ファイティング・スィーパーズ! 四話
リンさん、ニャタさん?!
ああ、https://mypage.syosetu.com/858748/「成宮りん」様。
https://mypage.syosetu.com/983493/「ねこたまこと」様
ですね。ご出演ありがとうございます!
・・・で?
OLリンとアンテッドコボルドのニャタに近付く茶髪娘・・・と、蒼い狐。
「今聴いたんだけど。ニャタさんは魔物にされた人なんだよね?」
掃除人らしき娘が訊いて来たのを、ニャタはうんと頷き。
「そ・・・う・・・な・・・の」
言い辛そうに・・・いや、こんな喋り方しか出来ずに肯定する。
「ちょっと!何よ君は?」
リンがコボルドを庇って立ち上がると、茶髪の娘は自己紹介し始めた。
「ボクは魔物退治を依頼された翔龍騎ミコ。
夜間にだけ、このビルに出没する魔物を排除しているんですけど・・・」
アンテッドコボルドを観て、すっと右手を翳して言葉を停めると。
「なに?!あなた、ニャタを退治しようってんじゃないでしょうね?!」
リンがニャタを庇って、ミコの前に立ち塞がった。
「アンテッドコボルドは魔物。
僕に依頼された魔物退治の対象だから・・・ね」
「ニャタは人なのよ?!魔物なんかじゃないんだからっ!」
庇うリンに、足元から声が掛けられる。
「まぁね、俺と同じ様なもんだろ?
何者かによって宝石モンスターにされた・・・だけだろ?」
足元に居た蒼い狐がOLリンへ、人の言葉で話しかけてきた。
狐モドキの俺が言ってやったんだOLにね。
アンテッドコボルドと話していやがったのに、俺が話しかけたら反り返って驚きやがったんだぜ。
「きゃぁっ?!き、狐が喋った?!」
「悪かったな狐モドキで。こう見えても元は高校男子だったんだぜ?!」
敢えて高校男子と言ったんだけど、よく考えたらエクセリアに高校なんてある筈もないよな。
「孝行・・・男子?!狐が親孝行な男子だと?」
「ボケるなよ・・・わざとらしい」
突っ込んだのはミコ、呆れるのは俺。
俺達の漫才に、気を緩めたOLと魔物がやっと訳を話す気になったようで。
「あなた達が話に訊いた翔龍騎ミコなのかどうかは知らないけど。
ニャタを人に戻せる方法があるの?」
「まぁ・・・奥の手を使えば。どうかなミレニア?」
ミコの腕輪に居る女神に訊ねてみた。
「「すぴ~すぴ~・・・」」
・・・・また、寝てるようだ。
「ま、まぁ。夜も更けてるし。奥の手はイザって時に使うもんだからな」
自分で言って自己完結させちまったよ。
独り芝居に観えたのか、リンとニャタにジト目で観られちまった。
「リュート、それよりも最初に訊かなきゃ・・・だろ?」
そうだったよな、ニャタさんが魔物にした相手の事を訊かないとな。
「そうそう!アンタは誰にどうやって魔物なんかにされたんだ?」
アンテッドコボルドのニャタさんに訊き質したんだ。
「そ、そうよニャタ、すっかり忘れていたわ。
あなたは誰に魔物なんかにされたのよ?あの専務が犯人なの?」
犯罪者扱いするリンさんに、ニャタさんは首をギギギィーと振ると。
「ち・・・が・・・うよ、専務じゃなくて・・・黒いマントの男・・・だった」
ほぅ?外部から招聘したネクロマンサーか?それともシャーマンか?
「そいつ・・・が、あたしを・・・アンテッドコボルドに・・・変えたの」
むぅ・・・何やらきな臭い話だな?
「なるほど。で、そいつはどこに居るんですか?どこで魔物にされたのですか?」
ミコが腕を組んでニャタさんの表情を読み取ってやがる。
嘘ではないかと疑っているようだ。
「人事部・・・専務の配下・・・このビルの最上階にある・・・ダヒテの塔の最上階」
「むぅ?闇の者なら最下層かと思ったんだけどな?」
おい、ミコ?お決まりのパターンじゃないからって・・・
「ダヒテの塔・・・このビルってそんな名前がついていたんだ?」
「いや、私達が勝手にそう言ってるだけ」
手をパタパタ振って、リンさんが注釈をつけてくれた。
「・・・ま、まぁ。このビルの最上階にそいつが居るってことだね。
そいつは見境無しに人を魔物に変えてるの?何か意味があるの?」
(作者注・余りにスローモーな喋り方なので、端折ることにしましたW)
苦笑いを浮かべて、ミコが真意を訊ねたんだが。
「意味・・・って言っても・・・そうそう。
黒マントの男が専務に訊いてたの・・・これでまた売り上げが伸びるのかって」
「へ?!ニャタ、どういうことなのよ?」
俺達よりリンさんの方が訊き返したんだ、売上って言葉に反応して。
「通常の勤務時間では熟せない仕事をやらせるからって。
昼間と業務と夜間の業務、二直にすれば倍儲けが出るんだって」
「・・・金の亡者かよ・・・」
呆れ果てた話だと思うぜ、それなら人員を倍にすりゃ良いだけじゃないか?
