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第82話 イザベラがフローラの部屋に来る

この作品はカクヨムに投稿羽したものです。


翌朝、フローラは目を覚めるが、寒さでベッドがから出れずにいる。

すると、ドアをノックする音が聞こえ、イザベラの声がする。

翌朝、目を覚ましましたが、朝も冷え込んでおり窓が曇っています。

ベッドに掛けるものは冬物でしたので、寝ていて寒いことはありませんでした。

ただ、ベッドの外は寒く、このまま寝ていたい気分です。


(アルニルの様子を見るので……起きないといけませんね)


わたしはこう思いますが、やはり出る気がしません。


 わたしがベッドを出るのを渋っていますと、ドアをノックする音が聞こえて、


「おはようございます、フローラ様。イザベラです」


とイザベラの声がしました。


「おはようございます。起きていますので、良いですよ」


「では、失礼いたします」


イザベラがドアを開け、部屋の中に入ります。


「おはようございます」


わたしはイザベラに改めて挨拶をします。


「おはようございます。夜から冷え込みましたが、朝も寒いですね」


イザベラもこう言いますが、イザベラはわたしよりも薄い寝間着です。


「そうですね。しかし、イザベラはわたしよりも薄着ですね」


「冬用のものも用意してありますが、食事を終え、アルニルの様子をうかがい、

眠りましたので着替える暇がなかっただけです」


イザベラは微笑みますが、それでも窓が全て曇り、廊下から部屋よりさらに冷たい空気が入ってきています。


「そうでありましても、平気なのは感心します」


わたしはベッドから出られませんので、わたしより薄着で部屋を訪ねたイザベラに感心します。


「一応、聖職者ですからね。修行でこれぐらい平気です……

と言いたいですが、寒いものは寒いです。なので、ドアを閉めます」


イザベラも寒いものは寒いと言って、ドアを閉めます。


「イザベラの用件は何ですか?」


わたしはイザベラに尋ねます。


「アルニルが起きましたので、フローラ様をお呼びに来ました」


「わかりました。実はアルニルとイザベラの部屋を

確認していませんでしたので、助かりました」


わたしは部屋がわかりませんので、イザベラが来て良かったです。


「そうでしたか。部屋はご案内しますが、お着替えはどうしますか?」


イザベラは着替えをどうするか、尋ねます。


「着替えは自分でできますよ。昨晩も自分でできましたし」


わたしはこう答えます。


「そうではなく、わたくしは廊下にいた方が良いかという意味ですよ」


着替えができるかという意味ではなく、着替えを見ない方が良いのかという意味でした。


「別に部屋にいても構いませんよ。着替えはアルニルたち侍女がおこなっていますので、

見られること自体は慣れていますから」


服の着替えは、侍女たちが行っていますので、下着姿などを見られるのは問題ありません。


「そうなのですね、しかし、王女様は、着替えも侍女にやってもらい大変ですね」


イザベラは、着替えをやってもらって大変だと言います。


「確かに、自分で着替える方が楽ではあります。

ただ、自分では着られない衣装なので、侍女が行うのですよ」


王女の衣装は、自分だけでは着られない衣装です。

公務や公式な場では、コルセットをし、パニエを穿き、長いスカートを穿きます。

コルセットはきつく締めつけますから大変ですと、イザベラに説明しました。


「公式な衣装は大変ですね」


「はい、身体を締め付けますから、きついですよ。なので、コルセット等をつけないこの旅は楽です」


わたしはこう言いながら、寝間着を脱いで着替えます。

今回の旅は、コルセットをつけず、下着と肌着だけなので締め付けられなくて良いです。


「そうですか。しかし、意外と着替えが手慣れていますね」


着替えが終わりますと、イザベラがこう言います。

イザベラは、わたしが着替えが手慣れていることが意外なようです。


「意外そうですね。学院では剣術の実技や運動がありますので、

着替えは王女とはいえ、自分で行うのですよ」


学院では、侍女は同行せず、自分の身の回りのことは自分でするのです。


「そういうことですか。王女様は、身の回りのことを侍女に任せきりかと思いましたよ」


「城ではそうですが、城の外では違いますよ」


イザベラは城では侍女に任せていると言いますが、外では自分でするのです。


「平民は王女様のことは侍女がやると思っていますからね」


イザベラはこう言って、笑います。


(確かにそうかもしれませんね)


平民からしましたら、王族は身の回りの事が出来ないと思っているようです。

ただ、そう思うのは仕方がないですかね。


「そう思っても、間違いでもありません。アルニルがいるありがたみが、わかりましたからね」


わたしは笑顔で言います。


「そうでしたか。お着替えになりましたし、アルニルの顔を見に行きましょう」


「そうですね」


わたしとイザベラは笑い合いますと、アルニルとイザベラの部屋に行きます。


 部屋に行き、ドアを閉めますと、アルニルがベッドで身を起こしています。

しかし、その表情は不満げです。


「アルニル、おはようございます。熱が下がったと聞きましたが、

表情は元気になっていませんね」


わたしはアルニルの表情を見て、微笑みながらこのように言います。


「おはようございます、フローラ様。ご心配をかけてすみません。

熱はすぐに下がりましたが、イザベラからここに2、3日留まるそうですね。

なので、元気な表情をする訳にはいきません」


不満そうではありますが、イザベラから話を聞き、従うことにしたようです。


「主の提案を受け入れるとは、さすが優秀な侍女ですね」


わたしはこう言って、アルニルの頭を撫でます。


「フローラ様、わたしの方が年上ですよ」


アルニルはこう言いますが、不満げな顔から、照れた表情に変わっています。


「年上であっても、わたしは主ですから。それに、顔が赤くなっていますよ。

熱がぶり返したのですか?」


赤くなったアルニルの顔を見て、こうからかいます。


「ぶり返していませんし、意地悪はやめてください」


アルニルは照れながら、こう言いますので、これぐらいにしておきます。


「お二人を見ていますと、楽しいですね。

アルニルは回復しましたが、この冷え込みでまた体調を崩すといけませんね。

なので、ベッドでゆっくりしてください。それに……もう1人アルニルが気になる方がいますしね」


イザベラはふふふと笑いながら言いますが、そのもう1人はトリシャ様のことです。

トリシャ様もアルニルに謝りたいとおっしゃっていましたが、

イザベラがこう言うと同時に、ドアをノックする音がしたのでした。

お読みいただきありがとうございます。


季節は10月の終わりぐらいで、宿場町は山岳地帯の標高1500mの山中となっています。

山頂は雪が降っているので、朝はかなりの冷え込みです。


イザベラは、フローラがすべてをアルニルたち侍女に任せていると思っているので

自分で身の回りのことをするのは意外と思っています。


アルニルは今回は素直に言う事を聞きましたが、仕方なくです。

あと、平地と比べて寒さもあるので、アルニル自身も無理をしないよにしています。


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@shiizu17

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