12話 学校生活③
「達也、なんで詠唱を唱えないで魔法を使えたの?」魔法の練習中にセガールに問われた。
「えーと、それはとある人に教わって…。ん?」
教わる?誰に?俺は王都の図書館で学んだのだ。教わった記憶なんて…!!
「あ、あ、あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」急に頭に激痛が走る。
「達也!?大丈夫!?先生!!達也が、達也が!!!!」「どうした!!!!今すぐ保健室に連れていけ!!!」そこから俺の意識はぷつりと途切れた。
「んん…、」「達也!?よかったーー!目、覚めたんだね!!急に叫びだして気失なっちゃうからびっくりしたよ!!」「ごめんごめん」しかし、あの激痛はなんだったんだ?確か…、何かに疑問を感じて…。だめだ。思い出せない。ここはどうやら保健室のようだ。
「む?おお!!目覚めたのか!!!!今日は安静にしていなさい。」「はい。」「…じゃあ私行くね」「うん」先生とセガールは授業に行った。今はもう頭の痛みは感じない。
数時間後
「達也さーん。こんにちはー。」「何しに来たんですか」保健室に王子が来た。
「いやぁ、みじめだなぁと思ってねぇ。あんなに強がっていたのに、気を失てしまうとわねぇ。」「ここへ来たのは嫌味を言うためですか」「まさかそんな。俺は貴様に一発喝を入れに来たのだよ。」そう言って、王子はワイングラスのようなものを取り出した。
「!」「くらえ!」王子はそれを振り下ろしてきた。とっさの俺は防御魔法を使った。グラスは割れた。もう、攻撃してくることはないと思い、俺は防御魔法を解いた。その瞬間、もう一方の手から再びグラスを出した。防御魔法を使おうとするが、間に合わず、食らってしまった。パリン!というグロスが割れる音が聞こえる。頬に何かつたるような感覚がした。きっと出血したのだろう。
「なぜこんなことをするんですか。」俺は頭を押さえながら言った。
「なぜって、お前がこの俺に失礼な態度をとったからだろう?」「でも!これはあまりにも度が過ぎています!」「知るか。じゃあな」そのまま王子は去っていった。一応、包帯でも巻いとくか。
数十分後
「達也!?!?!?!?どうしたのその傷!?」「あぁ、さっき王子が俺…じゃなくて私のところに来て喝を入れて帰ってったよ」「なんだって!!リューネバ君が!?」あぁ、王子の名前ってリューネバっていうのか。
「先生、そのリューネバ君を何とかしてください。セガールも同じようにいじめにあっています。」「…………、すまないが、それはできない。あの子は王の息子だ。逆らえば、何をされるかわからない。
本当に申し訳ない!!」「………、わかりました。じゃあ、私が何とかします。」「「達也!?」君!?」「私のことはいいけど、友達がひどい目に合ってるんです。ぼこぼこのぎったんぎったんのぐっちょっんぐっちょんのべっちょんべっちょんのけちょんけちょんにしてやりますよ!!!」「わかった。私も協力する。」「わ、私もできる限りのことをしよう!!!!!!」
こうして、ひそかにこの国の王子をぼこぼこにする計画が始まったのだった。




