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T・F・U物語  作者: 狼眼


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ジャコちゃん大ふっか~つ!!

喉の痛みが引き、食べ物が喉を通る様になってきた。

・・・長かった・・。点滴を受けてからも熱は引かず、貰った薬は粉薬・・・。最悪に相性が悪かったんだ。喉が痛いのに、粉が喉を刺激してくる。そして咳き込む・・・薬がはじけ飛ぶ・・。


結局、数回の点滴の後、喉の調子が良くなり、薬が飲めるようになってから、急激に復活の道を歩んだのだった。


今回の病気で、唯一楽しかった事。それは、唇に出来た口唇炎の残骸が、一気にはがれた事だろう。

唇全体が一皮むけた。全ての傷が結合していたため、気持ちいいほどべろべろと捲れていった。

ちょっと痛いけど、それでも爽快感が勝っていた。


「・・・はぁ、やっとまともに飯が食える・・・。」


空腹を感じる様になってきた事も有り、カップ麺を作った。


「熱い!痛い!・・・でも、美味い。」


俺一押しのラーメンは、常に押し入れに入れてある。

腹が減った時は5分くらいで喰い始められるのが、即席めんの有難い所だね。


俺の一押しラーメンは、ごっつ〇りの豚骨醤油!

美味いと言われているラーメン店よりも圧倒的に美味い。と思っている。



「で?もう大丈夫なんか?」

「んああ。やっとだな。」


カップ麺を頬張る俺に、山岸が問いかけてくる。

山岸は意外と人情深いのか、俺の病気がうつらないと分かってから、定期的にお見舞いに来てくれている。

一番有難かったのが、飯が食えない時に、味の薄いおかゆを買ってきてくれた事だろう。

今度、何かを奢ってやろう。


「お前、そろそろバイトに行けるのか?」

「なんで?」

「社長が心配してたぞ?」

「社長が?しばらく休むって、電話で伝えたけど?」

「そっちの社長じゃなくて、若い方の社長。」

「若い方って・・・そのニックネームやめない?分かりにくいわ。」

「んな事言っても。本名しらんし・・・。今更聞くか?」

「聞きにくいよな。」


俺たちのゲーセン仲間は、それぞれの名前を知らない。

一緒に遊んでも、食事に行っても、ニックネームで呼び合う・・・。でも本名は知らない・・・。そんな感じで何となく仲がいいのだ。


「で、今度、社長が遊びに来るってよ。」

「マジか・・・。珍しいな。」

「まぁ、格ゲーをしに来るんじゃない?」


社長は格ゲーが上手で、俺が勝つような事はない。

まぁ、みんなこの部屋に集まるんだろうな・・・・。部屋、片付けなきゃ・・・。


ラーメンを食い終わった俺は、汁に白飯を入れるべく、炊飯器を開けたが、黄色く硬くなった白米を見てそのまま蓋を閉じる。


「おい、ジャコ・・・。冷蔵庫の中身もやばそうだぞ?」


山岸は冷蔵庫を覗き込みながら、賞味期限切れの食材をテーブルの上に出している。

ハム・・・。ヨーグルト・・・。納豆・・・。納豆って賞味期限有るのか?

で、俺が大切に保管している生卵・・・。


「卵は触るなよ?」

「・・・なんだこの卵。」

「それは秘密だ。」


俺は俺で、緑色に変色した食パンと、柔らかくなったせんべいをゴミ袋に詰めるのであった。

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