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第13話 出発

この作品はカクヨムに投稿した物です。


フローラたちはイザベラのいる温泉へ向かいます。


今回、新キャラとしてフローラを護衛する騎士のアランが登場します。

ダニエルの生まれ変わりであるイザベラのいるレンゼ山の温泉街へと向かいます。

出発は3日後になりますが、温泉街へ行く間は学院はお休みです。


「レンゼ山の温泉とは羨ましいです」

「目的は温泉ではなく、3人の仲間に会いに行くのですよ」

「フローラ様、わかっております。でも、学院を休んで温泉に行かれるのは羨ましいです」


アリスはこう言いますが、あくまでも勇者の生まれ変わりとして最後の仲間に会いに行くためです。

ただ、温泉に入らないのかと言われたら……入りたいです。

しかし、目的はあくまでもイザベラに会う事です。

決して、温泉に入りに行くのが目的はありませんが、せっかく行くのですから入りたいのです。


「これは勇者としての最初の旅なのですよ、アリス」

「何度言いますが、それはわかっています。ただ、名湯と謡われるレンゼ山の温泉は羨ましいです」


アリスは温泉が羨ましいと言いますが、それだけ良い湯だと聞きます。

王室でも歴代の国王が疲れを癒し、病気を治癒させたという記憶が残っています。

かつては離宮もあったそうです。

ただ、離宮は利用する頻度が低く、管理も大変なので現在はありませんが

離宮の跡は王族も使用する宿になっています。


「こちらも何度も言いますが、勇者の生まれ変わりとして行きます」

「ご気分を害しましたら、謝ります」

「そんな事はありませんから、気にしないでください」


少しししつこかったのは確かですが、アリスの性格はわかっていますからね。

ただ、羨ましいのは本当だと思いますが、温泉街に行くのはあくまでも使命ですからね。

決して温泉が目的はありませと、アリスにはいっておきましたが……本音は温泉も目的なのは内緒です。


 3日後、出発の日がやってきました。

夜が明け始めると同時に、城を出発します。


「お父様、お母様、行ってまいります」

「最初の勇者としての役目を果たすんだ」

「無事に帰って来てくださいね」

「はい、行ってまいります」


お父様とお母様に見送られ、馬車は走り出します。

わたしとアルニル、トリシャ様が乗った馬車の他に、護衛のための騎士が馬に乗りついてきます。

ただ、護衛の騎士は1名だけですが、これはトリシャ様が


『あたしが姫様を守るから、護衛はいらないよ』とおっしゃたからなのですが

そうであっても1人は騎士をつけるべきと言う事で、1名だけ騎士の護衛をつける事になったのです。


「温泉までだし……護衛なんてあたしがいれば……」


トリシャ様は朝が早かったので、馬車に乗るとうつらうつらしてます。


「眠いなのでしたら、寝ていてもよろしいですよ」

「そうするよ……」


トリシャ様はそのまま馬車の中で眠りました。


 馬車は順調に進み、1日目は特に問題なく最初の街に到着しました。

宿は手配してありますので、その宿に向かいます。


「フローラ様がお泊りになるような宿ではございませんが……」


宿の主はそう言って、部屋にわたくしたちを案内しますが十分な部屋です。


「十分なお部屋ですので、お気になさらずに」

「ありがとざいます。お食事はお部屋にお運びいたします」

「わかりました、ありがとうございます」

「では、失礼いたします」


宿の主は部屋を出ていきましたが、この宿も貴族が使用する宿なので十分立派な宿です。


「あたしたち3人同じ部屋なんだ」

「トリシャと同じ部屋で寝るなんて思わなかったです♪」

「アルニル……いや、アンディ、なんか嬉しそうだね」

「はい、アンディだった頃は本当は女性として仲良くしかったですが

身体が身体でしたので、こうしてトリシャと仲良くできるのは嬉しいです」

「だ、だからって、くっつくのはやめてよ」


トリシャ様は抱きついたアルニルを離しますが、流石に女性同士でもくっつきすぎるのはよくありません。


「アルニル、嬉しいからと言って無闇にくっつくのは良くないですよ」

「すみません、嬉しくてつい」

「アンディの思いはわかってたから気にはしないけど、流石に今のは嫌だな」

「すみませんでした」


アルニルも反省していますので、良いでしょう。


「騎士くんは1人部屋で寂しくしてないかな」

「男性は1人ですから仕方がないですよ」

「でも、流石に1人は可哀そうかも」

「トリシャ様、護衛の騎士なので寂しいという事はないと思いますよ」

「それもそうか。でも、あの騎士くん馬に乗るのもあまりうまくないし、馬車について行くのがやっとだったよ」


わたしたちの護衛の騎士アランは若手の騎士ですが、わたしの護衛に抜擢されました。

ただ、馬に乗るのがあまりうまくなく、剣の腕前も騎士としては下の方ですが

わたくしの護衛に抜擢したのは騎士隊長の推薦だそうです。

あの騎士隊長が推薦したので、何か秘めた物のがあるという事ですが

正直な所、わたくしからみても不安があります。


「騎士隊長がわたくしの護衛に推薦したのです」

「そうなんだ。あたしの見立てでは、特に変わった事はないけどね」

「騎士隊長が推薦したので、秘めた物があるのかもしれません」

「単に親族かなにかだったんじゃないかな」

「それはありません。アランは下級貴族の三男ですし、騎士隊長は上級貴族な上

ご自分の息子でさえ騎士試験に落とすお方なのです」

「そうなんだ、なんか気になるかも」


トリシャ様はそう言って、座っていた椅子から立ちがります。


「ちょっと騎士くんと話してくるよ」

「わかりました」


トリシャ様は部屋を出て行って、アランの所へと向かいました。


「トリシャが人間に興味を持つなんて珍しいですね」

「エルフはあまり人間の事は興味がありませんからね」

「あの騎士は頼りありませんが、わたしも何か感じる物はあります」

「そうなんですか?」

「秘めた物といいますか、素質ですかね。鍛えればかなり強くなりますよ」


アルニルのこう言いますが、アランが強くなれるかはわたくしもわかりません。

ただ、騎士隊長が推薦したり、トリシャ様やアルニルが気にするのできっと何かあるのでしょうね。

お読みいただきありがとうございます。


騎士のアランは若手の騎士です。

姫様パーティーのメンバーとしては多分、唯一の男性メンバーかもしれません。

アランは今後も登場いたします。


ツイッター

@shiizu17

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