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青春は色あせない。  作者: 田中らら
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異世界

コンビニ探しの時はとても長く感じた道も帰りの道はとても短く感じた。

緩やかな上り坂で、みんな疲れで変なテンションになっていたけど、

それが気持ち良くてとにかく楽しくて、このまま永遠と歩き続けてもいいと、

その時の私はそんなことを考えていた。


暗闇と疲れが私を高揚させたのかもしれない。

平凡な高校生に、非日常は刺激的で、夜中に抜け出すという罪悪感が良いスパイスになり、

私の心は踊っていた。


バンガローの近くになりみんなでまた、あの暗く細い山道に入り少し歩くと男子の一人が、


「あ〜!」と大きな声を上げた。


「なに!驚かさないでよ!」とみんなで怒ると、


「蛍?」


「え??」


「あれ!」


みんで彼の指差す山の中を見ると、ぼやぼやと黄緑色の小さな光があった。


「あ〜〜蛍だ!はじめて見た!」


みんな始めて見る蛍にそれまでの疲れが吹っ飛んだ。

真っ暗な森の中にぼやぼやと光る優しい光、

始めて見る光景にみんな一瞬言葉を失い、

女子の一人が「キレイ・・・」と小さな声で言った。


よくよく暗闇を見ると蛍の光が点々と光っていた。


幻想的で儚い光、今まで見たこともない光景にみんな少し嬉しくなった。


山の冷たく澄んだ空気、深い森の草木の香り、狭い獣道のぬかるんだ土すべてが幻のようで、

まるで異次元に来たようなフワフワした感じがした。


異次元に行ったことは無いですが・・・


私たちは無事にバンガローについて各々の部屋に別れた。


神経が高ぶりすぐには眠りに落ちなかった、

横になるとカーテンの隙間から星空が見えた、

雲が無く星がよく見えた、さっきまで見えた月は窓からは見えなかった、

でも優しく木々を照らしているのはわかった。


冬はもっとたくさんの星が見えるのかもしれない、

そんなことを考えていると、いつの間にか深い眠りの世界に入っていた。


つづく



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