31.神獣の刻印
数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。
稚拙な文章ではありますが、読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。
私が意識を取り戻したのは、神獣との戦いから丸二日経った後のことだったらしく、目が覚めると、ケイラとシェラが私のベッドの両サイドで、突っ伏して眠っていた。そして、顔を上げると、奥のソファの上で、片足をソファの背もたれにひっかけて、それはもう行儀の悪い寝方をしている金竜さんもいた。
私が体を起こそうとすると、ケイラとシェラが目を覚まし、私の顔を見た途端、可愛い顔をぐしゃぐしゃにして、泣き出してしまった。
私に抱き着いて、二人は声を揃えて「「お姉さまぁぁぁぁぁぁ。」」と言いながらわんわんと泣いている。
私は二人を抱き寄せ「心配かけてごめんね。」と言った。
こんな二人の姿を見ると、血は繋がってはいなくとも、私たちは本当の姉妹なんだと強く思った。
「なんだ騒々しいの。せっかく気持ちよく眠っていたのに。」
ソファで寝ていた金竜が目を覚まし、妹たちの声を聴いて揶揄するように言った。
「あら、それはそれは、しかし、どうして貴女がここでお休みになっているのでしょうか。」
私の少々棘のある言葉にシェラが反応した。
「お姉さま、こちらのキンリュウ様は、倒れて動けなくなっていたお姉さまを、親切にここまで運んでくださったのですよ。そんな失礼な言い方をしては、礼を欠きます。」
「そうだ、我は力尽きた其方をわざわざ運んでやったのだぞ。感謝せい。」
「それはどうも、ありがとうございました。金竜様。」
「うむ、わかれば良い。して、体調はどうだ。」
「えぇ、だいぶ休んだようですので、いたって元気です。」
私はそう言いながら、両腕を上げて伸びをしようとした瞬間、右胸の辺りに軽い痛みを覚え、思わず「イッ!」と声を出してしまった。
すると、ケイラが「お姉さま、どこか痛いんですか。」
と言ったので、ケイラの頭を撫でながら「大丈夫よ、少し違和感を感じただけだから。」
と言って、痛みを覚えた辺りを覗き込んでみると、どう見てもこの間死闘を繰り広げた神獣の顔をモチーフにしたようなエンブレム的な傷というか、刺青のような物が付いていた。
私は思わず「え!何コレ!?」と漏らしてしまう。
すると、皆が私の胸を覗き込む。
ケイラとシェラはこの顔にも見覚えがないため、二人してキョトンとしているが、金竜さんは納得した様子で「ほうほう、なるほど、なるほど。」と言っていた。
私はこの刺青のようなものが何なのかを知りたいような、知りたくないような、複雑な気持ちでいると。
[告:マスターの称号に〈神獣の刻印〉という項目が追加されました。]
ライブラの突然の告知に驚きつつも、そういえば先日の戦いの後で、レベルが上がったとかなんとか聞こえたような気がしたので、ライブラに尋ねてみた。
『ライブラ、この刻印が何なのかはわかるの?』
[回:不明です。]
『効果とかの有無は?』
[回:不明です。]
どうやらライブラにもわからないことがあるらしいことが分かった。
『そういえばこの間レベルが上がったって言ってたような気がするんだけど、久しぶりにステータス見せてくれる?』
[回:種族:人族(♀)
個体名:キラ・パラディオール
レベル:180
年齢:18
HP:2800000
MP:4200000
攻撃力:15800000
守備力:12500000
すばやさ:9585000
賢さ:9540000
運:12000000
スキル:全能 鑑定 神託 火属性魔法 水属性魔法 風属性魔法 土属性魔法 光属性魔法 闇属性魔法 時空魔法 剣術 槍術 体術 弓術 棍術 治世術 創造術
称号:神の子 魔導王 格闘王 黒竜殺し 竜の天敵 創造主 破天使 創造神 裁定者 剣神 魔導神 神獣の刻印]
『あのね、私3年前からレベル止まったままだったじゃん。それがこの間の神獣との戦いでなんで80近くも上がるの?あとさ、ステータスおかしいでしょこれ。称号も増えすぎ!』
[告:妥当です。]
『いやいやいやいや、妥当じゃないから!』
[告:マスターのレベルが一度に78上昇したのは、神獣との戦闘における経験値が、マスター自作の装備の影響で10倍になったことが主な原因です。
神獣の刻印という称号も影響していると推察します。
マスターの魔力量上昇の異常値については、マスターが魔法を使い続けたことが原因です。]
『魔力量の上昇が異常値だっていうことは認めるんだ。ていうか、経験値もステータス扱いなのねw』
