そのケガは、俺のせいじゃない!
びくびくしながらドアを開けると、そこには山岸が立っていた。松葉づえをついて・・・。
「山岸・・・お前、どうした?事故った?」
「ジャコ、お前な!こんな入り口の所に缶詰の空き缶なんか置いておくなよな!」
「?いや、ずっと前から、ここが缶詰君の寝床だが?」
「この足を見ろよ!」
山岸の右足が、包帯でぐるぐる巻きになっている。
「あららぁ。いたそ。どうした?」
「だから、お前が部屋にいないときに、部屋に入ったら、ふらついて、缶詰の空き缶を踏んじまったじゃねぇか!!」
・・・ん?要するに、どういうことだ?
「えっと、まてよ?まず、お前が俺の部屋に無断侵入して・・・。」
「遊びに入っただけだ!」
「ん、いや、ま、無断侵入してだな。で、ふらつて、空き缶を踏んだ・・・と?」
「そうだ!お前がこんな所に空き缶なんて置いておかなければ!」
・・・あれ?それって、俺が悪いのか?
「お前、何回も俺の部屋に来てるよな?」
「それがどうした?」
「・・・ずっとそこに、空き缶君は居たぞ?片付けてねぇし。」
「・・・知ってる。」
「・・・。」
馬鹿かこいつ。
「で、何しに来た?」
「・・・遊びに来た。」
・・・。ケガしてるなら大人しくしてろよ・・・。
「遊ぶって?」
「フッフッフッ・・・これを見ろ!」
「!!これは!!」
山岸がリュックから取り出したのは、A4サイズの箱だった。
ただの箱ではない。
可愛らしい女の子の絵が描かれており、リュックに入れないと持ち運べないような卑猥な絵面になっているのだ!
更に!その箱には不気味に輝く「18」と書いてある銀色のシールが貼ってある。
「山岸・・・お前、まさか・・・。」
「・・・そのまさかよ!あまりにも暇だったんで、エロゲー買ってきた!!」
「・・・。」
「言葉も出ないか!」
「出るかよ!!!わざわざそんなもん、持ってくんな!!!」
そういうエロゲーってもんは、一人でこそこそ楽しむもんだろ。それを男友達の家に持ってきて何をするってんだ。
「・・・いや!違うぞ?俺はもう堪能したし、無断で部屋に入ったお詫びに持ってきてやったんだよ!」
「ほぉ。どれどれ、見せてもらおうか・・・。」
そうとなれば話は早い。
俺は、山岸からソフトをかっさらうと、箱の裏面を見てみる。
うん、卑猥だ。
「山岸、お前、こういうのが好きなのか?」
「ち、違う!買ったのが偶然!こういう奴だっただけだ!」
「飼ったんだよな?」
「・・・・。」
「なんで兄弟で?妹とラブラブ?おにいちゃんの事なんて、何とも思っていないんだからね?どういう事?」
「・・・お兄ちゃんなんて、何とも思ってないんだろ?」
「じゃぁ、なんで裸なんだ?」
「・・・風呂にでも入るのかな?」
そう言うと山岸は、俺からソフトを奪うと、部屋の中に侵入してきた。
そしておもむろにPCの電源を入れ、DVDを挿入・・・っておい!
「何勝手にインストールしてんの!!」
「まぁ、良いから、やってみ。」
インストールを終えると、山岸はソフトを持って帰っていった。
・・・意外と面白かった。




