英雄譚
全部読み終わった。
要約すると、大昔、この大陸で知性が発達したモンスターがいたらしい。形状はわからないが。
そのモンスターは大陸各地で暴れ周り、大被害をもたらしたそうだ。
そこで当時のSS級を集めた一つの冒険者パーティを冒険者ギルドは立ちあげ、そのモンスターを魔王と呼称し、討伐に向かわせた。
しかし敵は強く、地形を変えながら戦ったそうだ。そして、冒険者パーティの中で最も強かった冒険者の消耗を抑えるために他の冒険者達が突っ込み、魔王に損傷を与えては散っていった。
残った最後の冒険者は魔王と死闘を繰り広げるが、及ばずにぼろぼろとなった。
その冒険者は追い詰められてやられそうになったとき、金の魔力を発現した。
それでもようやく互角で、金の魔力を長く扱えないことを悟った冒険者は自分の命を使い、魔王を封印したそうだ。
その後、人々はその冒険者を称え、勇者と呼んだらしい。
なんというか…、ツッコミどころ満載だな。
他の冒険者も称えてやれよ。わかりやすい成果をあげたものを称えすぎだろ。
あとこれが実話ならやばくないか。魔王、倒されてないじゃん。これ、すげえ嫌な予感がする。他の大陸に脱出することも視野に入れとくか。
「なあ、パール、金の魔力とはなんぞや?」
「さあ、見たことないので解答出来ません。」
はあ、見たことないからわかんないって子供の答えかよ。
「脳みそないだろうが、ない知恵絞って考えてくれよ。」
「はあ、そもそもこれは実話なんですか? 英雄譚だから、想像物なのでは?」
「でも、これは作者不明なんだ。なんか、こう感じないか。」
「私にそんな感性を求められても困ります。」
ポンコツすぎるだろ、この機械。博士、もうちょい頑張ってほしかったなあ。
「まあ、今となっては真偽はわからないが。」
「そういえば、明日から当分雨ですよ」
「なんで分かるんだ?」
「観測装置がついていますから。褒めてもいいんですよ?」
博士、ちょっと違うよ。
「雨なら、剣の稽古もないし、ダラダラできるな。」
「もう少し、向上心を持ったらどうですか。」
余計なお世話だ。
「コンコン」
「はい」
「ジン様、お食事ができました。」
「分かったよ。今いくよ。」
そして夕食を食べ終わり、ぐっすり眠るのだった。




