第41話 旅立ちの前日
この作品はカクヨムに投稿した物です。
出発前日になりましたが、フローラとアルニルは前世の頃の話をします。
アランの訓練を見てますが、旅の準備ももちろんしています。
と言いましても、わたし自身がする事はないですが。
そして、気づいたら早くも旅たちの前日になりました。
「早いもので明日出発ですね」
「フローラ様は何もしていませんでしたが」
「それは言わないでください」
「冗談ですよ。フローラ様のお手を煩わす訳にはいきませんので」
アルニルは意地悪く笑っていますが、すべての準備をしてもらいました。
「アルニルいつも意地悪ですね」
「意地悪と言う訳ではありませんが、前世では振り回されましたからね」
「確かに、ファーガスは考え無しでしたが、それを言ったらトリシャ様も自由奔放でしたよ」
「確かに、トリシャも自由でしたが、大体のトラブルはファーガスが原因でしたが」
「そうでしたが……」
過去の事を思い出しますと……作戦も何もなく、ファーガスは魔族が居たら
そのまま突っ込んで行き、その後を追いかけるというのがお決まりでした。
「もっとも昔のお話ですし、今は剣を振る事も出来ませんからね」
「王女が脳筋では困りますから」
「確かにそうですが、かと言って剣を振る事も出来ないも問題です」
文武両道を家訓としていますので、学問が出来ても剣も振れないとなりません。
お父様はわたしが剣を振れない事をわかっていますが、それでも無理やり教える事は
しませし何もおっしゃらないです。
諦めているのかもしれませんが、無理やりしても駄目なこともわかっているのでしょう。
「国王陛下も特になにもおっしゃりませんし、以前と比べて構えをできるようにはなりましたね」
「確かに、以前は構える事すらできませんでしが、構える姿が美しいだけでは意味がありません」
「そうですが、剣を振れないのは多分ですが、ファーガスの知識があるのが原因ではないのですか」
アルニルがこう言いますが、もしかしましたらそれが原因かもしれません。
わたしはファーガスの事を思い出すまで、剣術の知識がなぜかあり教える事が出来ました。
もしかしましたら、無意識にファーガスの剣術をしようとして身体が追い付ていなかったかもしれせん。
「それはあると思います。ファーガスの記憶が戻った時、真似をしようとしましたが大失敗をしましたので」
「そんな事もありましたね。それが原因ならば、フローラ様として剣術を覚えるのはいかでしょうか」
アルニルはこう提案しますが、わたしとしてですか。
言っている意味は何となく分かりますが、わたしとして剣術を覚えるのはどのようにするのでしょう。
「わたしとしてとはどのようにですか?」
「そうですね、ファーガスとしてでなくフローラ様として身体の使い方覚えるのです」
「わたしとしてですか?」
「そうです。まずは男性と女性とは筋力が違います。
多分ですが、フローラ様はファーガスの筋力が前提で身体を動かしているのでしょう」
「確かに、性別が違う時点で筋力が違いますね」
「そうです。わたしも実はこの身体で剣を振るのは大変でした。
前世では女性ぽいと言われましたが、男性だけあって力はちゃんとありました。
初めて剣を持った時、前世では軽々もてた剣も重かったですからね」
「アルニルもですか」
「はい。しかも、前世の癖も残っていたので、それを直すのかなりの苦労をしましたが
女性でも鍛えれば筋力は付きますし、今の身体は身軽でしなやかなので身動きは良いのです」
「以前もそう言ってましたね」
アルニルが言いたい事は、今の身体に合わせた鍛錬の仕方があるという事なのでしょう。
ただ、ファーガスの癖が抜けるのかはわかりませんが。
「ファーガスの癖を直せばよいのかもしれませんが、どのような癖でしょうね」
「ファーガスの癖は基本的に力任せですからね。元々独学と言いますか、我流で剣を振っていましたからね」
「確かに我流で、ちゃんとした修業はしていませんね」
「ファーガスは実践で覚えていきましたからね。ただ、フローラ様は基礎をちゃんと習っていますので、多分身体の使い方だと思います」
「そうだと思いますが、無意味に力が入っているとよく言われますね。
それを直そうとは何度もしましたが、上手くいきません」
「多分ですが、それがファーガスの癖なんでしょう。最初から最後まで力任せでしたからね」
アルニルが言う通り、ファーガスの剣の基本力まかせでしたかららね。
なので、無意識にわたしもそうなっているのでしょう。
ただ、何年経ってもその癖がなおらないので、もうなおらない気もしますが。
「しかし、もうならない気もしますが……」
「まだまだ何とかなりますよ。かなり時間はかかりますが、旅の最中に少しずつやっていきましょう」
「そうですね」
わたしは旅の最中に自分の剣を覚えるようにします。
「では、そろそろお休みの時間ですので、わたしはこれで失礼いたします」
「そうですね、明日ははやいですからね。おやすみなさい」
アルニルは頭を下げ部屋を出ていきましたが、明日はついに旅たちとなりますが
わたしはベッドに入っても眠る事が出来るかわかりませんでしたが、気づいたら眠りについていました。
お読みいただきありがとうございます。
何気ないフローラとアルニルの会話ですが、アルニルは侍女ではありますが
中までもありますので、2人の時はあまり立場を気にしていませんが
一応は侍女としてわきまえてはいます。
フローラがこの先剣で戦えるかは、まだわかりませんが一つのヒントにはなりました。
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@shiizu17