40.キラーズ・レベルブースト・キャンプ
数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。
稚拙な文章ではありますが、読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。
神獣アルベモが召喚獣アルとして登場しましたが、このキャラの声だけは”大谷育江さん”のたどたどしい語りでイメージしていただきたいので、どうぞよろしく脳内変換のほどお願いいたします。
「ケイラっ!飛んじゃダメっ!!!」
「はいっ!」
「シェラっ!奥の魔物の足止めっ!! 右からも来てるよっ!!!」
「はいっ!」
私達三姉妹は、中央大陸の南側にある山の頂に設置した、ダンジョンに来ていた。
ここは、ウェザリア大陸で設置した2か所のダンジョンとは違い、階層は浅いが、各階層が広く、魔物も一階層目から、他のダンジョンの最奥にしか出てこないような、強力な魔物が群れを成している。
更に、ここは迷宮的な地形が少なく、大きめの広場が幾つもあり、広場と広場をつなぐような通路らしい通路も無いので、隣の広場が見えるような構造をしていることから、一度戦闘を始めると、次から次へと魔物が押し寄せ、おそらく普通の人間パーティーであれば、ひとたまりもなく全滅してしまうだろう。
私達は、短期間で、相応の成果を求めた結果、このダンジョンでの訓練を選択した。
もちろんケイラとシェラがダンジョンの苛烈さに耐えうると判断してのことだが、最悪私がいれば、怪我をしたとしてもすぐに回復してあげられる。
「大振りの相手に合わせる必要なんかない、空いてる脇の下に潜り込んで、そう、あなたのスピードなら問題ないはずよ、ケイラっ!」
「はいっ!」
「シェラ、いちいち敵を目で追わないで、感覚で捉えなさい!魔力で蜘蛛の巣を張り巡らせるような感覚よ!」
「はい、お姉さまっ!」
二人には苦手を克服するよりも、得意分野を徹底的に突き詰めさせることで、足りない部分を補うように指導している。
おかげでケイラは魔法を斬るという技術を身に着け、シェラは魔法で身体を強化して、素手ならケイラと渡り合えるほどになった。
「そろそろ限界ね、ここの魔物が……。よし、二人とも、縛りは解除!残りをかたずけちゃって、今日はもう地上に戻るわよ。」
「「はいっ!!!」」
初日こそ大分苦戦していた二人だったけど、二日目以降は問題なくダンジョン最奥での戦闘にも耐えていた。
二人には私が作った装備を装着させていたので、ステータスが上昇するのはもちろんとして、副次的効果として、経験値も大幅に上昇するというメリットがあったので、装備をそのまま装着させていた。
この世界では、どの水準の敵を何体倒したから経験値やレベルが上がるとかいう、ゲームやアニメのようなのとは違い、普段の修練でも経験値は上がっていく。
それに加えて、やはり強い魔物を倒すことで、より多くの経験値が溜まり、レベルが上がれば当然ステータスは上昇し、剣技なら剣技を突き詰めれば、習熟度も上がっていく。
今回の“キラーズ・レベルブースト・キャンプ”では、ケイラについては利き手とは逆の手だけで剣を振らせ、シェラは直接攻撃の魔法を禁止という縛りを設けていた。
そのおかげか、二人とも、経験値はもとより、より上げ難いとされる習熟度を大幅に上昇させることに成功していた。
山の麓にクリエイトで設置したコテージに戻り、三人でお風呂に入った後は、二人を休ませ、私は夕食の支度をしていた。
『二人ともなかなかの腕前になってきたの、そろそろ我と戦っても良い勝負になるのではないかの。』
「えぇ、そのつもりよ。明日から、二人にはあなたと訓練してもらおうと思っていたから、よろしく頼むわね。」
『ぬぉっほぉ~~~!!! 楽しみじゃの~。』
「ただし、即死系や消滅系はつかっちゃダメだからね。死んでもすぐに回復すれば間に合うかもしれないけど、消滅はどうにもならないから、絶対にダメだからね!」
『わかっておるわ、我は本当に主の信頼が無いの~。』
「信頼には、積み重ねが肝心なのよ!」
すると、私とアルの会話に割って入ってケイラが話しかけてきた。
「お姉さま、後でまた、私のステータス見せて!」
「あ、お姉さま、私も見たいです。」
「わかったわ、もうちょっとで夕飯出来るから、食べ終わったら皆で確認しましょう。」
「「は~い!」」
私達は、食事中も体捌きや魔法の使い方について、議論を交わした。
「さて、それじゃあステータスの確認をしましょうか。まずはケイラから。」
私は、ライブラにケイラのステータスを可視化してもらって表示した
[回:種族:竜人族(♀)
個体名:ケイラ・パラディオール
レベル:78
年齢:13
HP:109950
MP:2800
攻撃力:938800
守備力:754500
すばやさ:1289100
賢さ:5500
運:190000
スキル:剣術 体術 竜人化 竜化
称号:神の御子の妹 剣聖 聖竜]
「おぉ!今日でレベル8も上がった!もう上がらないと思ってたのに。」
「ケイラ凄いじゃない。頑張ったわね。続いてシェラね。」
