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第51話 峠の山賊の話

この作品はカクヨムに投稿した物です。


アルテイルは峠に出没する山賊の事をフローラに話しますが

アルテイルの言う事がよくわからず、フローラは少し混乱します。

アルテイル様が王族や貴族だけを襲おう山賊のお話をしますが

わたしはそのようなお話はアルニルからも聞いておりませんので本当にいるのでしょうか。

しかし、アルテイル様がこうおっしゃるならば、いるという事でしょう。


「そのような山賊がいる事はアルニルからも聞いていませんよ」

『そうなんだ~だって~いないけどいるからね~』

「それはいるのですか?いないのですか?」

『両方だよ~いるけど~いないよ~』

「?」


アルテイル様が何をおっしゃているかわからりませんので、わたしは混乱します。


『こら、駄女神!酔ってるからって訳のわからないことをいうな!』

『酔ってるけど、事実だからしょうがないじゃない!』

『いるのか、いないのか、はっきりしろ』

『いるけど、いないんだから、こうとしかいえないの!』

『酒の飲み過ぎで......ついに頭がおかしくなったのか……』

『ちがうもん!』


アルテイル様とファーガスの姿は見る事ができませんが、どんな状況かは何となく想像できます。


『いるのに、いないとか、どう考えてもおかしいだろ』

『だって、普段はいないんだもん!王族と貴族が峠を通る時だけ、いるんだもん!』

『ああ、そういうことか。だったら最初からそう言えよ』


アルテイル様は普段はいないが、王族や貴族が峠を通る時だけ出没すると言いたかったのですね。


「アルテイル様、わかりました」

『さすが、フローラ!どこぞの脳筋元勇者とかちがうよね~』

『だまれ!駄女神!女神だったらもっとわかりやすく言え!』

『なにお~!』


アルテイル様とファーガスはまた言い合いになりましたが、これでは話しがつづかないので

わたしはお2人をすこしきつめに注意をしましたら、2人は言い合いをやめました。


『やっぱり、姫さんは怖いわ……』

『そうだね……』

「アルテイル様、その山賊の事を詳しくお聞かせください」

『うん、わかった』


アルテイル様はその山賊についてお話をしますが、普段は姿を見せず

一般の旅人や商人は襲いませんが、王族や貴族が峠を通る時にだけ出没するそうです。

しかし、そのような事がありましたら、アルニルも知っているはずですし

王族や貴族が襲われましたら、大騒ぎになるはずです。

アルテイル様のお話を信じない訳ではありませんが、宿の主人でさえ何も言いませんのでどうしても疑ってしまいます。


「お話はわかりましたが......王族や貴族が襲われましたら騒ぎになりますので

アルニルはもちろん、王都にまで知られると思いますがまったくお話を聞きませんよ」

『それはね、最近出没するようになったからだよ~。

ただ、元々は山賊では無くて盗賊で、王族や貴族の屋敷からいろいろ盗んでたんだよね~』

「そのお話は聞いた事がありますね」


3年ほど前から王族や貴族の屋敷を襲う盗賊がいましたが、半年ほど前に追い詰めましたが

あと一歩の所で取り逃がした事がありますた。

しかし、それ以来、盗賊は出没しなくなりましたが、山賊に鞍替えをしたのですね。


「半年ほど前に取り逃がしたのですが、山賊になったのですね」

『そうだよ~王族はまだ襲われてないけど、貴族は何度か襲われてるんだよね~』

「そうでしか。しかし、貴族が襲われたのならば、やはり何かしらのお話が聞こえてくるとは思いますが」

『襲われた貴族はね~特に何も盗まれてまれてないんだよね~』

「そうでしたか」

『それに~貴族自体、この辺りの峠は通らないからね~被害もなかったし、話が伝わってないんだよね~』


元々峠を通る貴族が少なく、被害が無かったので王都までは無しが伝わってなかったようです。


「それならば、王族や貴族を専門の襲う意味はないような気がしますが」

『そうだけど、わたしは上から見てるだけだからね~だから理由はわからないよ~』

「そうでしたか。しかし、アルテイル様がご存じという事は、アルテイル様はご覧になってたということですよね?」


わたしがアルテイル様にこう言いますと


『え~と、暇だし、山賊は山賊だからフローラたちも襲われるかも~って思って、監視をしてってことにしてるよ!』

「はぁ……」

『確かに、まだ襲われたのは2度だけだど、以前取り逃がした盗賊が山賊に転身したわけだし

こうして暇だからフローラとお話できる口実にもなったから、問題ないよね~』


アルテイル様は本音をはっきりおっしゃっていますが、アルニルも知らないお話を

聞く事が出来ましたので問題はりません。

それに、わたしもまだ早い時間なので、眠る事ができませんのでアルテイル様とのお話はちょうど良かったです。


「はい、問題はございません」

『ならよかったよ~』

『本音がただ漏れだっか、姫さんがいいなら別にいいか』


ファーガスは言いたい事があるようですが、わたしが良いなら良しとしたみたいです。


『さて......あたしは眠くなったから寝るよ~』

「わたしもお話をしましたら、眠くなってまいりましたので......ベッドに入ろうかと思います」

『それじゃ......おやすみ......』

「はい、おやすみなさい」


わたしはアルテイル様とのお話を終えようとしましたが


『おい、駄女神!寝るなら自分の部屋で寝ろ!』

『もう……何度も同じベッドで寝てるんだから……いいでしょ......』

『それはお前が俺のベッドを占領するからだろ!』

『う~ん、むにゃむにゃ……』

『おい、寝るな!駄女神!』


と言う会話が聞こえてきましたが、切り忘れているようですね。

なので、わたしは魔石の通信を切ると、ベッドに入りましたが

アルテイル様にお聞きした事は、翌朝にアルニルたちに話す事にしましょう。

お読みいただきありがとうございます。


アルテイルの言い方もわかりにくいですが、酔っぱらっているのもあります。

ただ、アルテイルは元々説明がうまくないのもありますが。


アルニルが王族と貴族を襲う山賊の事を知らないのは、王都までその話が伝わっていないからです。

元々貴族がファーガス地方へ行く事が少ないのもあり、被害もなかったためです。


ツイッター

@shiizu17

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