第66話 アルニルは射手を倒す その1
この作品はカクヨムに投稿した物です。
アルニルはトリシャに援護を頼み、木の上に居る射手を倒しに行きます。
わたしは精霊を使い、トリシャに援護を頼みます。
「トリシャ、今から射手を倒すので援護をお願いします」
『わかったよ。で、どうするの?』
「手前から順番に倒していきますので、他の2人が矢を射れないようにお願いします」
『わかった。それじゃ、魔法を沢山放つよ♪』
トリシャは嬉しそうに言いますが、防御の魔石がどれぐらいもつかわかりませんが
トリシャの魔法で仕留めてくれればそれはそれで楽ですね。
わたしが援護を頼むと、大量の小石の塊が飛んできますが攻撃の魔法でなく
石を飛ばして物理的に攻撃をしているようです。
飛んでいた石は防御の魔石で防げないようで、木の上から
「ぐあ」とか「痛てえよ!」といった声が聞こえてきます。
「やはり物理的な防御はできないのですね」
わたしはこうつぶやきますが、さらに声によって山賊がいる場所が
わかりましたのでわたしも山賊を倒しに行きますか。
「では、わたしは倒しに行ってきますのでお待ちくださいね」
「ああ、わかった」
「頼むぞ、姉ちゃん」
「あなたたちも余計な事をしないでくださいね」
「俺たちは何も出来ないから、大人しくしておく」
「そうですが、わかりました」
わたしは何もしないと思いますが、念のためにくぎを刺しておきます。
剣を手にすると一度大きく息をします。
そして、射手がいるもっとも手前の木の方向を見ますと、わたしは木に向かって走っていきます。
トリシャのおかげで矢は射られませんが、射手がいるのはそれなりの高さです。
わたしは木にぼれない事はありませんが、高く太い木なので簡単には登れません。
ただ、簡単に登れないだけで、登ること自体は出来ます。
トリシャが攻撃をしている間は攻撃される事もありませんので慌てる事はありませんし。
わたしは1人目の射手が射る木に着きましたが、小石がパラパラ落ちてきますが
「くそ、目が開けれないから矢射れない!」
と言う声も聞こえてきます。
わたしは木の後ろ側に回り、木の節を使い木に登っていきます。
トリシャの飛ばした小石が後ろにも飛んできていますが、正面よりはマシです。
木や射手に当たって勢いがかなりそがれていても、上から落ちてくるとそれなりに痛いです。
痛いですが、これぐらいなら気にする事はありません。
ただ、小石なので上を向くと目に当たりそうなので上を向く事が出来ませんが。
わたしは枝がつかめる高さまで来ると、今度は枝を使って登りますが
射手は思ったよりも高い位置に居ますね。
枝を登る時、揺れて葉音がしますが射手は声を出していて気づいていません。
わたしは射手がいる枝のすぐ下まできますと
「トリシャ、わたしがいる木がわかりますか?」
と小声で精霊に話しかけます。
『わかるよ。アルニルの反応は独自だから』
と言いますか、どう独自かは気になりますが今は良いでしょう。
「それではわたしがいる木に小石を飛ばすのを止めてください」
『わかったよ』
トリシャの返事は少し残念そうですが、飛んでくる小石は意外と痛いんです。
それにかなりの速さで飛んで来る小石は小さくても、死ぬまでは行かなくても
目に当たれば危険でし、あざになる事があります。
前世でトリシャがファーガスと喧嘩して、トリシャが今回みたく
小石の塊をファーガスに飛ばした事がありましたが、ファーガスの
小石が当たった後を見ましたら、皮膚の下で内出血になっていました。
それがほぼ全身で起こっていましたが
『危ないから顔ははずしたよ』
とトリシャは怒りながら言っていましたが、顔は危ないと抑えられる
理性は一応残っていたようです。
そして、喧嘩の理由は野営した時の食事で最後に残っていた肉を
ファーガスとトリシャが取り合いをした事ですが、ファーガスはともかく
トリシャも結構大人げないですね。
わたしはそんな事を思い出しながら、剣を抜きトリシャが小石を飛ばすのを
止めると同時、わたしは射手がいる枝に飛びつきます。
わたしは枝をつかみぶら下がりますと、最後に飛ばした小石がパラパラと落ちてきますが
これにより射手も隙だらけで、わたしに気付いていません。
わたしはその隙に枝に登りますと、射手の背中に回り
「大人しくしてください。抵抗しますと喉を斬りますよ」
と喉元に剣を当てます。
「わ、わかった、抵抗しはない」
「それでは弓と矢を木の下に落としてください」
「わ、わかった……」
射手は観念して弓と矢を木の下に落とします。
弓のサイズは大きいので、ロングボウだった様ですがよく気に上から射れますね。
「聞きたい事がありますがよいですか」
わたしは喉元に剣を当てながら射手に尋ねます。
「な、なんだ」
「魔法が防がれましたが、防御の魔石を持っているのですか?」
わたしが聞きますと
「ああ、持っている」
と素直に答えました。
「そうですが。どうやって入手したか詳しく聞きたいのですが今はそんな暇はありませので」
まだ2人残っていますので、詳しく聞く時間はありませんので。
あと、射手は何人いるか正確な人数を知りたいのでこれも聞いてみます。
「射手はあなたを含めて全部で何人ですか?」
わたしが聞きますと
「俺を入れて……3人だ……」
と答えましたが、3人でよいのですね。
ただ、嘘をついている可能性もありますので
「本当に3人ですが?」
と剣を皮膚に当てますと
「ほ、本当だ!た、頼むから殺さないでくれ!」
と命乞いをしてきますが、もちろん殺す気はありません。
ありませんが、先程仲間を矢で射ったので
「わかりました。魔石はわたしに渡してください」
と言います。
「わ、わかった……」
射手は素直に防御の魔石をわたしに手渡します。
「トリシャ、防御の魔石はわたしが預かりましたのでお願いします」
『わかったよ♪』
トリシャの嬉しそうな声が帰ってきますと、それと同時に雷撃の魔法が
飛んで来て射手に命中すると「ぐわぁ!」と言う声と共に木が落ちます。
落ちますが、地面に落ちる前に風が吹きますがトリシャは
風の魔法で落下の衝撃を小さく様です。
この高さから落ちますと、大怪我するの衝撃を小さくするのは良いのですが
わたしも風でバランスを崩し、枝から落ちそうになりましたが
咄嗟に枝をつかみ落ちる事はありませんでしたが危なかったです。
「トリシャ、わたしも木がから落ちそうでしたよ」
わたしはトリシャに言いますが
『その高さから落ちたら、死ななくてもかなりのお怪我をするでしょ。
だから仕方がないよ』
と悪ぶれる事もなく返しますが、トリシャは昔からこうですから良いしょう。
落ちた山賊は後から回収する事にして、わたしは木が降りて2人目の射手を倒しに行くのでした。
お読みいただきありがとうございます。
防御の魔法は物理は防御できませんので、魔法で飛んで来た小石は防御できませんのでかなり有効です。
難点としてはアルニルにも小石が飛んでくる事ではりますが、少しだけだなので問題はありません。
まずは1人目を倒したので、2人目を倒しに行きます。
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