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第25話 魔王……復活?

フローラたちがレンゼ山の温泉街に居る頃、灰色の谷の奥地では

200年ぶりに復活したマオが引きこもっているのでありました。


「な、なんで、こんなところに……復活したのかな……」

「マオ様が復活する時は勇者やアルテイルが来ない場所が良いとおっしゃったからです」

「そ、そうだけど……だからって……お店どころか……人も動物もエルフも……来られないこんな所で……復活しなくてもよかったのに……」

「そもそも、200年前は引きこもりのマオ様が人間の食べ物を食べたいと言って

引きこもりのくせに、街に行ったから騒ぎになったのですよ」

「だ、だって……フレイヤが……外に出ろっていうから……」

「だからと言って、人間の街に行く魔王がいますか?」

「だって……人間の街には美味しい物が……沢山あるっていうから……」

「それぐらいでしたら、人間に化けてわたしの部下が買いに行きました」

「う……そうすればよかったのか……」


200年前に魔王が人間の街……つまり、王都に現れ大騒ぎになりましたが

それはマオが人間に美味しい食べ物が売っていると聞いて、王都に行ったのが原因でした。


「ただ行くだけでなく、店の主に声をかけれましたら、緊張のあまり街の中で

攻撃魔法を乱射して、魔王が攻めて来た事になったのですよ?」

「ごめんなさい……」

「200年前の事ですし、ファーガスに討伐されたので、この事についてはもう終わった事です。

しかし、200年経ちこうして復活したましたので、今回は騒ぎを起こさずに

ここに引きこもってください」

「ひ、引きこもり自体は嬉しいけど……こんな有毒ガスしかない所じゃ……つまらないよ……」

「有毒ガスがあるから、ここにしたのです。マオ様が復活したころ、人間に化けて

王都へ行きましたが、ファーガスの生まれ変りが誕生したそうです」

「え、そうなの!?」

「ええ、国王が魔導通信でそう演説していました」

「魔導通信って?」

「魔力を使った魔石を使って、姿や音を遠くに飛ばす事が出来る魔術です」

「なにそれ、すごく便利そう……」

「ええ、とても便利ですよ」

「マ、マオも欲しいかも……」

「何に使うんですか?」

「えーと、遠くの友達にと……話したり……」

「そもそも、友達なんていませんよね?」

「うん……」


マオに友達はいないが、その代り部下はいる。

ただ、その部下も200年前にファーガスたちにほとんど倒されてしまし

数少ない生き残りとして、マオの腹心であるフレイヤがマオの復活場所を

灰色の谷の奥地にしたのであった。


「マオ様の部下も生き残ったはわたくしとと、アンドリューだけです……」

「でも……脳筋のファーガスからよく2人も生き残ったね」

「マオ様がわたくしとアンドリューを逃がしてくれましたから」

「そ、そうだったね……。でも……フレイヤしかいないけど?」


今、ここにいるのはフレイヤだけであるが、フレイヤはマオから目を逸らす。


「えーとですね……アンドリューとはお会いにしない方がいいですよ……」

「え……どうして?」

「200年前からかなり姿が変わりまして……」

「姿が変わったぐらい……マオは気にしないよ……」

「なんていますか……別の魔族にになってまして……」

「魔族は本来の姿あって……ないようなものだから……」

「そ、そうですか。では、お呼びします……アンドリュー……いえ、アン、マオ様お会いしたいそうです」


フレイヤがアンドリュー……いや、アンを呼びますと、フリフリの衣装を来た少女が姿を現しました。


「マオ様、お呼びになったかにゃ♪」

「えーと、誰?」

「アン……いえ、アンドリューだにゃ☆」

「え、アンドリューって背が高くて、メガネで、インテリな男性だったよね?」

「それは200年前の話にゃ。今はネコミミ魔族のアンだにゃ」

「……」


マオは黙るが、フレイヤは


「マ、マオさまがファーガスに倒されたショックでこうなったのです」


とフォローを入れるが


「フレイヤ、アンは元からこうにゃりたかったのにゃ。マオ様がファーガスに倒されて失業したから、この姿になったにゃ☆」


とアンはフレイヤのフォローを台無しにしたのだった。


「かわいい……」


マオがそうつぶやくが、フレイヤは聞き直します


「今なんと?」

「か~わいい~、ネコミミ魔族はマスコットキャラのお約束だよね?

しかも、元はいかには男でメガネで、嫌ばかりいってたのに、TSしてこんなにかわいくなるなんて、アン、わかってるよ、わかってるよ」


マオは饒舌になるが、好きな物を見るとマオはこうなる。


「マオ様、ありがとなのにゃ」

「ねぇ、ねぇ、こっちに来て、ネコミミを触りたいよ」

「え、でも、マオ様は……」

「マオの命令だから、こっちにきてよ~」

「アン、マオ様がこうなったら、どうにもなりませんので」

「それはわかってるにゃ。でも……マオ様は……」

「だとしても、魔王の命令ですから……」

「わかったにゃ……どうなってもアンはわるくにゃいにゃ……」


アンはマオの元へと行くが、それと同時にマオは鼻水ど涙が流れて来る。

そう、マオはネコアレルギーなのだ。


「がわいい~あん~」

「マオ様、顔を近づけない欲しいにゃ、鼻水がつくにゃ」

「ごめん~でも~がわいいよ~」

「ああ、鼻水が服についたにゃ」


鼻水と涙だらけになりながらも、マオはアンのネコミミを触るのだった。


「耳はくすぐったいにゃ。それに、髪にも鼻水がつくにゃ」

「マオ様……これぐらいでよろしいかと……」

「うん……」


アンはマオから解放されるが、アンドリューがこの姿にならなかったのは

マオがネコアレルギーだったからだ。


「マオ様がネコアレルギーだから、200年前はあんな姿になってたにゃ」

「マオ様はネコミミがお好きですが、ネコアレルギーですから、ネコミミ族はいませんでしたかね」

「でも、あんなになってもアンのネコミミを触る執念はマオ様でも怖いにゃ」

「その執念をもっと別の所に使って頂いたら、魔王らしくなったのですが……」

「マオ様がこれでいいにゃ」


ネコアレルギーで涙と鼻水だけになっているマオであったが、その表情は恍惚を浮かべていた。


「ところで、ファーガスが復活したけど、どうするにゃ」

「だとしても、ここには人間は来られませんから大丈夫です」

「でも、マオ様の事だから、元の城に戻るというにゃ」

「以前の城は修復してありますが……今回はこころを魔族にして、ここ居てもらいます」

「フレイヤもマオ様に甘いのにゃ。だから、3日もすれば元お城に戻るにゃ」

「大丈夫そんな事はありませんから」


フレイヤはそう言ったが、その3日後経つと……


「やっぱり……元の城だよね。綺麗ない空気……万歳……」


と200年も城にもどっていたのであった。


「ほら、言った通りにゃ」

「だって、あのように駄々をこねれらら、こうすしかありません……」


フレイヤがため息をつくが、マオは元の魔王城に引っ越さないと

魔王を辞めるとただを捏ねて大泣きをしたため、フレイヤも折れて元の城に戻ったのだった。


「フカフカのベッド……引きこもりには最高……」

「わたくしたちは、行きますので後はマオ様のご自由にしてください」

「うん……そうする……」

「それじゃなのにゃ」


フレイヤとアンがマオの部屋を出て行ったが、マオはフカフカのベッドに横になると

そのままいびきをかいて眠ったのであった。

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