続・未知の世界
新しく移動手段を手に入れた俺は、自転車を押して丘を登る。
うん。自転車を押すって結構つらいな。
自転車を押しつつ、ゲーセンの前まで来たので中を覗いてみる。
山岸か・・・。相変わらず格闘ゲームをしている。
あいつ、授業は出ているのか?人の事は言えないけど。
「おう、やってんな。」
「おう、ジャコ。どうした?研究会は無いのか?」
「今日は休みだと。で、お前は?バスケ部だろ?」
「今日は休みだと。自主的に・・・。」
山岸の所は、部活だというのに緩そうなところだな。これも人の事は言えないけど。
「ジャコ、この後暇?」
「・・・ひま、かな?」
「なら、工藤さんとこ行こうぜ。」
「は?何しに?」
お、アイアンフィストをクリアした様だ。エンディングが流れ始めた。
「パソコン作るってさ。」
「マジか!パソコンって作れるの?」
パソコンを作るって意味が、いまいち分からんが、とりあえず工藤さんちに行ってみよう。
「ちゃーっす!」「来ました。」
「お、来たな。入れ~。」
言われる前から靴を脱いで部屋に入っているが、工藤さんの言葉を待ってから顔を出す。
「工藤さん、パソコン作るってほんとですか?」
「まぁな、ほれ。」
部屋の中にいくつかの箱が積んである。これがパソコン?
「ま、今から作るから見てなって。」
工藤さんが一番大きな箱を開ける。
「これがPCケースだ。ここに部品を詰めていくんだ。」
白くて大きな金属の箱の側面を開けて中を見せてくれる。
・・・、何もない・・この箱が、18000円?
箱についている値札を見て驚愕してしまった。
「で、これがマザーボードだ。ここにパーツを刺していく。」
金属の箱にマザーボードを固定していく。ちょうどマザーボードの穴に合うような場所にねじ穴があり、箱とマザーボードを固定した。
「そしてこれがPCの頭脳、CPU。CoRe i9-15000qqだ!24コアで6.0GHz!・・・これが高かった・・。」
「え・・・このちっちゃいのが69000円!!!無駄に高くないですか?」
「これが無いと、PCは動かないからな。・・にしても高かった。」
工藤さんはCPUをマザーボードにはめ込むと、金属の塊を出してきた。
「これがCPUのヒートシンクだ!CPUはめちゃくちゃ熱くなるから、この金属の塊に風を当てて熱を飛ばすんだ。」
CPUの上に白い粘性の液体を付けて、その上にヒートシンクを固定した。
「今のは何ですか?」
「あぁ、あれを付けないと、CPUとヒートシンクの接触面で熱が上手く伝わらない可能性が有るんだ。」
そう言いながら、今度は薄っぺらい板を3枚取り出した。
「これがメモリ。これがCPUの働きを補佐する役割がある。これでPCのスピードが大きく変わる。」
取り出した板のうち2枚をマザーボードに差し込んだ。
・・・あれ?あと1枚は?
「これがM.2(エムドットツー)、PCのデータを保存する記憶媒体だ。一応ここにOSを入れておこうと思う。追加で2TBのSSDも別途接続する。」
「OSってなんです?こんな板に入るんですか?」
「OSってのは、オペレーティングシステムの事。簡単にいえば、ウインドズ!」
「あぁ、ウインドズ!」
次に大きめで横長な箱を開けると、ファンが3つ付いた基盤が出てきた。
「これがグラフィックボード。GePorce GPX 1660!これがあると、画面がぬるぬると動く!!!」
「デカいんですね。バランスが悪くて折れそう・・。」
「折れない!この端っこをPCケースの枠に固定できるから、しっかりと固定できるんだ。」
なるほど、PCのパーツに合った形をしているから高いんだ。
「次にこれ、DVDリーダライタ!DVDの書き込み読み込みが出来る!最近ではあまり使わなくなったけどな。」
「ああ、オンラインの影響ですね?」
「そう、最近はダウンロードできるものが多いから、DVDはあくまでもおまけだ。」
工藤さんはそれぞれのパーツの電源コードを基盤に接続していく。
そして、最後に重そうな金属の箱を取り出した。
「これが電源だ。コンセントから100Vを入れて、12V、5V、3.3Vに分けて使える様にするものだ。」
「全部100Vで使えればいいのに・・・。」
「・・・。それな。」
PCケースに電源を固定。そしてそこから伸びているコードをマザーボード、グラフィックボード、DVDに差し込んでいく。
「これで、一応形だけはOK。今からOSを入れていくぞ!」
「あ、さっきのオペレーティングシステムっすね!」
「そ、まぁ、その前にバイオスの設定をしてだな・・・。」
PCの組み立ては意外と時間が掛かりそうだ。




