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白い巨塔はタピオカの味 四話

タピオカ呑んでたマノアさ~んっ・・・♪


タピオカだと?!

看護師が走り回る。

降って湧いたかのような奴の来訪で。


入院患者を押し退けて、そいつが取り巻き連中を引連れてやって来たから。


「院長回覧!邪魔だ邪魔だ!」


ずんずんと古狸を取り巻く男達が患者を押し退ける。


「さ、さ。こちらがVIP様でございます!」


押し退けて進み来るのは最高級個室。


「この方が当病院で最も高額支払いを呑まれた狐モドキ様でございます!」


ノックも無しにドアを開けて入って来る医者連中。

数人の医者ドクに取り巻かれるのは。


「ほーほほほっ!狐モドキとは。

 ウチも有名になったものねぇ、善きかな善き哉!」


ふんぞり返った院長を観た、リュートが仰け反る。


「ま・・・まさか?!お前が・・・医者だというのか?!」


見開いた眼に映る院長の姿。


「ごほんっ、こちらにおわすお方をどなたと心得る!

 畏れ多くも当病院の院長、ミートミツクリ様におわすぞ!」


取り巻きの内で左に控えた男が教えて来る。


「ええいっ、頭が高い、控え居ろう!」


右に控える男が院長バッチを指差す。


「カーッかっかっかっ!カクさん、スケーッさん。もう宜しいでしょう」


杖を持った白髪の、地球外生物のヨ~ダのよーなのが笑っている・・・


「エクセリアはとうとうVFXの世界に突入したのか?!」


リュートはCG世界の偉大なるマスターに出会ったかと思ったヨーダ。

しかも、国民時代劇の役者のような設定の・・・


ー オワタ・・・な。全て何もかも・・・


遠い目で院長を観る、損な狐モドキ。


「ほっほっほっ!何をそんなに驚いておられますの?」


ー しかも・・・オカマ口調かよ?(更に遠い目)


「ワタッチが院長のミートミツクリで、ございまーしゅ!」


ー まーしゅ・・・と、きたもんだ。(刮目)


「当医院にようこそお越しやしゅましゅ!」


ー ・・・ミコ・・・後は任せるぞ・・・(悶絶)


・・・バタリンコ・・・


「おや?いけませんねぇ。気を失われたようでしゅ」


リュートはこうして魔の手に堕ちた?!


・・・何があった?!(惚ける著者)









「ねぇ新入ミコり。

 あなたの担当しているVIPの狐さんだけど?」


(前回の答えです)

挿絵(By みてみん)


マノア婦長が、洗濯物を山ほど持たされた看護師見習いに話しかける。

タピオカジュースを胸に載せて。


「はい?彼が何か?」


素知らぬふりで応える看護師見習ミコいに。


「どうやら集中治療室に担ぎ込まれたようよ?」


「えっ?!どうしてですか?あんなに元気だったのに?」


そっけなくマノアに話されて、却ってミコが驚く。


「院長が回覧に行ったら、その前で気を失ったみたいなの。

 だから、新入りも集中治療室勤務になって貰うわよ?」


「えっ?!えっ?ボクが・・・ですか?」


いきなり准看護師以上でしか付き添えない場所に配置換えされると言われ。


「ボクには注射や点滴が出来るなんて思えないんですけど?」


驚くより無理だと言いたいようだが。


「私もそう思うんだけどぉ、これ。院長命令なのよねー」


マノアが痴れっとタピオカジュースを飲みながら。


「まぁ、諦めて患者と運命を伴にするのね・・・」


意味有り気に口元を歪めるのだった。


「そ、そんな。リュートと運命を共にするなんて。

 狐モドキなんですよ~っ、死にはしないでしょ?」


「そうかしら、ここの病院は不可解な事故や患者への誤診が出るのよねぇ」


ビクリと、ミコの身体が撥ねる。


「それにねぇ、法外な報酬を請求するのでも有名。

 集中治療室なんかに入れられちゃったら、家が6軒も立つくらいの金額をせびられちゃうわヨ?」


「にゃっ?!にゃんと!」


吹き出す嫌な汗。

ミコの額に汗が載る。

狐モドキに請求が来るって事は・・・つまり。


「ボ、ボクっ、集中治療室に行ってきます!」


慌てて走り出したミコの後ろ姿を観て、


「ちょろいわ。あまりにもちょろ過ぎる!