[回:種族:エルフィン(♀)
個体名:シェラ・パラディオール
レベル:81
年齢:15
HP:17650
MP:358000
攻撃力:118800
守備力:108500
すばやさ:67100
賢さ:465980
運:200000
スキル:無詠唱魔法 詠唱魔法 召喚魔法 時空間魔法 魔法陣 精製魔法 神聖魔法
称号:神の御子の妹 魔聖 ]
「うんうん、二人ともはみ出しちゃったか。」
「何からですの?」
「人の領域。」
「それをお姉さまが言いますの?」
「ですよね~。」
「でも、もう少しだけ強くなってもらおうかな。明日からは地上で訓練よ。アルとね。」
今日は、朝からほんの少しだけ忙しい思いをした。
以前アルと戦った跡地は、今も天変地異やアルの口からビーム(本人に確認したところ、正式な名前などつけていないらしい。)の影響で、地面がえぐれてクレーターのようになっていたので、そこをそのまま利用して、地面を慣らし、壁は少し高くして、周囲に20層の魔法障壁を展開した。
これは、中から外に対する障壁という意味ももちろんあるが、外にいる魔獣達が誤って中に入らないようにするのが主な目的だった。
特にサルっぽい見た目の魔獣は好奇心が強いのか、しょっちゅう近づいてきては、いたずらをして逃げていくという、性質的にもサルにそっくりなので、もうサルと呼ぶことにしていた。
他にもユニコーンやバイコーンなどの角の生えた馬やウサギ、羽の生えた馬、阿修羅観音みたいに腕が3対ある熊や、燃えてる鳥、まぁ、フェニックスなんだろうけど、これについてはちょっと補足しておくと、一般的フェニックスのイメージだと、大きくて鷲とか鷹とか、そういううのの尻尾が孔雀バージョンみたいなイメージだとおもうけど、ここのフェニックスに関しては、色々な姿のフェニックスがいて、スズメみたいなのだとか、ニワトリみたいなのだとか、フラミンゴっぽいのもいて、なんなら飛べない系の方が多いんじゃないかと思うくらい、ユニークなフェニックスがいたりと、とにかくいる鳥が皆、燃えてるイメージの方がしっくりくると思う。
とまぁ、この中央大陸は、私達にとっては珍獣動物園のようなものだけど、一般的な人がここにきたなら、命が幾つあっても足りないような危険地帯ではある。
しかし、そんな危険地帯の住人であっても、命がある以上、無暗にその命を奪うことのない様に、しっかりと結界を張り巡らせたのだ。
ケイラとシェラには、万が一があってはいけないので、しっかりと装備をさせ、アルにも再度注意事項を復唱させ、安全第一で訓練を開始した。
訓練開始早々、シェラがケイラにバフのフルコースをかけると同時に、アルにデバフのフルコースをお見舞いする。
しかし、腐っても、縮んでも神獣のアルには効かない。
すると、ケイラが装備とバフで盛り盛りになったスピードを生かし、アルの足元に滑り込むようにして横薙ぎの一閃を放つが、それを回転して躱すアル。
その隙をつくように今度はケイラのストーンキャノン乱射が回避行動中のアルを追う。
そのスピードは、ガトリングガンによって発射された弾丸が一筋の光となるが如きスピードだが、それすらもアルには届かない。
しかし、そのアルの回避先を予測して先回りしたケイラが、剣で斬りつけるのではなく、剣の腹で、まるで野球のバッティングのようにアルを叩きつける。
すると、その衝撃で一瞬止まったアルに、シェラのストーンキャノンが追い付いて着弾する。
何百発という石の弾丸が、アルをハチの巣にしたかと思ったが、それすらもアルにはまったく効いておらず、不敵な笑みを浮かべている。
『妹共もなかなかやるの。我もちょっと楽しくなってきた。今度は我から行くぞ!』
アルはまずシェラを狙う。
自身を光速で移動する弾丸と化し、シェラに突っ込む。
何重にも展開した防御結界を次々と破壊して、ひたすらにシェラに到達しようと突き進むアル。
しかし、それを黙ってケイラが眺めているわけもなく、防御結界でスピードの鈍ったアルに対し、飛び上がったケイラが全身の体重を乗せて、上段からの一撃を食らわせた。
あわやアルの首を斬り飛ばしたかと思う程の一撃だったが、アルはその斬撃を角を使って受けていた。
「ケイラっ!離れてっ!!!」
言うのが早いか、シェラが極大魔法メテオストームを放つ。
燃え盛る隕石が螺旋を描いて次々とアルを押しつぶす。
これには二人とも手ごたえを感じたのか、一瞬その光景に見入ってしまった。
「あっ……。」
思わず私が声を漏らしたその瞬間には、アルの攻撃で二人とも一瞬で意識を刈り取られていた。
『なかなか、面白いコンビじゃな。もう少し強くなれば、我も本気で戦えそうじゃぞ。』
「とはいえ、まだまだね……。」
私は二人に回復魔法をかけてやり、コテージへと運んでやるのだった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
感謝の言葉しかありません。
よければ次のお話も読んでいただけるとありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。




