手が出てたら触手だろ。」
「違います。全く。私はマスターと音を出さずコミュニケーションをはかることができる機械を作っているのです。これが予想以上に難しくて、マスターは神経質ですからね。」
予測ではなく、予想か。きちんと計算しなかったのか。これは進化というべきか、退化というべきか。
「それでもうできそうなのか。」
これは、リモコンか?
「はい、………出来ました。これに魔力を流してください。あとこちらを耳に装着してください。」
すると、耳につけたイヤホンらしきものが見えなくなった。つけている感触は有るのだが。
「あぁ、これでいいか?」
「はい、これでマスターと意思疎通が可能になります。試してみますよ。これに向かって思ったことを魔力に乗せるようイメージしながら、魔力を飛ばしてください。」
(どうです、聞こえてますか?)
(ああ、聞こえてるよ。しかし、すごい発明だな)
「実験は成功ということになります。」
「一体、どういう原理なんだ。」
「これは、魔力に伝えたい思いをのせ、魔力を解析し、言語化しているのですよ。」
うーん、電波みたいなものか? 電波の原理は全く知らないが。
とにかくこれがあれば、困ったときにパールに相談できるな。
「では、そろそろ寝るか。おやすみ。」
「ええ、おやすみなさい。」




