はつこい
小学校6年生
私には付き合ってる人がいた。(しゅん)
だけど それ以上に好きな人がいたの…(ヒロ)
元々ヒロとは両思いだった。
なのに何で違う人と付き合ってるのか
自分でもよく分からない…
登下校はいつだって
ヒロと一緒だった。
放課後 遊ぶときだってヒロと遊んで…
休みの日もヒロと出かける事の方が多かった。
この事を しゅんが知ってるのか知らないのかさへ
分からない。
だけど、しゅんは自分からデートには誘わない。
だから私も誘うことはなかった。
ヒロは誰もが見ても
かなりカッコいい。
当然 ヒロを好きな人もいたわけだ。
休みの日に
みんなで出かけたけど
帰るときには雨が降っていた。
当然この日もヒロと一緒に帰る。
それが もう当たり前だから。
傘が一つしかなくて
二人寄り添って 相合い傘をして帰って来た。
次の日 学校へ行くと
クラスの1人の女子がいきなり
「昨日ヒロと相合い傘してたしょ」 「デート?」
そんな言葉を投げつけてきた。
別に隠すことなんてなかったけど、
とりあえず
「別にデートじゃないよ」
そう答えた。
「嘘だ」って言われて
返す言葉もないから
「ヒロに聞いてみる?」
とだけいい
二人でヒロの元へ行った。
「ウチ等デートなんてしてないよね」
ってヒロに尋ねると
「何回もしてるじゃん」って そう答えてくれた。
はっきり言って嬉しかった。
だけど 相手の女子は怒った様子で どっかへいなくなってった…
もちろん あの人もヒロが好き…。
本当は怖かった。
いつかヒロが私じゃない他の人のとこへ
行くんじゃないかと…
次の日の放課後
ヒロと二人教室に残ってた。
不安を隠しながら
笑顔作るのが精一杯で…
会話もろくにできなかった…。
ヒロは優しいから
こんな私に気付いてくれる
「どこにも行かないよ」
心を見透かされてるように安心させる言葉を並べてくんだ。
壁に寄りかかりながら
作り笑いじゃなく
本当の笑顔に変わっていく。
そうすると ヒロも同じように笑ってくれる。
それと同時に近づいてくるヒロの顔…
唇と唇が重なり
初めてのキス。
とても優しいキスだった。
このまま一生離れられないかも…
離れたくない。
そんな事思いながら
手を繋ぎ いつもの帰り道
このまま二人
ずっと一緒に居られますように。。。