大学祭はてんてこ舞い
大学祭に参加するのは初めてだが、出来れば楽しむ方として参加したかった。
俺たちは朝から調理を開始している。
「で、工藤さん達は何処に行ってんの?」
「学生課に届け出をしに行ってるらしい。」
「山田代表は?」
「マネージャーを連れて、市場調査に・・・遊びに行ってしまった。」
「ま、そんな所だろ。」
俺と清松と渡がリアカーで食材を運んでいる。
大きな寸胴に3つのおでんとプラスチック製のケースに入れたフランクフルトの束・・。
かなりの重さになっている。
「これでどれくらいの売り上げが出るんだろうな・・・。」
「代表の話だと、15万くらい目指すらしいぜ?」
「・・・いや、フランクフルトが150円、おでんが1杯300円・・・無理だろ。」
「わの予想だと8万くらいだな。」
「そんなもんだろ。」
大学の裏口を通って野音を目指す。野音と言っても、小さなステージが用意されている野球場で、臨時の会場とされている。
「来ました~。」
「おう、おつかれ、こっちに置いてくれ。」
工藤さんが学生課から貰って来た名がテーブルの上に、寸胴とガスコンロを設置していく。
「あれ?提供用の皿とか器は何処にあるんですか?」
「え?器・・・。双又が勝ってきてると思うけど?・・・電話してみるわ。」
工藤さんが電話をしている間に、値段表とメニュー表を設置していく。
「双又のやつ、今起きたから、すぐに向かうってさ。」
「了解っす。」
ガスコンロを2つ設置して、大きめの鉄板を上に置く。
(携帯用ガスコンロではないので、2つ並べて使っても問題ありません。ガスのコードには注意しましょう)
鉄板が温まったら油を・・・油もないのか・・・。
と思っていたら、双又先輩が器類と油、調味料を持ってきた。
「おはようございます。」
「おぅ。わり、ちょっと遅れた。」
「大丈夫っすよ。ちょうどいいタイミングでした。」
俺はすぐに鉄板へ油をひき、温め終わっているフランクフルトを焼き始める。
同時に、おでんの寸胴を火にかけて温め始める。
油の臭いと肉が焼ける匂いが少しずつ辺りに広がっていく。
『それでは、ただいまより、T大、大学祭を、開催いたします。』
大学内全域に聞こえる放送で、大学祭の開催が宣言された。
オープニングイベントは、大学祭実行委員が呼んだお笑い芸人のライブだ。
食材の準備が必要なければ、俺も見に行きたかったのだが・・・。残念ながらそうは上手く行かない。
夕方にはミスコンテストが開催されている。
ボ研のマネージャーである桜井さんも参加しているのだが、俺たちはテントの中だ。
結局、3日目の夜まで俺たちはぶっ通しで店番をしていた。
「俺たちも3年になったら、学際を楽しめると良いな。」
「そだな。」
屋台の呼び込みや販売で、みんなボロボロになっていた。
「あ、山田代表!お疲れ様です!」
「おつかれ~。もうそろそろフィナーレだから、かたずけ始めようぜ。残った食材はみんなで食べよう。あと、これは俺からの差し入れ。みんなで飲んでくれ。」
「「「あざーす!!」」」
大量のビールと酎ハイがテーブルに並べられた。
しかし、フィナーレとは?何かが行われるのだろうか?
『皆さま、3日間の、大学祭も、フィナーレを迎えました。ただいまより、野音隣の、サッカー場で、打ち上げ花火が行われます。みなさま、存分にお楽しみください。』
放送が終わると同時に、最初の花火が打ち上げられた。
ピュー・・・・・・。どおおぉぉぉぉぉ・・・・・。
花火は真上で開花した。
「上か!近すぎるわ!!!」
花火が打ちあがるたびに、テントに何かがパラパラと降り注いできている。
間近で見る花火は絶景ではあったが、少しの恐怖もあった。
「学際って、規模がでかいな~。」
高松が缶ビールを片手に花火を見上げている。
花火の爆音は、30分ほど続き、大学祭が締めくくられた。




