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第86話 店についてたずねます

この作品はカクヨムに投稿した物です。


フローラは朝食を済ますと、宿の主に防寒具が買える店がないかたずねます。

わたしたちは食堂で朝食をいただきました。

朝食もとても美味しくいただき、朝から満足しました。


「ごちそうさまでした。とてもおいしかったです」


「ごちそうさまです、この宿はとても食事がおいしいです」


イザベラも満足していますが、トリシャ様は


「おかわりを頼むよ」


とおっしゃり、まだいただいています。


「トリシャ、朝からよく食べますね」


イザベラは呆れながらも感心しています。


「きのこのスープがとてもおいしいよ。あと、鳥の肉も美味しいし」


「エルフは肉を食べないと思いましたが、トリシャは肉が好きですね」


イザベラはエルフは肉を食べないのではと言います。


「今時、肉を食べないなんてかなりの年寄りと掟が厳しいところだけだよ。

あたしのように若いエルフやあたしの村では、普通に肉を食べてるってイザベラも知ってるでしょ」


トリシャ様はこうおっしゃいますが、


「もちろんです、知っていますよ。昔から、食べていますからね」


イザベラはもちろん知っていると言います。


「いまさら聞いてどうするの」


「ふと思っただけです。それより、宿の方に防寒着が買えるかを聞いてきます」


イザベラはこのように言いますと、席を立ちます。


「わたしもご一緒しますよ」


わたしもイザベラとともに、お店がないか聞くことにします。


「フローラ様のお手を煩わせるのも何ですが、ご一緒するとおっしゃいますならお願いします」


「わかりました」


わたしも席を立ちます。


「2人とも頼んだよ」


トリシャ様はおかわりしたきのこのスープを頂きながら、パンを口にしています。


「トリシャ、あなたのための防寒着を買うのですよ」


イザベラが呆れています。


「お店があるか聞いているだけでしょ。だから、あたしはここで待ってるよ」


トリシャ様はこうおっしゃり、動く気がありません。


「言っていることは間違っていませんので、構いませんよ。フローラ様、行きましょう」


「そうですね」


イザベラは呆れながらも、わたしとともに食堂を出て、カウンターへ向かいます。


 カウンターで宿の主に防寒具が買えないか尋ねます。


「もちろんございますよ。すでに寒くなっていますし、防寒具を持たない旅人も多いので、防寒着や防寒具の品ぞろえはよいですよ」


宿の主は防寒着や防寒具を持たない旅人も多いため、品ぞろえは良いと言います。


「ありがとうございます。では、お買い物に行ってきます」


わたしはお礼を言います。


「いえいえ、これぐらいたいしたことではございません。女性物はアトラ商店に売っております」


宿の主は、店の名前も教えてくださいました。


「アトラ商店ですね、わかりました」


「店はまだ開いていませんので、ごゆっくりしてください」


「ありがとうございます」


わたしは再びお礼を言い、頭を下げますとイザベラとともに食堂に戻ります。


「フローラ様、わたくしがお聞きしましたのに」


イザベラがこのように言いますが、宿の主にお店を聞いたのはわたしでした。


「いいじゃないですか、わたしだってお店を聞くぐらいはできますよ」


わたしがこう言いますと


「それはわかります。しかし、お姫様が何でもしてしまっては、従者の意味がありませんよ」


とイザベラが言います。


「それもわかっています。普段はアルニルが全てやりますので。

しかし、アルニルの調子が悪い時ぐらい、わたし自身がやってもよいではありませんか」


わたしは微笑みながらこのように言います。


「おっしゃっていることはわかりますが……」


イザベラもわたしの言っていることを理解しつつも、立場もあり考え込みます。


「イザベラ、この旅はあくまでもかつての仲間同士の旅ですよ。

なので、前世の時と同様だと思ってください」


わたしはイザベラを見ながらこのように言います。


「そうおっしゃるなら構いませんが、前世の旅とは馬車に乗り優雅な旅とは正反対でしたけどね」


イザベラはこう言って、微笑みます。


(確かに、ほとんどが徒歩でしたね)


前世の旅は馬車ではなく、徒歩でしたので、全行程を馬車に乗っての移動は

優雅な旅と言っても良いですかね。


「確かにですね。お姫様との旅ですから、優雅でないといけませんよ」


わたしはこう言って笑います。


「確かにですね。お話は変わりますが、お店はまだ開いていませんが、

トリシャはほっとくといつまでも食べていますので、回収しに行きましょう」


「そうですね」


わたしとイザベラは笑い合いながら、食堂に戻ってきました。


「2人ともおかえり、ちょうど食べ終わったよ」


食堂に戻ると、トリシャ様が満足した顔をしていました。


「もう食べ終わったのですか?」


イザベラはすこし皮肉を言います。


「2人が出ていく前に食べたので終わりにしたよ。それより、お店はあるの?」


トリシャ様はイザベラの皮肉を受け流します。


「ええ、あるそうですよ。品ぞろえも良いそうです」


「そうなんだ。こんな山の中なのにね」


トリシャ様は山の中なのにお店があることを、意外に思っています。


「山の中だからみたいですよ」


イザベラは宿の主の話を、トリシャ様に伝えます。


「なるほど。それじゃ、お店が開くまであたしは部屋でのんびりしてるよ」


トリシャ様はこうおっしゃると、席を立ちます。


「ごちそうさま、おいしかったよ」


トリシャ様は食堂の方にこう言いますと、食堂を出ていきます。


「ありがとうございます、エルフ様の口にも合って嬉しいですよ」


食堂の方は嬉しそうに言いますが、わたしたちもお礼を言って食堂をあとにしたのでした。

お読みいただきありがとうございます。


山中の宿場町ですが、峠越えの主要な拠点になっています。

さらにファーガス地方へ行く最短ルートなので、通行量はさほど多くなくても

峠越えの少ない街ですので、店は揃っています。


さらに平地より寒いので、防寒装備がない旅人のために品揃えは良いです。


ツイッター

@shiizu17

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