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第十五話 掲示板

 綾人の昨日感じていた悪い予感があたった。冬美は少しだけ寝相が悪い。そんな人がゆるゆるなガウンタイプのパジャマなんか着て寝てしまえば、次の日の朝には色々と際どいところを攻めた状態になってしまう。


 綾人は冬美からスッと視線をそらし、喉を潤そうと冷蔵庫らしきものを開ける。中は冷えてはいるが恐らく魔法の類なのだろう。少しだけ昨日より冷えていない気がする。



「おはよ〜、やっぱり任務の最中はちゃんと起きるんだね」



「おは、っておまえっ!」



 目を擦りながら起き上がった冬美の服は、重力に従い更にはだけた。ギリギリ見せちゃいけないところは見えていない。



「早く服直してっ! 見えてるからっ」



「ん〜? あ、ごめんね」



 冬美は起きたばかりのときはぼんやりしている。そのため綾人の指摘に恥じらうことなくゆっくりとした動作でパジャマを着直した。



「これでよしっと」



「冬美、次から別のパジャマ着てくれ」



「わかった」



 まだ寝ぼけまなこな冬美を軽く引いて、綾人はキッチンのテーブルに行き座らせる。そして、冷蔵庫から作り置きされていた食事をすべて出す。一応それぞれそれなりの量があるので一週間ぐらいは持ちそうだ。



「あ、顔洗うの忘れてた」



 と、言いながら椅子から立ち、ふらふらと洗面所に向かう。水の音がやみ、スッキリとした表情で戻ってきた冬美は水の冷たさのおかげで完全に眠気が覚めたようだ。



「これって工作してくれた人が準備してくれたのかな?」



「たぶん。 なるべく捜査の方に時間をかけてほしいみたいだね」



「一週間じゃなかなか時間ないもんね」



 食事の方も、一口サイズのものが多く柔らかい。早くお腹が満たされるように工夫したのだろう。


 綾人達はその意図を汲むべく、口に詰め込むようにして食事を終えた。食べる量もすぐ走ってもなにも問題がないように調整してある。



「それじゃ、行きますか」



「そうだね。 昼食は外で食べようね」



 冬美の手には、この世界特有の硬貨が握られていた。単位や文字、使っている言語は訓練のときに習ったので特に不便はない。どの世界に行っても適応できるように徹底的にしごかれている。とはいえずっといるわけではないから、最近の出来事や問題になっていること、流行っているものなども同時に学ばないと怪しまれる。潜入任務は、ターゲットを処理するだけではない。



「あ、あそこに人が集まってるよ!」



「ほんとだ」



 外に出て近くの街に行くと、さっそく人だかりができているところを見つけた。


 人だかりをかき分けて、近くによってみるとそこには掲示板があり、真ん中に真新しくてよく目立つ紙が貼ってあった。内容は殺人事件だった。



「被害者は鋭利な刃で首を切られていた……か」



「この世界にどんな刃物が売られているか一通り調べてみよっか」



「そうだな。 少し気になるし」



「傷口が見れたらなぁ」



 このあと、午前中ずっと手分けして刃物を見て回った。結果、首を切れそうなほど鋭いものは意外にもたくさんあった。


 この世界はどうやら一定数魔法が使えない者がいるらしい。そして、魔物退治が盛んだ。そのため武器や防具の種類が豊富でこれといった手がかりは見つけられなかった。


 二人は、朝に人だかりができていた場所に集合した。掲示板の前には、もう綾人達以外誰もいなかった。



「とりあえず、午後の動きはそこの食堂で決めよっか」



「そうだな。 ちょうどお腹空いてたし」



 徒歩一分のところになかなか人気のありそうな食堂がある。そこで情報交換も含め、休憩することにした。

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