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T・F・U物語  作者: 狼眼


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55/57

社長がうちにやってきた!

コンコンッコン!


微妙なリズムを付けて俺の部屋の扉がノックされる。

普段からカギをかけていないので、よく遊びに来る山岸や工藤さんはノックも無しに開けてくる。

だとしたら、誰だろうか?


「はぁい。」


俺は座っていたベッドから立ち上がり、入り口へ向かう。ほんの6歩の大移動だ。


「はい?」

「よ!ジャコ!遊びに来たぞ!」

「社長!こんな日の高いうちから活動してるなんて珍しいですね。」

「ま、学校は最近行ってないからな。」


・・・この人、何回生なんだろう?同じ大学らしいけど・・・。


「そうなんすね~。ま、散らかってますがどうぞ。」

「・・・ホントに散らかってるな・・・。」

「自慢じゃないっすけど、ほんの数日前までぶっ倒れてたんで。」

「おぅ、それ聞いたぞ?大丈夫・・・じゃなかったんだよな?」

「えぇ、唇の皮が一気に全部剥けて楽しかったですがね・・。病院行くまでが地獄でした。」

「そんなんで、よく病院行けたな・・。」

「・・・殆ど記憶はないです。よく保険証持って行ったと思いますよ。」

「・・・マイナンバーカードな?」

「いえ、まだ俺、マイナ保険証にしてなくて、今度持って行く約束したんですがね・・・。治ったんで行ってないっすわ。」


まったく、学生にあれこれ動けって言っても、行動範囲が限られえているから難しいんだよな・・・。携帯で出来ればいいのに・・。


「それはそうと、牛丼、買って来たぞ?食うだろ?」

「え、良いんすか?頂きます!」


社長が勝ってきてくた牛丼は、汁が多めだったのだろうが、全てコメに吸収されていて・・・。牛丼は店で食うに限るなって思えた。


その後、貧乏学生が好んでプレイする中古のレトロゲームで対戦を、数時間ぶっ通しでプレイした。

夕方になると山岸ものそっと現れ、3人で対戦を回す。


夜になると、俺はバイト先のゲームセンターへ行く事になったので、社長と山岸も一緒に出勤。店にはいつものメンバーが揃っていたのだが・・・。


「あれ?工藤さんが対戦してますね。相手はだれだろう?」

「あぁ、お前がぶっ倒れてた間に住み着くようになった海老名だよ。」

「海老名?」

「・・・本名は知らんけど、海老名のナンバープレートが付いた車に乗ってる・・・。」

「海老名って・・・地名で呼んでやるなよ・・・。しかし、車を持ってるとは・・・、奴は富豪か?」

「中古のセダンだがな・・・。俺たちからすればリッチマンだ。」


大学生で車を乗り回すなんて・・・。しかもゲーセンで遊ぶ金まで・・・。正直羨ましい!


「お、対戦おわた。工藤さんの勝ちみたいだな。」


大戦が終わっても、CPUと戦っているため、勝者だとわかる。


「いやぁ~。工藤さん、やっぱ強いっすね~。」


海老名は眼鏡をかけたコミュ力が高そうなやつだった。


「あれ?店員さん?初めて見た。」

「あぁ、どうも。そこの大学通ってます麝香です。ジャコって呼ばれています。」

「ああ、どうも。俺の事は海老名って呼んでください。」


おおい!本名は隠すのか?わざと海老名なのか?

ちぃ!社長にしろ、海老名にしろ、本名を尋ねるタイミングを逃してしまったじゃないか・・・。


ま、問題ないがね。

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