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いきなりですが異世界です

ヒューと風が吹き、砂が空に舞う。

そんな、何もない砂漠のど真ん中で私は呟いた。


「・・・ここ・・・どこ・・・?」


とりあえず周りを見る。

砂、サボテン(?)、道。

少なくとも日本ではない。

そう私は無表情で考えた。



私の名前は赤城楓。中学2年生だ。

私はぼっちで家族も知り合いもおらず、唯一話すのは食堂のおばちゃんくらいだ。

学校では先生以外とは特に話さず、

休日はだいたい家か図書館にいるという、

毎日淡々とした日々を送っている。

正直言って寂しい。


そんな私がなぜここにいるのだろう。

ここに来る前のことを思い出してみる。

私は家でテスト勉強をしていたはずだ。

その時消しゴムがなくなったので、買いにいこうとドアを開けた。


でも、そこに広がっていたのは見慣れた町並みではなく砂漠だったのだ。


まさか・・・

異世界に召喚された?!


あ、でも召喚師とかだれもいない・・・。


私どうやってここに来たんだ?


もしかしたらチートな能力を手に入れてたりして楽しい人生が待っているかも。



ガラガラと音がして、音がした方を見る。


なんか、馬車が通っているんだけど。

しかも、私の前で止まった。


「お嬢さん、どうしたんだい?」


立派な服を着た老人が出て来て話しかけてきた。


「あの、ここってどこですか」


「王都の西の砂漠だよ」


なるほど、分からん。


「君はどこの子だい?」


「あ~、えと、少なくともここではないです。

というか、この世界じゃ・・・」


「この世界?」


「・・・異世界から来ました」


これ、言って良いの?

異世界からの人が勇者とか英雄とかの伝説とかない?

平和大好きな日本人だから、戦うのは嫌なんだけど。


「・・・詳しく聞かせてくれるかい?」


聞くのか。

本当に話して大丈夫かなぁ。


「実は家のドアを開けたら、ここにいて」


「・・・それだけ?」


「それだけです」


老人は少しの間難しい顔をして、


「なら、家に来ないかい?」


と、言った。


少し耳を疑った。

いや、私としてはその方が良い。

しかし、良い話すぎない?


でもこれを逃すと次があるかどうか・・・。


お言葉に甘えるか。


「はい、お願いします。でも、2つお願いがあります。」


「なんだい?」


「1つ目は私にこの世界について教えてくれませんか?そして、2つ目は私に関することは私の意思を通してから決めてほしいのです。」


これ大切。

まず、ここのこと知らないとどうにもならないから。

2つ目は、勝手に生け贄とかにされたりとか嫌だから。


「1つ目はもちろん良いよ。衣食住と身の安全も保証しよう。だか、2つ目は私の権利にも限りがあるから場合による。」


「それで十分です。」



そうして私はこの人の家に行くことになった。

何はともあれ安全に過ごせるようになって良かった。この人も優しそうだし。


しかし、誰かも分からない私を家に置いてくれるなんて、この人お人好しすぎない?






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