ライブラとの問答を続けていると、ケイラが私を必死に揺すっていることに気が付いた。
「お姉さま、急に黙って、どうしたの?大丈夫?」
「あぁ、ごめんなさい。ちょっと考え事をね。」
私がケイラを誤魔化していると、横からシェラが割って入ってきた。
「ところでお姉さま、今回はどういった経緯でそこのキンリュウ様のお世話になることになったのか、お話していただけるのですよね。」
「えぇっと……。」
「何を迷うておる。話せばよかろう。」
「うぅぅ…………。」
「我が話してやろうか。」
「いや、大丈夫。私が話す。ていうか、見てもらった方が早いか。」
私はそう言って、ライブラに記録した映像を再生してもらうことにした。
神獣と私の壮絶な戦い。
想像を絶する技や魔法の応酬。
二人は終始口を覆い、目を伏せ、見るだけでも相当な疲労を覚えただろう。
すると、ケイラが金竜さんが元の姿に戻ってブレスを吐いたシーンを見て、思わず「えぇ!キンリュウって金竜!?」と漏らしていた。
私は、心の中でそこに食いつくんだwと思ったが、口には出さないで置いた。
全てを見終わると、最初に金竜が口を開いた。
「其方らの姉は、この世界において最も強い力を持っておる。我が同胞である黒竜を倒し、魔王を討伐し、この世界に存在する魔物も一掃したのだ。これまで誰も成しえなかったことを、其方らの姉が一人で成したのだ。その姉が、最後の仕事として中央大陸の魔物を一掃していた際に、ヤツはあらわれた。我もその気配を感じ、ただ事ではないと察したので、中央大陸へと急いだのだが、其方らの姉が欲した10秒という時間を稼ぐので精いっぱいだった。この神獣というやつは、間違いなくこの者の実力を遥かに上回る力を持っていたが、それを持てる力と技術と頭脳を総動員させて、やっとの思いで打倒したのだ。よう労ってやるのだな。其方も目を覚ましたことだし、我はまた巣へと戻るとするかの。」
そう言って、金竜は屋敷から去っていった。
二人の妹達は、ただ私にしがみついて、離れようとはしなかった。
と、良い感じに話が終わりそうな雰囲気などガン無視で、またもや頓狂な声が聞こえてくる。
『キラさ~ん。よくアルベモと戦って生きていられましたね~。あの子、最高神様の数ある神獣の中でも、三本の指に入る強さを誇ると思うので、最早我々神でもあの子に敵う神なんていませんよ~。もうキラさん人の領域を、遥かに超えちゃってますね~。ってもともとかw』
『あんなのが、他に2匹もいるの?勘弁してよね…。』
『心配しなくても、各世界を渡り歩いて破壊しまくっているのなんて、あの子くらいですから、今回のようなことにはそうそうならないので大丈夫ですよ~。』
『あぁ、その台詞がもう、フラグたっちゃってるからさぁ……。』
『でも、キラさん撃退じゃなくて、討伐しちゃうのがすごいですね~。私ぃ~、今まで結構な時間神様やってきましたけど、刻印を持ってる人間なんて初めて見ましたよ~。』
『この〈神獣の刻印〉って、いったいなんなの?』
『そぉ~れぇ~わぁ~。内緒です!まぁ、また今度神界にくることがあれば、その時に教えてあげま~す♡』
『そんなおいそれと神界なんか行けるか!また手違いで殺すきか!』
『いえ、その節は、本当に申し訳ありませんでした。もう二度とあのような事が無いように気を付けます。ということで、失礼します~♪』
『いったいなんだったんだ、結局何もわからないし、イアロも何しに来たのかわかんないし、神様って暇なんだろうか。』
私はその後、二人の妹達に、これまでの事を話した。
異世界からの転生者であることは伏せて、黒竜を討伐してから、先日の神獣に至るまで、どのようにして生きてきたのかを、全て話した。
そして、今後もし、危険がせまったとしても、ある程度は自分で身を守れるようにと、中央大陸で手に入れた装備品を二人に渡し、さらに、神獣を討伐した刀のブレスレットバージョンをクリエイトして二人に渡した。
ついでと言っては何だけど、二人のステータスを見てみると、二人とも体力は5万には届かないけど、まぁまぁの域に到達していたし、魔力に関してはシェラは初期の私に迫るほどの魔力を有していた。
これだけの実力があれば、私に万が一のことがあったとしても、なんとか生き延びるくらいのことは出来そうなので、渡した装備は常に身に着けているように言い聞かせた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
感謝の言葉しかありません。
よければ次のお話も読んでいただけるとありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。




