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オーガ

「なぁ、一応録画頼むぞ。」

「常にしてますから大丈夫ですよ。」

いや、大丈夫じゃねぇよ、俺の肖像権。

声のした方へ渋々向かうとそこでは、本で見たことのあるオーガと例の冒険者パーティが戦っていた。

さらによく見ると、そばには大量の血を流した女性が倒れていた。

「くっそ、おい、ロイ、退却するぞ。」

「ちっ、わあっーたよ。」

そう言うと、ロイと呼ばれた冒険者が風魔法を使い、砂を巻き上げる。

ええ、あんなんでいけんの?と思っていると、案の定オーガは思いっきり突っ込んでいった。


「ウッ!」

そういって、ロイは吹き飛ばされた。


「「ロイ」」

立っているもう一人の男性と、女性が呼びかけている。


うわぁ、血流れてる。エグいな、この世界。

とりあえず俺は、遠距離攻撃を仕掛けることにした。

「ファイ…、いや駄目だな。森が燃えたらそれこそ終わりだ。なら、氷矢、からの風魔法。」

俺が放った氷矢は風魔法で一気に加速し、オーガを貫いた。

しかし、体を貫かれてもオーガは動いており、俺の方を睨みつけ、襲いかかってきた。

俺は油断していなかったため、落ち着いて右手に風を纏わせ、オーガの動きに合わせて斜めに振り下ろす。

「グギャーーーー」

オーガの悲鳴が聞こえるが、俺は気にしないで右手を連続して振るう。

しばらくすると、オーガの声が聞こえなくなり、俺は頭に氷矢をぶち込んだ。

うわぁ、グロいな。オーガから緑の血が流れているが、人間と血の色が違うのか。

しっかし、風魔法を纏ったのは良かったが、身体強化魔法を咄嗟に使えなかったのは不味いな。


そうやって反省していると、金髪の男性が話しかけてくる。


「ありがとう、君のお陰で助かったよ。後で礼はさせてくれ。」


そう言って、倒れた男性の元へいく。


「うあぁーあああー」


どこからか泣き声がして、首を向けると緑色の髪をした女性が倒れた金髪の女性にすがりついていた。

セリーヌゥーー、」

「あの女性はもう亡くなってますね。おそらく出血多量でしょう。」

「………、そうか。」

初めて死を目の当たりにし、俺は何も言えなかった。

ただ頭の片隅で、初めての依頼でこれはハードじゃないかと考えている自分を感じ、自嘲した。


「…ここは、俺は生きてんのか」

「間に合って良かった。ポーションが効いたようだな。」

声のする方に目を向けると、ロイが目を覚ましていた。

「ッッ、オーガは?」

「それならあの人が倒してくれたよ。」

「そうか、…セリーヌは?」

そう聞かれると唇を噛み締め、首を横に振るのだった。

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