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異世界に転生してものの5分で最強種とエンカウントした俺のその後の話  作者: すずき 虎々


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41.脳内会議(理想と現実と塩と水)

数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。

稚拙な文章ではありますが、読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。

 ケイラとシェラ、二人の妹は、私が求めている水準にはまだ遠く及ばない。

 しかし、私の求める水準は、正直な話、人の領域を大幅に超えている。

 だけど、この二人は、私のように特別な力を使って到達したものではなく、努力と習慣によって身に着けた力と言えるだろう。(多少、道具による補助的側面はあったかもしれないが。)


 つまり、現段階で、この世界の住人は、神獣の様な突発的な脅威には対処出来ないということになるので、アルのようなのが突然現れたら、滅ぶしかない。


 しかし、ケイラとシェラを見ていればわかる通り、幼いころからそれなりの経験と、必要な知識、そして弛まぬ努力、これがあれば、それこそ特別な人間でなくても、魔王程度ならなんとかなる。


 要するに、ケイラとシェラだけでなく、他の人間にも、絶望的な脅威に対抗するための素養はあるし、育成環境次第では、魔王や黒竜などの脅威を打倒する力を得ることが可能だったということで、私じゃなくても良かったということになる。


 この世界の住人は、自分たちが出来るということを知らなかったし、目標とする場所も知らなかったし、何を学ぶべきかも知らなかったからだ。


 私がこのまま永遠にこの世界の守護者として存在し続けることは、不可能ではないようだけど、私にそのつもりはない。

 冷たいように聞こえるかもしれないが、私に永遠の時を生きるだけの精神力が備わっているとは思えない。

 一人だけが永遠の時を生きるということは、親しかった人、大切な人を失い続けるということだ。

 私には到底無理な話にしか聞こえない。

 孰れ慣れるのかもしれないが、それは慣れではなくて諦めだと思う。


 であれば、私が消えた後も、この社会が存続し続けるためには、絶望が絶望でなくならなければならない。


 そのためには、まだ3000年と若いこの星に住む住人に、脅威に対抗する力を付ける術を与え、特定の誰かの為ではなくて、社会全体が機能するシステムやルールを整え、取り残される人を出さない社会の礎を作らなくてはならない。

 努力した人が報われ、悪さをした人は報いを受ける。

 公平で、公正で、誠実な社会でなければならない。

 でも、そんな理想は時とともに廃れて、忘れられてゆく。


 でも、かつて確かに、ここにあったのだという事実が存在すれば、また理想を追い求める人が出てくるかもしれない。


 人は争うことを止めないだろう。


 争う国がなくなれば、今度は身内で争うだろう。


 それでも、皆が下を向き、望みを捨て、諦め、死を迎えるために生きる。

 そんな世界にだけは、絶対にしたくない。


 だからこそ、実績が必要だと思う。

 何処から来たのかもわからない謎の存在ではなく、この世界で生まれ、苦境を乗り越え、必死に努力し、何かを成し遂げる。

 そんな存在になってほしい、皆の希望であってほしい。



 あ、私はまた、何を考えてたんだろう。


 最近どうも、話の方向性がおかしい、なんで私ごときが、そんな大それたことを考えているんだろう。


 ていうか、神獣対策としては、ケイラとシェラにはもう少し強くなっていてほしい、まず、何よりケイラとシェラの安全が確保されるし、余裕があれば身の回りの人を助けられるかもしれない。


 私の手の届かないところを、ケイラとシェラが補ってくれるなら、これ以上嬉しいことはない。


 と、その程度の話のはずなのに、なんで世界がとか、社会がとか、まぁ確かに領主だけど、自分の治める領地に問題が無ければ、それで良いはずだ。


 50年近く治められる側として生きてきた私としては、治める側にまわってまだ3年くらいだし、どうも話のピントがズレ気味に感じるけど、まぁ、それも不馴れなせいということで。


 そもそもの話として、何かがこうでなければならないなんて考え方、危なっかしくて仕方がない。

 そういう考えの行きつく先が、独裁者のような偏った思想を生むんだということを学んでいるだろうに。

 でも、“完璧な社会”って、天才による独裁とかいう話も聞いたことあったような。


 ちょっとまってよキラちゃん、“完璧な社会”ってなんだよ。

 そもそも社会を構成する個人が、一つの星に50億人いたと仮定して、その50億人それぞれが、自分が中心の社会を構成しているのに、その50億の社会を統合して、尚且つ皆が完璧と感じる社会が実現できるとでもおもっているのかい?