「専務が答えたのは、場所と人員を増やさず売り上げを上げるには会社の稼働時間を増やせば良いって」
「・・・社畜が増えるな・・・こりゃぁ」
どこぞのコンビニみたいな話だと思ったよ。
24時間稼働させるには雇う人を増やさなきゃいけないが、雇用側は儲けが少なくなる。
そこで囲い締めする方法として給料のUPを匂わせて。
給料に釣られた者へ、無理な仕事を押し付けて来る・・・・
まぁ、このエクセリアでも同じような事が起きているんだって分かったよ。
「ニャタさんは会社を辞める気はありませんか?
人に戻れたら、こんなブラック企業から抜け出そうとは思いませんか?」
瞼を閉じたミコが、アンテッドコボルドにされて抜け出せなくなってるニャタさんに訊いた。
会社を辞めることが出来なくなっているニャタさんに。
給料に釣られて会社側の言いなりになっている、魔物にされた人に。
「でも・・・辞めたら次の職場を探さないといけないから。
給料だって今ほど貰えなくなるし・・・心配で」
なるほど・・・って、高校生の俺も感じたよ。
これが社会の闇だってね、サラリーマンの辛い処なんだってね。
ニャタさんを選んだのは、能々(よくよく)調べ上げた上だってことかも知れない。
ここの人事課は、逆の意味で優れているんだろう。
社員の心情や弱みを握って、社畜を増やしているんだろう。
・・・まさに!ブラック!!
「一言だけ言っておきますよニャタさん。
このままなら人生を捨てる事になりますよ?
だって、僕達は魔物を駆除する依頼を受けてここにいるんですからね。
見つけたら即、葬り去るのが掃除人の役目なんですから」
「なんですって?!あなた達はニャタを消し去るつもりなの?」
大声で俺達に言い返したリンさんに、ミコが静かに答えたんだ。
「このまま看過していたら・・・ですよ。
社畜状態から抜け出さないと、人生まで終わりになっちゃうって言ったまでですから」
そこにはミコなりの思いやりが・・・ある訳ないな。
「ボクはどちらでも良いんですけどね、魔物として人生を終えられても」
な・・・ミコはそういう奴だ。
「知らなかったにしろ、僕はこのビルで魔物を葬ったんだ。
きっとその殆どが元、人間だった・・・筈だろうけど」
むっ?!そ、そうか・・・ミコはそれを知らされて・・・
「合点がいかない事があります。
ダヒテという者は、どうしてギルドなんかに依頼したのか。
専務がやったのが売り上げを伸ばす秘策だったら、なぜそれを妨害しようなんてしているのか。
裏稼業の魔物退治を依頼して来たのか・・・自らの首を絞める結果を求めているのか?」
ミコは細く眼を開けてリンに教えたんだ。
「もし、僕の考えが正しいのなら。
この会社は間も無く分裂する筈ですよ、しかも内部から崩壊して」
人のリンさんと、アンテッドコボルドのニャタさんが目を丸くする。
「ニャタさんが言っていた専務と、会社のオーナーの間に溝があるんじゃないですか?
売り上げを伸ばすという専務のやり口に、オーナーが反発しているんじゃないですか?
それとも、オーナーを蹴落とそうと専務が画策した?
どちらにしても、この会社は間も無く内部紛争が表立って来る筈ですよ」
ミコが言った通りなら、そこに務めている人達は巻き込まれる事になる。
どちらの派閥に属していても、嬉しい話にはならないだろうとミコは言ったんだ。
「ニャタさんだけじゃなくてリンさん、あなたも考え時だと思いますよ」
自分達よりずっと若い娘から言われて、初めて思い当たる節があったようで。
「そう言えば、課長があんなに諂うようになったのも。
部長から飲み会に誘われてからだったし、専務派に媚びるようになったんだっけ」
上司の変調がそれを表していたんだと、リンさんが頷いていた。
と、言う事は経理部の一部は専務派。
人事と経理の一部が専務派に属していると伺えたのだが・・・
「だけど、一体君はどうやってニャタを人間に戻せれるの?
魔物からどうやって人に戻せるというの?」
会社を辞めるのなら、友が人間に戻れるのが最低条件だとリンさんは譲れないみたいだ。
だけど、リンさんはミコの力だけを考えたんだろう。
翔龍騎が魔物を人間に戻せるのかと考えたから訊いたんだろう。
「ボクには、女神が宿っているんだ。
それに、この狐モドキのリュートにも白銀の龍と契約しているんですよ」
いつもならストレートに<僕なら出来る>って、ミコが言うと思ったんだが。
以外にも遠回しにミレニアの事を匂わせるだけに留めやがった。
「女神ですって?!あなた正気なの?
