1.5 話 悲劇の森
町とはかけ離れている森の奥にあるとても小さな城、そこに一人、少年が空を見上げている
純白の莟、
そこに真赤な液体が、垂れる
ボトッ、ボトッ、どんどん垂れる、
真赤な薔薇のような花が咲く、
そして花びらを散らす、
森の奥にある小さな城に
一人、空を見上げながら日を浴びる少年がいた、
幼気な見た目をしている、
なにかを考えているようだ、
しばらくするとその少年は城の中に入っていった、
中は古っぽいが過ごしやすいような場所だ、
少女の声がする
「おかえりなさい、今日はどうかしたの?」
「いや、なんでもない」
少年が答える
「それならいいんだけど」
少年はそのまま自分の部屋に入っていった中は机と布団などがあり
奥にはしごがある、
少年はその上に登っていった、
上は見渡しがよく、
広い平原と少し遠くに森のようなものが見える、
なぜだか少年は森に向かいたい気持ちが湧き出てきた、
少年はノートになにかを書き部屋を出た、
そこにガタイのいい中年くらいの男がいた、
「どこかにいくのか?」
「森に行きたいんだ」
少年が答えると男は驚きながら言う
「あの森は危険だ本当にいくのか?」
「うん、どうしても行きたいんだ」
「...分かった、だが森に行くなら俺もついて行こう」
二人は外に出て森に向かった
外は暑くも寒くもないが気持ちがいい風が吹いている
「よし、あと少しで森に着くぞ」
男が言った
「..?」
少年の視界で男に一瞬だけ違和感のようなものを感じた
そして恐怖のようなものも少し感じた
「..どうかしたのか?」
「いや、なんでもないよ」
「ああ」
そのまま二人は、進んだ
「よし、森に着いたぞ」
「お前が来るのは二年前ぶりだな」
「この先に進むのか?」
「うん」
二人は、森に入っていった
虫がかなりいる
森の奥で
何かが光っているのが見えた
少年「あれ、なんだろう」
男「あそこに行ってみるか」
少年「うん、っ!?」
男に何かが付着いているのが見えた
一瞬でそれは消えた、
少年は疑問に思った
光るものに近づくとそれは一匹の蝶だった
近づこうとしても距離が変わらぬように奥へ行く
二人はその蝶を操られているかのようにか追いかける
森の奥に連れ込まれてしまっていた
「そろそろ戻らないか?」
男が言う
少年はとても震えていた
「どうしたんだ?」
「ち..」
「なんだ?」
「血が」
少年は幻覚を見た、
男の体が血だらけになっていた
視界は一瞬で戻った
「....もう帰ろう」
「う、うん、分かった」
二人は森から帰ろうとしたが、帰り道がわからない、迷ってしまったのだ
少年は男が居ないことに気づいた
少年は男を探そうとする
その時少年はなにかを見つけた、
人のようなものが、木に寄っ掛かっている
少年がそれを見ていると
その人は、こちらに振り返った
可愛らしい少女だ
その少女は振り返った瞬間に顔が悲しそうな顔になった
少年は震えが止まらなかった、同時に涙も出てきていた
そして、少年は、
気絶した