 だいたい完璧の定義からして危ういんじゃないのかい?

 お前が目指してるのはユートピアなのか?ディストピアなのか?

 法や慣習、道徳、相互期待?お前が元いた世界はどうだった?

 自由という名の抑圧、人権を重視したことによって生まれる無意識の管理、技術や科学が発達することによって、何を得た?効率や秩序が優先されるあまり人間性は失われたんじゃないのか?争いや犯罪は減らないのに、それでいて自由や多様性は失われ、無意識下の思想統制や同調圧力によって、ただ生きてるだけの世界だったんじゃないのか?

 隣近所に、会社に、学校に、地域社会に、国に、何を強いられてきた?

 良い子ちゃんでいることが、何を産んだ?テレビで流れるニュースをバカみたいに鵜呑みにするような愚か者しかいない国で、これまた、てめぇの懐事情しか考えてない政治屋の作った、アホみたいな法律を律儀に守って、必死に稼いだ金を搾取されて、それでお前に何が残ったんだ?


 あぁ、また変なのが出てきた。

 私は完璧な社会がなんぞやという話をしたいわけじゃないのよ。

 皆が安心して、公平に、公正に、善意が前提条件となりうる社会が出来たらいいなという話をしているのであって。


 おいおい、頭の中お花畑かよ。

 善意が前提条件って、笑わせるのも大概にしてくれ、性善説を信じてるのかい?

 そんなの寝ぼけたポンコツ親父のたわ言でしかないだろう。

 人がどういう人間になるかは、環境と資質の問題であって、同一の資質を持つ者が違う環境で育てば、まったく考えの違う二人になるのは衆知の事実だろうが。

 だいたい誰基準の公平公正だよ?それは政治屋の殺し文句だろうが、世の中の天秤が全て中央を指し示す奇跡でも待ってるのかい?


 もういい、もういいから、あなたが正しい、あなたは偉い、よっ!大統領!!!

 お願いだから少し黙ってくれない?

 だいたい、あなたの理屈なら、私がどういう考えを持っていても良いわけでしょ?だったら放っておいてよ、私には私の理想とする社会がある、ということを否定する権利があなたにあるの?


 いや、違う、社会じゃなくて、世界だ、そうだ、世界を跨ぐんだよ。


 魔法での転移はどういう理屈かを徹底的に研究しても、結局元となる魔力の途切れ目で魔法が無効になってしまうというのは、つまり、ここまでは酸素があるから良いけど、ここから先は酸素がないから混合気が作れません、だから爆発させることが出来ないから、エンジンが作動しませんってことでしょ。


 つまりは、この場合の酸素は魔力なんだから、酸素が無ければ別のもので代替出来ないかを考える。

 ということは、魔力に変わる何かがあれば、あるいは魔法によって世界を渡ることが出来るようになるかもしれないんじゃないかしら!


 あ、違うか、そもそも魔力がないんじゃ魔法が使えない。


 なるべく係わりあいたくないけど、やっぱり天界経由が一番確実なのかな。


 あ、塩入れすぎちゃった、ヤバイ、どうしよう……。


 水足すか。


 ちょっと、どれどれ。


 うわっ、塩っ辛い……。


 水、みず、っと、よし。




「お姉さま、ご飯まだぁ~?」


「ちょっと待ってね、今出来たから。ケイラお皿だしてくれる?」


「は~い。」


「それじゃ、食べようか。いただきま~す!」


「「いただきま~す!」」


「うっ。」


「ん?」


「お姉さまにも、不得意なことがあったんですね……。」


「仕上げをしくじっちゃって……。」


「明日は私が作りましょうか。」


「ご飯の時だけ家に帰れば?」


「「あぁ~あ!」」




最後まで読んでいただきありがとうございます。

感謝の言葉しかありません。

よければ次のお話も読んでいただけるとありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

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