 院長がそんな命令をする訳がないのに・・・お馬鹿さんねぇ」


マノアがタピオカジュースを胸の谷間に降ろして嗤った。







「リュート!何やってんだよ?!」


ここは院内で一番機械が備わった部屋。


「どうして磔に掛けられているんだよ?」


ミコが部屋に来た時見たのは。


「ミコぉ~っ、面目ねぇ~っ」


狐モドキが立てられたベッドに磔に掛けられた姿。


「どこに敵が居るんだよ?!どうしてこうなった?!」


ミコが臨戦態勢になって問いかけると。


「院長の話を聴いてたら・・・気絶しちまったんだよな。

 気が付いたらこの部屋に居て・・・・」


「そうか!院長が黒幕だったんだね?!」


ミコが話半分の処で決めつけた・・・が。


「ベットを立てられてしまったんだ。

 なんでも狐を治療するには寝かした状態より立たせた方が良いんだと・・・」


「ふむふむ、リュートは院長に捕まって磔に・・・な・ん・で・す・とぉ?!」


どうやら、完全なる誤解だったようだ。


・・・どう考えても可笑しいだろーが・・・ぷっ!(これは著者の陰謀だ)


磔にされているのはベットから落っこちない為?


「リュート、でもどうして磔状態なんだよ?」


・・・おお!ウガッタ意見だ!


「磔?よく見ろよミコ。磔なら括りつけられるか縛られるだろ?」


狐モドキを拘束していると観えたのは。


「え・・・何だよコレは?」


狐モドキの手と足を掴んでいる・・・モフモフの手!


「いや、案外気持ち良いもんだぜ・・・魔物ベットも」


「・・・・(ダラ ダラ ダラ)」(吹き出す汗の音)


・・・魔物・・・ベットだとぉ?!


声を無くしたミコの代わりに叫んでみた。


「おい、看護師と話があるんだ、一時離しておくれよ?!」


リュートの声でモフモフの毛が、掴んでいたリュートを解放した。



 しゅるるん 



ふわりと降り立つ狐モドキ。

顎を限界まで落としたミコの前に来ると。


「どうかしたのか?こんなことで驚いてちゃぁエクセリアでは生きていけないぞ?」


達観したのか、狐モドキが教育する。

・・・って、気絶してたのはリュートだろ?


「あは・・・あははっ、やっぱり帰りたい・・・現実世界へ」


ミコが眼を廻して答えたのに、狐モドキはこう答えるのだった。


「まぁ、それには先ず、魔王の居場所を突き止めないとな!」


「その前に・・・リュート、お願いがあるんだ・・・」


眼を廻してミコが幼馴染の狐モドキに頼んだのは・・・


「今回は辞めにしない?やっぱりナースなんてナースにしない?」


「それを言うのなら、なんにもナース・・・だろ?」


・・・どっちもどっちだよ!






集中治療室の壁に凭れ・・・


「で?依頼を断る訳?

 あなた達には犯人を探る私には必要なのよ?」


またしても聞き耳を立てているマノア・・・


パツンパツンの胸元に載せられた、オッキィーな輪パイン。

輪切りのパインをほおばり、次の手を打とうとしている。


「じゃあ、次で。

 この病院に潜む者を炙り出してみようじゃないの!」


ニヤリと笑うマノアがパインに潜ませてあったモノを咥えて取り出す。


マノアが輪っかのパインから取り出したのは?



(( 次回よ! ))


・・・の、キレッパシ。


挿絵(By みてみん)



あ。


前回のネタがこんな所で・・・・




・・・タピオカだけじゃなかったのね・・・


なんだか怪しい(妖しい)マノア婦長。

そして病院には摩訶不思議なベットが・・・


妖怪ぬりかべを思い出しました・・・・


次回 白い巨塔はタピオカの味 伍話

なんだか良く分からない状況に?!

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