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異世界に転生してものの5分で最強種とエンカウントした俺のその後の話  作者: すずき 虎々


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33.十字架

数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。

稚拙な文章ではありますが、読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。

「ただいま。」


「キラ様お帰りなさいませ。」


「ケイラとシェラは帰ってますか?」


「この時間ですと、まだ学校かと。シェラ様は学校の後は真直ぐ魔法師団の方へ向かわれると思います。ケイラ様は一度お帰りになられると思いますが、御学友とお出かけになられる時もあれば、剣の訓練に向かわれる時もありますので、お戻りになられてからでないと、ご予定はわかりかねます。」


「そっか、じゃあ夕食の後にしよう。ベルカーさん、ありがとうございます。」


「どういたしまして。」


 私は二人の妹が充実した学生生活を送っているということに安堵しつつも、これから自分が話す内容と、今後二人が背負わされるものの重さが頭をよぎり、いたたまれない気持ちになった。


 私は書斎でミラに入れてもらったお茶を飲みながら、書類に目を通していると、玄関の扉が勢いよく開く音が聞こえると同時に「ただいま~!」というケイラの声が聞こえた。


 私は、書斎から出て、ケイラを出迎えた。


「お帰りケイラ、学校はどう?楽しい?」


「お姉さま!帰ってたんだ。勉強は楽しくないけど、休み時間に友達と遊んだりするのは楽しいよ。でもね、女の子はお話ばかりで面白くないけど、男の子達とボールで遊んだりするのはとっても楽しい!」


「そっか、楽しく過ごせてるのね。でも、楽しくなくても勉強は頑張った方が良いわよ。」


「は~い……。 ところでお姉さま、今日はもうずっと家にいるの?」


「そのつもりだけど。」


「じゃあさ、じゃあさ、私に剣の訓練してよ!」


「う~ん。そうね、それじゃあ、二人で剣の訓練しようか。」


「やった~!それじゃあ着替えてくる!!」


 私達二人は、剣の訓練をするために軍警察の訓練所に行くことにした。

 訓練所に着くと、20名程度の兵士が各々訓練に取り組んでいた。

 すると、私に気が付いた一人の兵士が、全員に号令をかけた。

「止め~!全員整列!キラ閣下に対し、敬礼!!!」


 私は整列した兵士達に答礼を返す。


「みなさん、訓練お疲れ様です。私達も剣の訓練をしに来ただけですので、どうぞ続けてください。」


「はっ!それでは失礼いたします。全員解散!訓練再開!」


 兵士の号令で、全員が再度各々の訓練を再開した。

 私は、ケイラとの訓練を始める前に、ケイラのステータスを確認してみることにした。

『ライブラ、ケイラのステータスを見せて。』

 [回:種族:竜人族(♀)

 個体名:ケイラ・パラディオール

 レベル:46

 年齢:13

 HP:27650

 MP:360

 攻撃力:68800

 守備力:51200

 すばやさ:89100

 賢さ:780

 運:100050

 スキル:剣術 体術 竜人化

 称号:神の御子の妹]


『ちょい、神の御子の妹って……。っていうか、なにこの竜人化って。』

 [回:竜人族は、一定のレベルを超えると、体表の硬化、筋肉の膨張などによる、ステータスを大幅に上げる竜人化という種族固有のスキルを有しています。

 更にレベルが100を超えると、竜化というスキルを発動することが可能になります。

 竜化すると、さらなる身体強化に加え、種族固有魔法やブレスを使用することが可能となります。]

『ケイラの今のステータスって竜人化込みのステータス?それとも素体のステータス?』

 [回:ケイラ自身のステータスになります。

 竜人化を使用した場合、個体差はありますが、一般的には現状の3倍程度のステータスになります。]

『私の初期値にかなり迫ってるんだけど、ケイラもまぁまぁヤバいヤツなのねw』


「ケイラ、竜人化してみて。」


「え!?なんでお姉さまが竜人化のこと知ってるの?って、お姉さまだし、全部知ってても不思議じゃないか。」


「私をなんだと思ってるのw」


「じゃあ、行くよ!」


 ケイラは竜人化を使うと、身体が一回り大きくなったように見えた。


『ライブラ、この状態でもう一度ステータス出して。』

 [回:種族:竜人族(♀)

 個体名:ケイラ・パラディオール

 レベル:46

 年齢:13

 HP:96000

 MP:850

 攻撃力:240000

 守備力:250000

 すばやさ:300000

 賢さ:1000

 運:100050

 スキル:剣術 体術 竜人化中

 称号:神の御子の妹]

『項目によっては3倍どころの騒ぎじゃないのもあるけど、3倍に届いてないのもあるようね。主に、インテリジェンス系統が……。』

 [告:竜人族は、竜化出来るレベル100付近になると、急激にインテリジェンス系統のステータスがアップします。]

