第35話トリシャは城に戻る
この作品はカクヨムに投稿した物です。
馬車で迎えに来もらい、トリシャは城に戻ります。
そして、馬車の中でファーガスが使った装備についての話をします。
「トリシャ様、お待たせしました」
馬車からは姫様が降りて来たけど、中にはアルニルとイザベラもいる。
「迎えに来るのが遅いよ」
「すみません、馬車を出すにも準備がありましたので」
「馬車を出すのも手間がかかるのですよ」
「それじゃ、仕方が無いか。早く帰ろう」
あたしは馬車に乗り込むと、馬車は城へと向かう。
「珍しく、トリシャが素直ですね」
「イザベラと別れたあたしが悪いから」
「本当にどうかしましたか?」
イザベラは心配そうにして、おでこに手を当てる。
「熱はないですね」
「だから、何でもないよ」
「それならよいですが。ところで、少し料理の香りがしますね」
イザベラはあたしの匂いを嗅ぐけど、そんなに臭うのかな?
「そんなに臭うのかな?」
「いえ、かすかにですが、焼いた肉やスープの香りがしています」
「そうなんだ、よくわかるね」
「鼻は少し人よいですので」
「お腹が空いたから、ちょっとお店に入って食べたんだ」
あたしはあの店の話をすると、姫様は
「そのお店はわたしもお父様と共にお忍びで行った事があるのですが
トリシャ様も行かれたのですね」
と言うけど、そういえば母親も王族が来てると言ってた。
「そういえば、そんな事言ってたよ」
「あの店は歴史がありあますし、美味しいですからね」
「確かに美味しい」
「話は変わりますが、次の旅先が決まりましたのお話ておきます」
「そうなんだ」
姫様は次の旅に関して話すが、次はファーガス地方へいくそうだ。
そして、ファーガスが使っていた武具もちゃんと残っているそうだ。
「あれはまだ残ってるんだ」
「アルテイル様が言うにはそのようです」
「あれはアルテイルが半ば強引に授けたものだけどね」
「そうなんですか?」
「勇者は神様から授かった武具で魔王を倒すのが定番だからといって
別にいらないと言うファーガスを無視して、強引に置いて行ったんだ。
だから、ファーガスも仕方なく使ったけど、神様が武具だけあって
軽くて魔法も物理も関係なく防ぐし、いくら切っても剣は刃こぼれしないから
ファーガスも結局は喜んでたけどね」
「そうだったんですね。......確かに、あの装備というよりも体の一部の様でした」
姫様は記憶をたどってるけど、ファーガスの記憶と自分の記憶があるってどんな感じなんだろう。
「姫様、自分とファーガスの記憶があるってどんな感じなの?」
「どんな感じと言いしましても......自分の思い出や知識みたいものですね」
「違和感とかないの?」
「違和感はありません。ただ……いろいろと恥ずかしいこともありますので……」
「そうだね。人に言えない事も多いしね」
「ええ……そうですね。ただ、頭が混乱したり、人格が変わるとかは無いですよ」
「そうなんだ」
ファーガスの記憶があるからって、性格がファーガスみたくなったりはしないんだ。
あと、違和感とかもないようだから、姫様に与える影響はないみたい。
「ただ、残念なのがファーガスの剣技を再現できない事でしょうか」
「姫様も戦いたいの?」
「そうですね、一応は勇者の生まれ変わりですから、戦えたら戦いたいです。
しかし、わたしは剣の基本させ無理ですし、学院の試験ですらおまけで合格に
させせてもらっているほど、剣や戦いに関してまったくです」
姫様はため息をつくけど、姫様は無理して戦う事はないとはお思うけどな。
「姫様が無理して戦って、何かあったら大変じゃないかな」
「確かに、それはありますね……」
「それに、あたしたちがいるから姫様は無理やり戦う事も無いかな」
「そうですけど……それでマオを倒せますか?」
「マオも戦う事は嫌だからね。だから、今度は姫様がちゃんと話し合えばいいんじゃないかな」
「そうですかね」
「ファーガスは気が短く、脳筋だったからはしつこいマオに起って首を落としたけど
姫様ならば、きっと話合えるよ」
「そ、そうだと良いですが......あのマオを見ましたら、わたしでも耐えれないかもしれません」
姫様はマオを倒した時の様子を思い出したようだけど......あれは色々と見苦しいし
あたしだってしつこいって思ったぐらいだかね。
「でも、ファーガスの言い方も悪かったから、姫様ならば優しくできるよ」
「そうでしょうか」
「マオも基本的に戦う意思は無いし、悪さをしなければ引きこもっているだけだよ」
「そうれもそうすですが......」
姫様は考え込むが、急に馬車が止まった。
「どうやら、城に着きましたね」
「話してたらすぐだった」
「しかし、トリシャがここまで話すなんて珍しい」
アルニルがそういうけど、なんか姫様と話しが盛り上がった。
「ファーガスの事についてだったから、話が盛り上がったんだよ」
「確かに、ファーガスの話題は尽きませんからね」
「そうですね。しかし、フローラ様がファーガスの人格でしたら......」
イザベラは途中まで言うと笑いだした。
「イザベラ、笑わない」
「す、すみません、しかし、ファーガスがフローラ様の姿でしたら……ふふふふ」
イザベラはさらに笑うけど、姫様の姿で中身がファーガスだったら確かに笑うよ。
「もう、笑わないでください。確かに、わたしがファーガスの人格でしたら、変ではありあますが......」
「フローラ様自信がそういいますか」
「こ、この姿で……ファーガスの性格でしたら......いえ、何でもありません」
姫様は途中で言うのをやめたけど、馬車のドアが開いたので馬車から降りた。
そして、城の中に入り、それぞれ自分の部屋に戻る。
「次の旅は未定ですので皆さん、それまでゆっくりしてください」
あたしとイザベラの部屋は姫様の部屋とは離れているけど、別れ際に姫様がこう言う。
「わかったよ」
「わかりました」
「城の外に出るのも自由ですが、トリシャ様はお出かけになる時はお声をかけてください」
「う、そ、そうるよ」
「あと、トリシャ様はお食事はどういたします?」
「今はお腹いっぱいだから......いつもより遅い時間がいいかな」
「わかりました。いつもより遅い時間にお部屋に運ぶようにします」
「うん、お願い」
「では、わたしはこれで。では、ごきげんよう」
姫様はそう言って、アルニルと一緒に自分の部屋に戻っていた。
そして、あたしもイザベラも自分の部屋に戻ると、そのままベッドに横になったのだった。
そして、ファーガスの事をちょっとだけ思い出して、思わず笑みがでたのだった。
お読みいただきありがとうございます。
ファーガスの装備はアルテイルに強引に渡されたものですが
神様の装備なので装備自体はかなりいものです。
なので、ファーガスも結局は気に入っています。
ただ、フローラには使う事はできまないんですよね。
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@shiizu17