第74話 フローラはエモリーをからかう
この作品はカクヨムに投稿した物です。
フローラは役人たちが大勢いて、不機嫌になっているアランをからかってみたくなりました。
わたしはエモリーの元へ所へ行きますと
「これだけ役人が居ますと、居心地が悪いでよね」
とからかいつつ、微笑みます。
すると、エモリーは
「お、俺に気付いてなければいいだよ……」
と言うと、顔を赤くして、わたしから顔をそむけます。
エモリーは最初にわたしの顔を見た時よりも、わたしを顔を
見る事が出来るようになりました。
しかし、こうやって2人でお話をする事もありませんし、
わたしから話しかける事もありません。
なので、エモリーは思いかけず、わたしに話しかけて照れています。
「相変わらずの反応ですね」
と言って、わたくしはさらに微笑みます。
「賊が姫様と話す事なんてないから、戸惑ってるんだよ」
と言い返します。
「そうですが、この旅に勝手について来たのは、エモリーですよね?」
わたしがこう言いますと
「うるさいな、1か月以上一緒に居て、いまさら何を……」
とぶつぶつ言います。
「フローラ様!何をしてるのですか!」
突然、アランの声がしまたが、アランは慌てた様子で、わたしとエモリーの間に入ります。
「こいつに何かされませんでしか!」
アランはわたしにこういいますが
「されたのでなく、わたしがしてました」
と言って、「ふふふ」と笑います。
これを聞いたアランは
「どういう……事ですか?」
と言って、戸惑っています。
「まったく、騎士様とあろうことが、姫様のお言葉わからないのか。
言葉の意味、そのままだよ」
と、エモリーは呆れたように言います。
「黙れ!エモリー!言葉の意味ぐらいはわかっている!」
「それじゃなんだよ」
「何故、フローラ様がそのような事をしたの、と聞いたのだ!」
アランはエモリーの方を向いて言いるので、表情は見えませんが
声の調子と、髪の間から見える耳が赤くなっているので、怒っているようですね。
「すまん、すまん、さすが騎士様、わかっておりましたか」
エモリーはアランをバカにする口調で言います。
「今、役人たちが集まっているから、お前も山賊たちと一緒に
連行してもらってもいいんだぞ」
とアランが今度は冷静に返します。
「たくっ、わかったよ。言っとくが、姫様から俺に話しかけたのだぞ」
エモリーも、さすがに役人が大勢いる所で、
アランに逆らう事はせず、素直になりました。
「それより、フローラ様。なぜ、エモリーに話しかけたのですか……」
アランは、私の方を向いて、『なにをなさっているんですか』と
言いたげな表情で、わたしに聞きます。
「役人たちをみて、エモリーが居心地が悪そうだったので、少しからかいました」
わたしはアランにも、微笑みます。
するとアランは
「なにをなさっているのですか……」
と、わたしが思った事を口にしました。
「なんとなくですよ。わたしは第1王女ですが、17歳の乙女ですよ」
こういって、今度は笑います。
するとアランは
「そうでしたね。ただ、フローラ様、そのような事をなさいますと、
エモリーが誤解しますから、お気を付け江下さい」
と言ってわたしを注意しますが、わたしが17歳の乙女と言う事も認めてくれました。
「誤解ってなんだよ」
エモリーがこう言いますと
「フローラ様が、お前に気があると誤解するって事だ」
と返します。
「な、な、な、何をバカな事を!」
エモリーは明らかに慌てて、大きな声を出します。
そして、照れて、顔を赤くしているのをみて、わたしはまた微笑みます。
「エモリー、あまり大きな声を出すと、役人が来るぞ」
アランがこう言いますが、日ごろ、エモリーにちょっかいを出されてるので
本日はここぞとばかりに、仕返しをしているようです。
「く、そ、そうだな……」
エモリーは役人たちがまだいますので、素直に引き下がりますが
顔は明らかに悔しそうにしています。
「大丈夫です、そもそもエモリーにも、アランにもそのような感情はございません」
わたしがこう言いますと
「もちろんです、フローラ様。私にそのような物はありません」
と騎士らしく答えるアラン。
対してエモリーは
「そ、そうだよな。俺みたく……な……賊に……お姫様が……ははは……」
と、何を言いたかわからりません。
それに、なにか気が抜け顔をしています。
「アラン、エモリーはどうしたのですか?」
わたしはアランに聞きます。
「フローラ様、エモリーのためにこれ以上はおやめになってください」
と言いますが、わたしにはよくわかりません。
「何故ですか?」
とさらに聞き返します。
「これは男として尊厳の問題です。なので、これ以上……これ以上は……
どうか、どうか、おやめになってください!」
アランが今まで見た事ないぐらいの角度で、頭を下げますので、余程の事でしょう。
よくわまりあせんが、アランがここまですると事は余程の事でしょう。
なので、アランの言うとおり、これ以上はやめておきます。
「わかりました、もうやめます」
「ありがとうございます」
アランはさらに、深々と頭を下げますが……わたしは男性の事をはまだ理解が出来ません。
アランが深々と頭を下げていますと
「姫様、イザベラがアルニルを連れて、もうすぐ戻ってくって言ってるよ」
とトリシャ様がわたしに、こうおっしゃります。
「そうですか、なかなか戻ってこなので、心配でしたが、無事だったのですね」
「一応はね」
トリシャ様が一応と追いますので、
「大きな怪我でもしたのですか!?」
と、わたしは少し取り乱しますが
「大丈夫、怪我はしてない。ただ、急に疲れが出たのか、熱がでたらしいよ」
とおっしゃりましたので、ひとまずは安心しました。
ですが、ここにきて熱が出た事は、やはり心配になるのでした。
お読みいただきありがとうございます。
フローラが年相応の事を女の子らしい所をだしました。
たまにはこう言う所を見せてもよいかなぁっと。
エモリーはフローラの言葉にやられていましたが、アランもそれを察しとめたました。
普段はちょっかいを出されていても、男同士なのでこの点はわかりあっています。
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@shiizu17