転生
俺は今、体育の授業でサッカーをしている。マジでだりぃ。こんなもの頑張ったところでなんの役にも立たない。これなら漫画でも読んで語彙力を増やしたほうがマシだ。
そんなことを思ってると
「おーい、零、決めてくれ」
という声とともにボールが飛んできた。
うげっ、まじでやめろ。他にパスするところあんだろ。
俺は世間体を気にして仕方なくシュートを放ち点を決めた。
「ナイスシュート」
そう言いながら拓人が走り寄ってくる。ニコニコ笑顔を浮かべているが、それが非常に腹立たしい。
「いや、お前なんで俺にパスすんの。やめてくんない。」
「はあ、お前はどうしてそんなやる気がないんだ。その気になればいい線まで行くだろうに。」
「いいか、俺は楽に生きたいんだ。努力なんてする気はない」
それを聞いた拓人は相変わらずだと苦笑するだけだった。
放課後、授業が終わると俺は帰宅部として急いで自宅に向かった。
そして、信号が赤でスマホをいじりながら信号待ちをしていると、2才くらいの子供が交差点を向かいから歩いてきているのが目に入った。
おいおい、保護者はどこだ?、このままじゃ轢かれるぞ。
すると、思った通りトラックが走ってきて、とっさにブレーキをかけているようだったが、間に合いそうになかった。可哀相にと思っていると隣から少女が飛び出し、子供を突き飛ばしたが少女は今にもひかれそうだった。それを見た俺は咄嗟に飛び込み、少女を突き飛ばした。
ああ、やっちまった。助ける気なんてなかったのに。…死んだかこれは。
「!”#$%&」
しばらくすると聞きなれない声が聞こえてくる。そして、目が覚めると俺は裸で女の人に抱っこされていた。何が起こっているのが分からず、呆然としていると背中を叩かれ思わず泣き出してしまった。
おいおいおい、まさか生まれ変わったとかじゃねえよな?、流石にあり得ねぇだろ。それにあったとしても人格は消えてるはずだ。というか消えていないと困る。
俺はかなりビックリしつつ、眠気に逆らえずに目を閉じるのだった。
目が覚めると、「知らない天井だ」と呟いたつもりだが、「あうー、あ」としか言えなかった。それでもとりあえず自分の身体を確認する。
するとメイドの服を着た女性が何かを言いながら布のオムツをかえてくる。
俺は赤ん坊ですなあ、と若干現実逃避しながらこれからのことを考え始める。
…マジでなんて言ってるかわからないな。やっぱり俺は生まれ変わったんだな。はぁー、言語を学ばないといけないのか、だるいな。しかし、メイドがいるということはそれなりの家なのか?
そんなことを考えていると扉が開き、金髪のイケメンと黒髪の美女が入ってきて何かわからないことを言いながら俺を交互に抱っこし、笑みを見せる。
この二人はおそらく俺の生みの親だろう。ということは、俺はイケメン確定だな。いやー、この年で人生勝ち組か、ありがてえ。
しばらくすると父親は手のひらを扉に向けると勝手に扉が開いて二人が出ていき、メイド一人だけが残った。
ポルターガイストォォ!!! …いや、何か仕掛けがあるはずだ。…もしかして魔法か? それなら納得できる…できるかな?
そういや漫画ではお腹の少し下に魔力があったような気がするので意識を向けてみる。すると丹田に、何やら圧倒的な圧を感じるものがあった。
これはこれは、触れるな危険ってやつでは?、本能が駄目だって言ってる気がする。
それでも自分の体にある以上、大丈夫だろと思い、干渉してみる。
やがて魔力のようなものがチョロチョロと水が流れるように身体中に行き渡り始めた。するとだんだん体が全能感に満ち始め、やばいと思い打ち切った。
とりあえず、言語を覚えるのと、暇なときに魔力らしきものに干渉するか。しかし、体のせいか、眠いな。
俺はそんなことを考えながら眠るのであった。




