今日はバイト・・・からの・・・。
工藤さんのPCが仕上がってから5日間、夜更かしをせずに学校に通った。
自転車がある事で、学内の移動がしこたま楽になった。
今日も一応ボ研の集まりがあり、3時間ほどウエイトトレーニングを行った。
高校を卒業してからの数日間のブランクが、なかなか埋まることは無かったが、やっと高卒時の力に追いつくことが出来た。
で、今日も軽い筋肉痛ではあるのだが、バイトが入っている。
「で、今日もみんないるし!」
ゲーセンの常連、通称社長は、舛添さんと対戦中。今日もアイアンフィストで燃えている。
山岸は工藤さんと路上格闘家のゲームに熱中している。前回、工藤さんの家で対戦して以来、二人しては待っている様だ。
「おう、ジャコ。今日はバイトか。今日終わったら内に来いよ。」
「えぇ。明日は休みですから、良いですよ。ってあれ?山岸と対戦してたんじゃないんですか?」
「あぁ。他の人と対戦してるよ。あいつもいい加減、ここの常連だけどな。」
「どんな人です?・・・あぁ。あの人。確かにいつも対戦ゲームしてますね。」
「そう、大概レトロゲームコーナーで対戦ゲームしてるからな・・・。俺や社長はあいつの事を【餓狼マン】って言ってる。」
「餓狼マンっすか。良いですね。俺も今度レトロゲームで対戦してきますわ。」
その日のバイトも何事もなく、深夜1時を迎えた。
「お疲れっす!」
「おう、入れ~。」
「今日は何してんすか?」
工藤さんのPCのモニターでは、明らかに日本で作られた訳では無いゲームが起動していた。
「いや・・・ホントに何してんすか?」
「これはな。アローン・アウト・ザ・ダーク!洋ゲーであり微妙ゲーだ。」
アローン・アウト・ザ・ダーク。このゲームは探偵の様なおっさんが、怪しい洋館に入り、謎を解いていくという内容だ。
「で、どこまで進んでいるんですか?」
「んとな。ゲームが始まって30分。スタートから2画面くらい進んだとこ・・・。」
「全然じゃないですか・・・。」
どうやら3人でゲームを始めて30分、全然なぞがとけていないらしい。
このゲームは癖が強すぎて操作もままならない様だ。まず、慣性が無駄に働き急に止まることが出来ない。更に、画面が変わるたびに画角が盛大に変わり、同じ方向に移動し続けていると、部屋に入った直後に部屋を出てしまう様な、えげつない画角の変化を見せるのだ。
「工藤さん、その石像、怪しくないですか?」
「石像?さっきから調べているけど、何も動かないけど。」
「生垣の所にあるロープとかは使えないんでしょうか?」
「ロープ?あ、取れた。」
「で、石像で使うと?」
「あ、石像の腕に引っ掛けた・・・。手が降りた・・・。石像全体が動いた・・・。」
石像の手が動かされたことで、石像の下にあった隠し通路が露わになったのだ。
「すすんだねぇ。」
「大した謎でもなかったようですが・・・。酒を飲みながらは無理なんじゃないですか?」
「酒が入った方が奇抜なアイデアが出るんだよ。」
その結果が30分もプレイして進捗0%じゃ意味ないね。
結局その日は2時まで・・・。また2時まで謎解きに明け暮れてしまった。




