表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/87

第87話 フローラは着る物を悩む

この作品はカクヨムに投稿した物です。


お店が空く時間なり、フローラは出かける準備をするが

着ていく服がなかなか決まりません。

お店が開く時間になりましたので、買い物へ行くことにします。

わたしは衣装ケースから外出用の服を取り出して着替えます。

日が山よりも高くなり、宿の部屋の中にも日光が入り暖かくなってきました。


「日が上がると、温かいですね」


寒いと思い、少し厚着をしましたが日が昇ると暑くなるかもしれません。

なので、羽織るものを減らすことにしますが、それだと少し寒く感じます。


「着るものが難しいですね」


わたしは部屋にある姿見に映る姿を見ながら悩みます。


(こういう時にアルニルがいましたら……)


アルニルならば、着るものを的確に選ぶことができます。

また、上着も気温に合わせて、いくつか用意してくれます。

その上着もアルニルが持ちますので、侍女の存在がとてもありがたいです。


(昨日の昼間は、薄手の上着を羽織れば良かったのですね……)


昨日は峠の上でも薄手の上着でちょうど良かったので、本日もこれでよいでしょう。


(ただ、この時間はまだ冷えていますね……)


わたしは中厚手の上着と薄手の上着を持って悩みます。

服装もアルニルが選んでいましたので、自分で選ぶのはこんなに悩むのですね。


(服装を選ぶのがこんなに難しいとは……)


わたしは用意されていた服を着ていたので、自分で選んだことはありませんでした。

なので、とても悩みます。


「なかなか決まりませんね……」


わたしは悩んでうーんと唸っていますと、ドアをノックする音が聞こえました。


「姫様、あたしは準備ができたけどまだかな」


ノックの主はトリシャ様でしたが、トリシャ様は準備ができてわたしの部屋に来ました。


「できてはいますが、少し悩んでいます」


わたしはドア越しにこう言います。


「買い物に行くだけだから、悩むことはないよ」


トリシャ様はこうおっしゃいます。


「少し悩んでいますが、廊下はまだ寒いと思いますので中にお入りください」


トリシャ様は薄着だと思いますので、まずは部屋の中に入ってもらいます。


「わかった、それじゃ失礼するよ」


トリシャ様はドアを開き、中に入り、わたしの姿を見ますと


「姫様、準備できてるじゃないか」


こうおっしゃいます。


「準備はできていますが、上着に悩んでいるのです」


わたしはトリシャ様にこう伝えます。


「そうなんだ。ただ、日が出てきたら暖かいから、そんなに厚着じゃなくてもいいんじゃないかな」


トリシャ様は厚着でなくても良いとおっしゃいます。


「日が出て暖かくはなりましたが、日が当たらない所はまだ冷えますので悩んでいます」


日が当たらない所はまだ冷えているので、どうしても決まりません。


「動けば暖かくなるよ。それに、あたしは姫様よりも薄着だから、早く行きたいんだ」


トリシャ様はこうおっしゃいますが、確かにそうですね。

トリシャ様の防寒着を買いに行くので、わたしが着るもので悩んでいてはいけませんね。


「そうですね、動けば暖かくなるはずです。なので薄手の上着にします」


わたしは冬の厚手の服とスカートに、薄手の上着を着ることにしました。


「それじゃ、行こうね」


トリシャ様は廊下に出ますが、買い物に行くのはトリシャ様とわたしだけなのでしょうか。

イザベラも買い物へ行くならば、すでに来ているはずなので、イザベラは行かないようです。


「トリシャ様、イザベラはいかないのですか?」


わたしはトリシャ様に尋ねます。


「イザベラはアルニルの様子を見ているから、あたしと姫様で行ってきてくださいって言ってたよ」


トリシャ様はこう答えます。


「そうでしたか。アルニルもまだ寝ていないといけないようですし、仕方がありませんね」


「イザベラがいた方がいいけど、仕方ないからね。それじゃ行こう」


トリシャ様もイザベラがいた方が良いとおっしゃいますが、仕方ありません。


「わかりました。あと、お金の方は大丈夫ですか?」


「お金も大丈夫だよ。これでも、お金はもってるんだからね」


トリシャ様はふふんと言って、自慢げに胸を張ります。


(なぜ自慢げなのかはわかりませんが、お金の心配はいらないようですね)


お金の心配は不要のようですが、この旅の資金はアルニルが管理しています。

なので、わたしの手持ちはまったくありません。

旅の資金はすべて王国から出ていますが、トリシャ様のお金は個人的なお金です。


 もちろん、トリシャ様やイザベラにも、旅で個人的に使えるお金も

王国から出てはいますが、トリシャ様もイザベラも個人のお金は持っています。

トリシャ様の防寒着代も、そのお金から支払っても良いのですが、アルニルの管理下なのでわたしであっても自由に持ち出すことができないのです。


「本来ならば、資金から出すべきですが、アルニルの管理下なのでわたしでも持ち出せません」


「姫様、別にいいよ。あたしのものだから、自分で出すよ」


トリシャ様はこのようにおっしゃいます。


「そうおっしゃるなら、わかりました。では、行きましょう」


「そうだね」


わたしとトリシャ様は階段を下ります。

宿の主にアトラ商店の場所を詳しく聞くと、宿を出て、アトラ商店へと向かうのでした。


お読みいただきありがとうございます。


フローラは自分で服を選ばないので、どうするか悩みますが

気温差がある時期なので、着るものはむずかしいですよね。

トリシャは他に着るものが無いのもあるものの、動けば暖かくると気にしていません。

フローラもそれに納得し、着る物を決めました。


ツイッター

@shiizu17

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