3.ディスタンス
Q.私には中学の頃から密かに憧れていた先輩がいて、
その人を追って頑張って勉強して同じ高校に入学しました。
しかし先輩の周りには常に美人グループの女子が囲っている状態で、
私のような地味で目立たない女子が近づける状態ではありません。
幸い、先輩はまだ誰とも付き合っていないらしいのですが、
このまま諦めるしかないのでしょうか?助けてください。(高1・女子)
「これ、完全に恋愛相談ですよね
僕たちが対応する必要あるんですか?」
「そりゃほら、助けてくださいって言われちゃなあ
人生の先輩として放っておけないだろうが
それに……女子高生に恩を売っておいて損は無いだろ?」
「私利私欲なんですね……
僕の学生時代には、こういう女子の憧れみたいな存在はいませんでした
どんなアドバイスしたらいいのか正直わかんないですね」
「それを考えるのが俺たちの仕事だろ?
悩める女子高生のためにも、いっちょ頑張ろうぜ!」
A.これは推測ですが、その先輩が誰とも付き合っていないのは、
美人グループの女子には興味が無いからだと思います。
その女子たちはみんな同じような髪型やメイクをしていませんか?
先輩はきっと、そんな量産型の女子に言い寄られて迷惑しているはずです。
そのグループに混じろうとしてはいけません。
むしろ、その逆です。先輩に近づこうとしてはいけません。
先輩のほうからあなたに近づいてくれるように仕向けましょう。
恋愛において大切なことは、まずは相手に興味を持ってもらうことです。
それが無ければ何も始まらないと言っても過言ではないでしょう。
あなたは目標のために頑張れる人間です。
それならば何かしらの技能を身につけることに集中し、
唯一無二の存在として認められるように努力をするべきです。
あなたが目指す方向性は、いわゆる“おもしれえ女”です。
先輩が何に関心を持っているのかをよく観察し、
とにかく興味を持ってもらえるように頑張りましょう。
「なんか……すごく、それっぽいですね!」
「ああ、いろんな少女漫画を参考にしたからな
これでダメなら、もうダメだろ」
「……って、今回はすぐに評価つきませんね
画面に張り付いてないんでしょうか」
「その前提がおかしいんだよ」
「──あ、例のヒロインちゃんからメール届いてますよ!」
「何……!?
しかも評価、星5じゃん!
上手く行ったってことだよな!?」
「中身読んでみましょう」
『先日は相談に乗ってくださり、本当にありがとうございました。
あの後、私は助言に従って先輩の関心がどこにあるかを調べ、
その技能を学び、おかげさまで先輩の興味を引くことができました。
そしてトントン拍子に私と先輩はコンビを組み、
先日、高校生お笑い甲子園の地区予選で優勝しました。
次は県大会、関東大会、そして最後は全国大会へと続きます。
優勝を狙っているのは勿論、いずれはプロデビューも目指してます。
皆様のおかげで私は大きく変わることができました。
重ね重ねになりますが、心より感謝を申し上げます。』
「おもしれえ女……!」