人間に女神が宿るだなんて・・・本気で言うのなら信じられないわよ?」
なるほどね、リンさんが疑うのを承知で言いやがったんだ。
疑われた上で、リンさんやアンテッドコボルドのニャタさんがどう決断するのかを聴く為に。
「信じられないのなら仕方がありませんね。
リンさんやニャタさんが決める事なのですから」
くるりと背を向けたミコが、俺に目配せして来る。
その眼には、リンさん達を見放さないと言ってるように見えたんだ。
「最後に。
最上階に居るんですよね、ニャタさん達を魔物に変えた奴が?」
そう・・・ミコは怒っているんだ、自分を人殺しにした者の事を。
「ニャタさん、好きな人がいるって言いましたよね。
その人はまだ、仕事を辞めていないんですよね?まだこのビルの中に居るんですよね?」
そして・・・ミコが言いやがったんだ。
「もしかしたら・・・二度と逢えなくなっちゃうかもしれませんよ。
僕が最上階に辿り着く前に滅ぼしちゃうかもしれませんよ?
もし、その彼を救いたいのならここに連れて来て、動かないでください」
魔物として滅ぼされたくないのなら、歯向かうなと警告したんだ。
「でないと・・・巻き込まれちゃうから。
僕は今、物凄ぉーく怒ってますからね・・・見境なくなるくらい」
目を細めて警告するミコの顔。
そこにはいつもの惚けた表情は微塵もなかった・・・つまり。
「シャーマンだかネクロマンサーだか知らないけど。
この手でぶっ潰してやりますよ、跡形もなくね!」
こんなミコは初めて観た気がしたよ・・・狐モドキになってからは。
よっぽど、騙されたのが気に喰わない・・・じゃなくて、人を利用しやがった奴等が赦せなかったんだろうな。
「そう言う訳でニャタさん。
消されたくない人達に言って来てください、もう間も無くしたら掃除にかかりますってね。
掃除人翔龍騎ミコが、ダヒテの塔を綺麗に掃除するからって。
絶対に立ち塞がらないで貰いたいんです、でないと・・・死神が通り過ぎますよ」
ドアを閉める時にミコが言い残したんだ。
これが最期通牒なんだって、間も無く本当の殲滅戦が始まるんだってね。
リンさんとニャタさんが小さく頷くのを、俺は見逃さなかったんだ。
で・・・?
「ミコぉ?!なんでいらない事言ったのよ!
宝石モンスターが一匹も出て来なくなったじゃないのぉ!」
男の娘サエぽんが、拗ねてますが?
「稼げなくなったのはミコの所為だかんね!」
まぁ、仕方ないじゃないか。宝石モンスターって言っても、元は人間なんだから。
「分かってるよ、そんな事ぐらい。
だからさぁ、ダヒテとか言うオーナーから違約金をせしめてやれば良いんじゃないか。
これだけの会社のオーナーなんだろうから、契約金の数倍の違約金だって払わせて良いと思うよ」
掃除人の制服を脱ぎ去ったミコが、サエぽんに言い返すと。
「ふっ!そう言う事なら。
このサエも一役絡まざるを得ないわよね・・・慰謝料の半額・・・貰うからね」
ニヤリと嗤うサエぽんに、ミコは?
「良いよ、半額でも。
僕は慰謝料よりも人間を魔物に墜とした奴をぶっ飛ばしたいだけだから」
・・・おいおい?!また儲けがなくなっちまうぜ?って、言わないでおくか。
だって、ミコが怒るのは当たり前だし、俺だって。
「そういうことだサエぽん。
俺達は最上階に向かう、そっちはダヒテとかいう奴を押さえに行ってくれ」
人を宝石モンスターに変えやがった奴を赦す気なんか無かったんだ。
「オーナーだろうが専務だろうが、構うこっちゃない!
俺達は掃除人として契約したんだからな!
このビルのゴミを片付ける、フェアイティングスィーパーなんだからさ!」
そう・・・俺達は契約を履行するだけ!
ダヒテとかいうオーナーの依頼を遂行すれば良いんだぜ!
ゴミが誰だかは言わずもがなって奴だろ!
怒りの矛先は依頼主に向けられた!
ダヒテの塔に巣食う輩を成敗するんだ!!
リュートとミコは決戦に向かうのか?
今度の相手はどんな奴なんだろう?
次回 ファイティング・スィーパーズ! 伍話
いやはや・・・困った事になりそうだぞ?ネクロマンサーはどうやって魔物に変えたんだ?
成宮様、ねこた様。
今しばらくご出演をお願い致します!
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ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常・シリーズ」
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「トライアングル×とらいあんぐる×⊿〔トライアングル]」