『へぇ、そうなんだ。頭脳に関しては大器晩成型ってことね。』


「よし、じゃあケイラ、訓練を始めようか。私は反撃しないから、まずは好きなようにやってごらん。」


「わかった、じゃあ、いっくよーーーっ!」


 ケイラは、かなり大勢を低くした右構え状態から、木刀を中段後ろに構え、前に出した脚で地面を蹴って、一気に間合いを詰めてきた。

 そして、そのまま私の左脇腹を狙った一撃。

 私がそれを受けると、その衝撃を利用して回転し、今度は私の右脇腹を狙う。

 それも難なく受けると、今度は若干のひねりを加えて左上段から振り下ろすケイラ。

 上下左右から縦横無尽に攻撃を繰り出すケイラ。

 私が7発目を受けると、いったん後方に飛んで体制を立て直す。

 そこで一息つくかと思いきや、最初と同様に、再度私との距離を詰めに来るが、今度は私の前方1.5mくらいの位置で上方に飛んで回転し、途中で横ひねりを加えて私の後頭部を右から狙った一撃を繰り出す。

 私はそれを振り返らずに木刀を肩に担ぐような姿勢で受ける。

 ケイラの攻撃は、とにかくそのトリッキーな動きに加え、特筆すべきスピードと、体幹によるボディーコントロールで、上下左右あらゆる角度から打ち込んでくるので、常人では捌くことはおろか、最初の一撃で致命傷を受けるだろう。

 彼女の攻撃は速さに加えて、一撃一撃もとにかく重いのだ。

 ちなみに、先程まで真面目に訓練をしていた兵士達は、私とケイラの立ち合いを茫然とした表情で眺めているが、今のケイラの動きを正確に目で追えている人は、誰一人としていないようだった。


「はい、じゃあいったん休憩。次は、私も攻撃するから、しっかりと捌いて、怪我をしないように気を付けてね。まぁ、怪我してもすぐ治してあげるけど。」


「わかった!それにしても、お姉さまはやっぱり強いな。私、最近は普通の姿のままでも、誰にも負けないんだけど、お姉さまと対峙してると、私の攻撃があたるイメージが全然わかないよ。」


「それは良いことよ。彼我の戦力差を正確に分析できるということは、戦いにおいてとても重要な事だから、まぁ、ケイラの場合は分析しているというよりは、肌で感じているというのに近いと思うけど。その感覚は忘れないほうがいいわね。じゃあ第2回戦よ。きなさい!」


「はぁーーーーっ!」


 ケイラは最初同様一瞬で間合いを詰めてくるが、今度は体を左に捌いてケイラの突進を躱すと同時に、木刀の先でケイラの脚を払って転倒させた。

 しかし、これにはケイラもすぐさま対応し、空中で体を横ひねりして体勢を立て直し、今度は私の直前で上方にジャンプした。

 私はそのまま彼女を追って飛び上がり一言。


「これはダメね、減点1。」


 私はケイラの更に上空まで飛び上がり、今度は魔法で足場を作ってケイラに一気に詰め寄る。

 ケイラは私の一撃をかろうじて受けることが出来たが、勢いを殺せず、そのまま地面に激突してしまった。


「ケイラは魔法が使えないし、その代わりになるスキルもないのだから、無暗に飛び上がってはダメよ。空中で方向転換したり、移動するスキルがない状態では致命的な行動よ。」


 すぐさま起き上がったケイラは一言だけ「はいっ!」と返事をして、すぐさま攻撃に転じる。


 しかし、今度は私も同時に後方に下がり、ケイラが距離を詰められず、継ぎ脚した瞬間を狙って、その足にストーンバレット(ソフトバージョン)を打ち込む。

 ケイラは魔法を受けた衝撃でまたも転倒してしまう。


「減点2。あなたの攻撃は単調すぎるわ。初見であれば、ある程度は通用するかもしれないけど、一度見られた後だと、そうはいかない。あと、あなたの斬撃は受けられた衝撃を利用して回転している。つまり、受けられる前提の斬撃でしかない。一撃で切り伏せるつもりで振りぬきなさい。あなたの持つ良さを生かしきれてないわ。」


「はいっ!」


 ケイラは更に体勢を低くして、先程よりもずっと鋭く踏み込んできた。


 しかし、私はケイラが私に届く前に、木刀の剣先で土を跳ね上げて目くらましをすると、即座にケイラの背後に回り込み、首筋に当身を当てる。


 ケイラは事切れたかのように意識を失い、そのまま倒れこみそうになったので、私はケイラを抱きかかえてやった。

 すぐに回復魔法をかけてやり、ケイラを揺すり起こす。


「はっ!?」


「あなたは戦いにおいて、どうにも正直すぎるわ。もっと相手を疑わなきゃ。」


「うぅ……。 お姉さまにかすりもしなかった、これじゃ全然ダメダメだよ……。」


「そんなことないわ、普通の人が相手なら、あなたはもう十分すぎるくらい強いわよ。ここまでになるまで、よく頑張ったわね。えらいわ。」


「私もっと強くなりたい!お姉さま、また今度稽古つけてくれる?」


「えぇ、もちろん、私もそのつもりよ。」


「わぁい、やったぁ~!」


 そういうと、ケイラは私の胸に顔を埋めてぎゅっと抱き着いた。


 私はそんなケイラの頭を優しく撫でてやりながら、私はやりきれない気持ちになった。


『ケイラはまだ13歳。元の世界なら、まだ中学生になったばかりの子供なのに。学校で友達と遊んだり、勉強したり、難しい事なんて考えないで、毎日を楽しめればそれで良いはずなのに……。ごめんね、ケイラ。』


 私は、今後自らが、二人の妹に課す十字架の重さを思い、胸が張り裂けそうになった…。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

感謝の言葉しかありません。

よければ次のお話も読んでいただけるとありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

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