復活祭
ふっ・・・。ふふっ・・・。
「ジャコちゃん大ふっかーつ!」
いや~。マジで死にそうなほど腰が痛かった。
痛い所に段ボールを持ったもんだから・・・。とどめだったね。
「で?腰が治ったからゲーセンでバイトしてると?」
山岸が事務所のドアを少し開けて、首だけ突っ込んできた。
「当たり前だろ?家計が苦しいんだ。少しでも稼いでおかないとな。」
「・・・にしては、事務所の中から、いい匂いがするんだが?ん?コンビニでカツアゲ君なんか買って。リッチじゃないか。」
「こ、れは、あれだ!俺の復活祭だ!」
「復活祭ってな、死んだキリストさんが3日後に生きかえったお祝いなんだぞ?」
「俺も死んでた。」
「まぁ、3日間死んでたけどな。」
という訳で、バイト先で細々と復活祭を行っている。
ちなみにバイト先のオーナーに事情を説明したら、未開封のシップをくれた。ありがてぇ。
貧乏学生は、病院に行くこともままならんのだ。
「お前、ボ研は行ってないの?」
「あぁ、この季節から春先にかけては、のんべぇ集団に変わるらしいからな。バーベルの金属が冷たくて、持ちたくないそうだ。」
「・・・そりゃ、予選で落ちるわ。」
「だろ?うちの代表は、顔と体格は良いんだが、根性が無いな。俺ならそうはならん!」
「でもお前、ボ研に行ってないんだろ?」
「は?休みだぞ?行く訳ないだろ!」
「・・・。」
何故か山岸にあきれられてしまった様だ。・・・何故だ?
山岸と話をしていると、店の奥から歓声が聞こえてきた。
どうやら、レトロ格ゲーで対戦が行われている様で、工藤さんと餓狼マンの対戦が始まっていた。
「餓狼マンって強いのか?」
「見てて分からんのか?つよわい。」
「どっちでもないって事か。」
「基本的に待ちだからな。カウンターが上手く決まれば強いけど、すぐに攻略されてしまう。だからつよわい。」
「あ~。俺は待ちは苦手だわ。俺は勝てないな。」
「お前はよわい。」
「言うたな?休憩時間、勝負じゃ!」
一応、ここのバイトは、休憩時間にゲームをすることは禁止されていない。そのため、いつでも自由にゲームができるっちゃ出来る。
その代わり、呼ばれたらゲーム中でも対応はしなければいけない。・・・仕方ないよな。
山岸との対戦・・・休憩時間まではしっかりと働かなくては・・。
とりあえず、雑巾を絞って、ゲーム筐体のコンパネとモニター付近を綺麗にする。
拭いた跡が残らないように、乾拭きも行う。
軽く掃き掃除を行い、モップを掛けたら・・休憩時間~!!
・・・やるんじゃなかった。
なんであの大キックから前パンチ、大キック、コマンド投げが入るんだ?
しかも、起き上がりに攻撃を重ねられて、2択・・・まんまとはめられてゲームオーバー・・。
ほんの10分で300円が消えていった・・・。
これなら、カツアゲ君を追加でもう一つ買った方が良かった・・・。
「お前って、容赦ね~のな。」
「・・・いや、お前が単調過ぎんだよ。フェイク使ったり、ディレイ使ったりして揺さぶらないと。説明書に乗っている様な基本技だけで勝てると思うな?」
「・・・勝てないのか?」
「・・・・ザッコ!」
シューティングゲームなら、説明書通りで行けるのに。格闘ゲームって・・・・。




